活性酸素は悪者？

　活性酸素って皆さん聞いたことありますか？

　なんとなくテレビや雑誌なんかの話だと体に悪そうなイメージですよね。

　「活性酸素」でgoogle検索してみて上の方にひっかかったページにこんなのがありました↓

活性酸素って何だろう？

http://www.health.ne.jp/library/3000/w3000211.html

　このページに書いてある項目をまとめてみますと、

・さまざまな老化現象を引き起こす真犯人

・非情に攻撃的で毒性の強いクセモノ

・「酸化させる」(サビさせる)

・シミやシワなどのほか、ガン・動脈硬化・糖尿病・老人性痴呆・白内障といった大変な病気の引き金にもなる

・活性酸素の発生源は紫外線・タバコ・激しいスポーツ・ストレス・医薬品・電磁波など

・体内には酵素、たんぱく質、ビタミンなど様々な“サビ止め”がある

　いやぁ、これを見るととんでもない物質のようですね。

　じゃあ、この活性酸素をなくしてしまえば老化予防になるんだ(^∇^)

　というわけで抗酸化物質(上記にあるサビ止めですね)でありますビタミンCとビタミンEを与えてみました↓。

Antioxidants prevent health-promoting effects of physical exercise in humans

Ristow et al.Proc Natl Acad Sci USA 106: 8665, 2009

http://www.pnas.org/content/106/21/8665.long

　運動すると体内で活性酸素が発生することが知られていますが、その一方で運動には糖尿病予防効果があることもよく知られています。そこで、運動の効果と抗酸化ビタミンの効果を見てみたのが、この論文にある研究でございます。

　結果を言いますと、運動をすると

　血糖値がよくなった

　体内の抗酸化力が強化された

　という効果が得られました(^-^)/。

　しかし、ビタミンC・ビタミンEを摂取すると・・・

　運動による効果が発生しなかった!!!!!!？

　つまり、血糖値もよくならなかったし、体内の抗酸化力も強化されなかったというわけでございます。

　他にも線虫などの研究では活性酸素を与えると寿命が延長するが、抗酸化物質を与えると逆に寿命が縮んでしまったという研究結果も報告されています。

　では、そもそも活性酸素ってなんなんだ？どんな時に増えるんだ？ということについて簡単に説明したいと思います。

　みなさんが食べた食事はバラバラに分解され、最終的には細胞の中にあるミトコンドリアでATPという名のエネルギーに変わります。この際、食べ物は最終的に陽子(H+)と電子(・-)に分かれることによってATPを産み出すパワーを発生させるわけなんです。

　しかし、ATP需要があるのにATP供給が追いつかないような場合(ミトコンドリアの機能が弱かったり、数が足りなかったりするケース)、どんどん食べ物は陽子と電子に分けられていくのですが、ATPが作られない。こんな時有り余った電子が酸素とくっつくことによって活性酸素が発生してしまうのです。

　ここでピンときたあなたは察しが良いです。

　そう、つまり供給制約が発生しているときに活性酸素が発生するわけです。

　さて、活性酸素が増えた場合、細胞の中でどんな変化が起きるか

・ミトコンドリアの数を増やす

・ミトコンドリアの機能を高める

・体内の抗酸化物質を増やす

・ダメージが大きくて異常が生じたときには細胞活動を止めたり、細胞を自ら処理する

　活性酸素が問題だからといってサプリなんかでビタミン等を摂りすぎると、ミトコンドリアが増えなかったり、体内の抗酸化物質が増えなかったり、異常な細胞を野放しにしたり(癌化したり壊死したりする可能性も)するというわけなんですね。

　これって、こうも言い換えられますよね。

　供給制約が問題だからといって外国人で解決しようとすると、国内の供給力が増えなかったり、ブラック企業が蔓延したりして、国の寿命を削いでしまう。

　もちろん、過剰な活性酸素は悪性インフレと同じで体にはよくないですが、活性酸素を敵視しすぎて、抗酸化物質をせっせと摂るようなことはしなくてもよいのかもしれません。

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