乙一『箱庭図書館』 | 文学どうでしょう

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箱庭図書館/乙一

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乙一『箱庭図書館』(集英社)を読みました。

この本はちょっと変わっていて、インターネットで集められたボツ小説を、乙一がリメイクするという形で書かれたらしいです。

というわけで、基本的には短編集ですが、そこは乙一のサービス精神というか、同じ町だったり、登場人物をリンクさせたりと、連作のようなスタイルになっていて、そういうところが、うれしいですねえ。

元になったボツ小説もサイトに載っています。

こういった形式の本自体めずらしいと思うんですが、そうなると、どこまでが乙一のオリジナルで、どこからがオリジナルでないか、は気になるところです。

ちなみにぼくは、元になったボツ小説の方も読んでみました。

乙一っぽいな~と思う部分が、元にもあったりして、「生まれてきてすいません」みたいなやつとかですが、乙一のバージョンは、やっぱりうまくバランスがとれているなという印象は受けました。

全部で6編入っていて、それぞれについてのコメントはしませんが、ぼくが特に気に入ったのは、「コンビニ日和!」と「青春絶縁体」ですね。

「コンビニ日和!」でいいなと思ったミステリ部分ですが、それは乙一のオリジナルだったのでよかったです。後輩のキャラクターは元にもいました。

「青春絶縁体」は共感できる部分があるというか、そうですね、そういった意味でおもしろかったですね。

おすすめの関連作品


では恒例のリンク。

強盗つながりで、村上春樹『パン屋再襲撃』はどうでしょうか。

パン屋再襲撃 (文春文庫)/村上 春樹

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続いては、ストレート・チルドレンつながりだと、チャールズ・ディケンズ『オリバー・ツイスト』(上下)がおすすめです。

オリバー・ツイスト〈上〉 (新潮文庫)/チャールズ ディケンズ

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オリバー・ツイスト〈下〉 (新潮文庫)/チャールズ ディケンズ

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乙一はちゃんとした新作も書いてほしいですね。