本多孝好『チェーン・ポイズン』 | 文学どうでしょう

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日々読んだ本を紹介しています。

チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし)/本多 孝好

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本多孝好『チェーン・ポイズン』(講談社)を読みました。

本多孝好も最近のもの以外は全部読んでいますが、やはり最初の『MISSING』が一番おすすめですね。短編集ですが。

MISSING (双葉文庫)/本多 孝好

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ぼくの中ではそれ以上のヒットは今のところないです。

『チェーン・ポイズン』は、自殺をした何人かが同じ薬物で死んでいること、そしてそれまでに一年の時間があることから、記者がその死の真相に迫っていきます。

物語は記者の目線と、そして自殺しようと思った女性の目線で交互に描かれます。

女性はたまたま福祉施設のようなところで、ボランティアをしはじめます。身寄りのないこどもたちの施設。こどもたちを守るために生命保険を使うことを決意します。

まあそういった話なんですが、物語の本当に描きたい部分は死の真相ではなく、トリックがどういうトリックかを書いた時点でネタバレになるのであれですが、まあ一種の感動系と言ってよいでしょう。

ただぼくは、記者が薬の存在に気が付くのも不自然だし、事件の存在自体がなんだか微妙な気がしていたので、それほどのめりこめませんでした。

おすすめの関連作品


では恒例のリンク。いなくなった人を探す系では、宮部みゆきの『火車』が面白かったです。

火車 (新潮文庫)/宮部 みゆき

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レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』は、村上春樹が訳していますし、いくつかの名台詞でも有名ですね。私立探偵フィリップ・マーロウの出るハードボイルドです。

ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)/レイモンド・チャンドラー

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へらず口なんかが特におもしろいです。友情の話です。ではそんな感じで。