エイチ.アイ.エス 第28回 定時株主総会 2009
★新宿副都心での総会が多いのう・・・
㈱ エイチ・アイ・エス 第28回 定時株主総会
平成21年1月29日(木) 午前10時 開催予定
場所 / 東京都新宿区西新宿六丁目6番2号
ヒルトン東京 4階 「菊」 (菊葉/菊華)
【 東証1部 / 証券コード:9603】
格安航空券でトップ。ツアー旅行やホテル運営も。法人・団体の取り扱いを育成。海外71都市、82拠点(2009/1/15現在)。
午前10時00分 総会開始 *後方にビデオカメラ1台
総 株 主 数 11,468名→ 発行済株式 34,261,468株
本日出席株主 1,615名→ 議決権個数.. 72,203個
☆定足数に問題なし。 開催時、発表の人数&個数。
監査法人 / トーマツ
監査の結果/事業報告等、法令・定款に従い会社の状況を正しく示し、監査の方法&結果も相当である。
報告事項 1.第28期の事業報告など 2.計算書類報告
*スクリーン使用(男性によるナレーション)。
◆まず、議長より【トルコでのバス事故】の説明が。
(これは、2006年10月の「お得にトルコ周遊9日間」のHIS主催のツアーで起きた、雨の中でのバス横転事故。日本人観光客24名のツアー。
死者1名、意識不明の重体2名。指を切断してしまった人もいる。添乗員、現地ガイド、運転手を含め、多数が怪我)。
当社は、事故当時、チャーター機を手配し、治療に専念してもらう為、特別補償金として、当社に問題あるないに関わらず、1億3千3百万円の補償を約束した。
昨年の株主総会で、後日に説明会をという事で、3月9日に開催。
そして、企業倫理により、事故から3年の補償を治療が終了するまでに変更した。
法的責任は、当社にあるとは言い難いというのが弁護士の見解。
3月の下旬に書簡を送り、被害者の半数を超える人と話し合った。保険金を支払った人もいる。見解の違う人もいる。大きな隔たりのある人もいる。
当社には責任はないという見解です。旅行業法、約款で可能なものと可能でないことがある。
これ以上の事は、今までの旅行業界の論点、ビジネスモデルを変えないといけない。
小さい旅行会社だとやっていけない。1社で判断出来る問題ではない。
司法で判断してもらうしか方法がない。
★連結当期純利益24億87百万円(前期比45.0%減)。1株24円配当。
決議事項
第1号議案 剰余金処分の件
第2号議案 定款一部変更の件
第3号議案 取締役7名選任の件
第4号議案 退任取締役に対し退職慰労金贈呈の件
第5号議案 第28期役員賞与支給の件
★ 以下、質疑応答の抜粋・要約 ☆解釈の仕方、聞き違い等も考えられますので、正確な情報をご希望の方は、再度各機関へお問い合わせ下さい。また、当ブログ中の間違いなど、お気づきの点があれば是非御連絡下さい。
株主1.(←非常に有名な株主様)
『今の議長の説明、トルコ事故について、ご家族の方にもプラスになったと思い安心しています。
決算書の対処すべき課題がありますが、これで上手く行くのかは貴方達次第です。お任せ致します。
損益計算書の29ページ。投資有価証券評価損と関係会社株式評価損で、計44億円が吹っ飛んだ。損失となった評価損は、何が落ちたのか。上位2から5社をお教え下さい。これが第1問でございます。
第2問。けいつね(経常)利益、当期純利益、一株利益が、売り上げ増なのにマイナスなのは?
このHISは、株式等の評価、1,800円の推移。
これは、皆さんを評価している。株価を頭に入れながら、1問、2問の説明を!』
議長 『1番大きな有価証券の損失は、スカイマーク株式で27億ほど。2番目が、関係会社の整理で、子会社のATB(旧マップインターナショナル)。
この規模ですと、独自再建は無理で、今期に入り解散、本体へ吸収した。
この2つで、評価損の数字の8割以上。』
株主1. 『スカイマーク27億。これが7割強。
澤田さんが大きく関わっている。どうしてこんなに落ちた?』
議長 『途中から、持分法から外れた為。
現在は、株式を保有しているだけで、経営には関係が無い。
申し上げる事はないが、一般論だが原油価格の高騰などがその理由ではないか。
1株主として、見るスタンス。』
株主1. 『このスカイマークは、どの様な展開をしているのか?遠くから眺めてくのか? 原油は、値が下がっている。今後、どうするのか?』
議長 『1株主として、経営上はアドバイス出来ない。
見守るしかない。』
株主1. 『スカイマークの1株評価はいくらですか?』
議長 『当社の期末簿価で、1株108円。計11億円。
仮での話しだが、50パーセント下落したら減損しないといけない。』
*まだまだ、議長の回答は続く・・・
議長 『(第2問の回答)1株当たりの純利益には、営業成績が影響した。下半期は回復し、29期も続いている。
初夢フェアは、堅調に予約頂いている。』
株主.1 『了解! 最後にメッセージを!(株主小笑)』
*外野株主の携帯電話が『ピコピコ~』と鳴る。
議長 『総会の場で社長は交代すべきであったが、必ずや海外旅行でナンバーワンになることがステップ。そして、世界へ出て行く。
応援のほどをよろしくお願い致します。』
株主.1 『了解!』
株主2. 『トルコ事故で1人が亡くなり、2人が意識不明。
意識不明の1人の、娘の父親です。
必ずしも全てを言い尽くしていない。
法的責任で、最後は仕方ないが、格安ツアーの23名に裁判しろ!と迫ってくるのはいかがなものかと・・・
昨年の総会でも言ったが、PTSDの心的ストレスで悩んでいる人もいる。
手紙を預かってきたので朗読します。
【女性。事故後、初めて説明会が行われました。株主の皆様ありがとうございます。
澤田社長(現会長)は、「エイチ・アイ・エスも被害者だ! 訴えればいい!」と、謝罪ではなく、逆切れ!? トルコのバス会社を訴えればいい・・・ 】
議長 『 ご質問の趣旨は? 』
株主2. 『じゃ、手紙が長くなるので・・・
3月9日説明会やってもらった。事故後、1年数ヶ月も、普通は説明会をしないなんてない!
説明会で、タコメーターが配られたが、どうして無いと言っていたタコメーターが出てきたのか!?
「メールに添付されていたのが気付かなかった。」と言うが、これは隠蔽ではないか! しかも、事故前日のモノ。当日のはないのか!
「トルコのバス会社を一緒に裁判起こそうよ!」と澤田さんは言っていた。本当か?
実際は、合意できなかったが、提示金が15万から100万円は、低いのでは?
「こんな説明会は、やってもしょうがない!」と澤田会長は退席した。私達にとっては打ち切られたまま。完結していない。遺憾。
再度、説明会を開いて欲しい。
「提示条件を認めないのであれば全ての条件をキャンセルする。合意しないのであれば、180日以内の医療費、その後の30%の医療費、救援者費用も返してくれ!(高額な)小型チャーター便料金も請求する!」とい言っていた。
まだ来ないが・・・ 本当に請求を考えているのか!?』
議長 『今回の事件は、残念に思っている。未だ解決していないのも遺憾。
総会の場だが・・・ ジャンボジェット2機チャーターし、億を越える費用は、CSR社会的責任で行った。会社は、株主のお金で運営している。個人の要求全て受け入れる事が出来ない事もある。法的範囲を超えた補償をしている。
安心・安全の定義に若干の隔たりがある。
海外旅行は、異文化体験が売りであり、コントロール仕切れない部分がある。リスクヘッジを考えると、料金も高くなり、その分お客様負担も増える。
異論を唱える気はないが、これは業界の問題。パッケージツアーのあり方、見直しの機会にもなる。
取締役会で決議できるレベルも超えている。』
株主2. 『平行線かもしれないが、3年間大丈夫と思っていたのに、キャンセルするとか・・・ 鈴木さん(現相談役)、澤田さん、そういう事を言うと・・・
旅行業界と関係なく、一緒にトルコで訴える事は、取締役会で決議出来る。』
議長 『総論で提示している中の一部。各論に渡っての議論は、出来る限りの事はした。再発しない様に、力を入れている。
大変申し訳ございませんが、2年3ヶ月前に遡り議論する事は、総会の目的に反するので・・・ 申し訳ありません。』
株主2. 『私1人で時間をとるのも申し訳ないが・・・
「全部の追加の条件を飲まなければキャンセルする!医療費も返せ」と言うのは~
国土交通省にも問い合わせたが、「そんな馬鹿な!あり得ない!?」と言っている。
連絡しても、担当の下の人しか出て来ない。メールしても電話しても出て来ない。
私も裁判などはしたくない。中途で(澤田会長?)出て行ってしまったので、再度機会をもって欲しい。』
議長 『十分にそういう気持ちはあります。
チャーター便は全ての旅行会社が出来る訳ではない。超えたことをしている。
司法の判断を仰いだ方が得策。説明会をしても・・・
司法判断あった方が、会社としても動き易い。』
株主女性.3. 『取締役7名の持株がバラバラ。
トヨタの役員は強制ではないが、自分で車を買うとかしている。
持株もないと痛みもない。バラバラの理由は?』
*社長(議長)の持株0。ゼロ。
議長 『理由は無い。役員の選任は、戦略優先。減損で厳しい状況でもある。
インサイダーもあり、買い辛い状況。機会ある時に、私自身も持っていきたい。』
株主女性3. 『余りにも差がある。社員も買っているのなら~』
議長 『やはり、創業時からの役員と新任役員とでは差がある。従業員から役員となる者は、経済的な事情もある。』
株主2.(2回目) 『インサイダー取引だが、役員持株会を作るとか、定額引き落としなので大丈夫。場で買うのは不可能だが・・・
持株会がなければ作ればどうか。』
議長 『その方向で役員持株会を作る予定。』
株主1.『議事進行!』
株主4. 『提案です。初めて出席したが、他社と比べて・・・
朝、水なりお茶なりのコーナーを作って欲しい。
スクリーンでもあったが、サービスの向上、総会の場に、お客様相談室のデスクを設けるとか。』
議長 『次回から、この2点を実現したい。
1番は、お客様のご要望通りの手配を行うこと。
プラス付加サービスの提供。』
株主1 『議事進行!』
◆総発言者 4名
【一括上程 一括審議方式】により
決議事項、第1号議案~5号議案まで、全て可決。
終了時間 11時40分 所要時間 1時間40分
株式会社 エイチ・アイ・エス 株主総会 荒れ度数
★★★☆☆ ☆☆☆☆☆ 独自100段階評価 39
お土産(退席時) / 自社エコバック & 日本ヒルトン株式会社のパン
ドリンク / なし (次回総会からは、飲み物を用意とのこと)
◆総評◆
トルコバス事故の議論は、中途で退席してしまった点が最大の問題か。
これらの事実は、週刊誌でも大きく取り上げられていたので、概略は知ってはいたが・・・
初の説明会も、総会で株主から言われて仕方なくした感じやし。
せっかく、法的補償以上のことをしているのだから、逃げる事無く、真摯に対応してもらいたい。
不況もあり、本総会から食事懇親会無くなりました。
よって、大幅な出席者減~
ただ、会社は、原油安&円高で追い風か。
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