『グローバリゼーション・パラドクス』・その3 | くらえもんの気ままに独り言

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 前回に引き続き『グローバリゼーション・パラドクス』の感想ですが、読めば読むほどに過激なグローバリゼーションというのはロクなものではないなぁという思いがふつふつと湧いてきますね。「TPPは国家百年の計(苦笑)」・・・・・・まったくふざけてるなぁ・・・。


 では、前回の続きからいきます。


第七章 豊かな政界の貧しい国々

『一次産品や原材料に特化すると、あなたの国は世界経済の周縁地域となり、身動きが取れなくなるだろう。そして、世界価格の変動の人質であり続け、国内の特権層による小規模な集団の支配に苦しむことになるだろう。(185P)』


 比較優位に則って、衰退産業から成長産業へとかやって、特定の産業に特化させちゃうと、その他の必要な産業が潰れちゃうよってわけですね。特に一次産品や原材料に特化しちゃうと、以後の経済発展は閉ざされてしまうってわけです。深いグローバリゼーションではなく、ある程度政府が産業を保護して育成することが重要だってのは少し考えれば分かりそうなものですが・・・。ここでは、20世紀後半の日本・韓国・台湾・中国の目覚ましい経済発展は保護主義的な政策の賜物だということが示されていました。政府と市場の協力が成長への原動力ってわけですね。


第八章 熱帯地域の貿易原理主義

『輸入関税の引き下げや貿易障壁の撤廃だけでは不十分で、開放的な貿易政策は、広範囲に及ぶ行政機関の改革、労働市場の「柔軟性」や国際貿易協定によって補強されなければならなかった。(203P)』


 ワシントン・コンセンサスという新自由主義者の狂った呪文の話ですが、これをやつらは世界中に強制しようとしやがったわけです。かかえる問題は各国で違うというのに・・・。まぁ。もちろんワシントン・コンセンサスという考え方は見事に失敗するのですが、彼らは言います。「改革がまだタリナイ・・・( ̄へ  ̄ )」

 なんというか・・・これを真面目に言っているとしたら・・・●●●●。

 それぞれの国にはそれぞれの国の事情があって問題も違うから、それを解決するソリューションも様々なわけです。それを「どこの国のどんな問題も自由化で解決さ( ̄▽+ ̄*)」ってやるから、世界中で不況が蔓延してるんじゃないですかねぇ。


第九章 世界経済の政治的トリレンマ

『われわれは3つの選択肢を持っている。国際的な取引費用を最小化する代わりに民主主義を制限して、グローバル経済が時々生み出す経済的・社会的な損害には無視を決め込むことができる。あるいはグローバリゼーションを制限して、民主主義的な正統性の確立を願ってもいい。あるいは、国家主権を犠牲にしてグローバル民主主義に向かうこともできる。(233P)』


 ここは簡単に説明した方がよさそうですね。つまり、ハイパーグローバリゼーション、国民国家、民主政治の3つを全て同時に成立させることはできないというのが、世界経済の政治的トリレンマというわけです。


①民主政治を犠牲(黄金の拘束服)

 グローバリゼーションを推進すると国民生活に大打撃を与えますからね(TPPが良い例)。国民国家を保ったままグローバリゼーションを推進したければ、国民の声を無視するしかありません。いやぁ、今の安倍政権の向かう道を彷彿とさせますなぁ。ちなみにこれは国民自らがグローバリゼーション万歳でやっていっても、民主主義が犠牲になります。なぜかと言うと、グローバリゼーション進んだ後に反対の声を上げても、その時にはすでに自国の法律を決めるのは海外のグローバル企業になってるかもしれませんよ( ̄∀ ̄) 

②国民国家を犠牲(グローバル・ガバナンス)

 民主政治を残しながらグローバリゼーションを推進したいなら、民主的な世界政府を作ればよい(o^-')b

 世界政府までいかなくても、今のEUなんかは域内のグローバル化を推進した結果なんですが、今の惨状を見ると・・・ちょっと、イヤだなぁと。そもそも、言語も文化も国民性も違うのにそれを一つにまとめようと言うのが無理な話だったというわけで。国民国家という枠を越えて人々が暮らしていくのって、多くの問題をはらみそうですね。ちなみにアメリカ合衆国を国家の集合体と見るならば、こちらはまぁまぁうまくいっているケースでしょうかね。

③グローバリゼーションを犠牲(ブレトンウッズの妥協)

 深いグローバリゼーションによる統合を犠牲にすることで各国は自分たちのやり方を追求することができるというわけですね。そもそも自国の政策を優先することで、より貿易が盛んになるだから、深いグローバリゼーションを犠牲にするデメリットってなんなんでしょうか?グローバル企業の儲けが減る?

 そんなものは知らねぇよ\(*`∧´)/

 ちなみに筆者は③を選ぶべきと述べておりました。


 というわけで、本日はここまで。


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【柴山桂太】まともではありません

http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/10/31/shibayama-18/

【柴山桂太】外国人投資家の発言力

http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/11/28/shibayama-20/

【柴山桂太】グローバル化は止まった

http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/12/12/shibayama-21/


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