2008年。アメリカ。"SEMI-PRO".
ケント・オルターマン監督。
1970年代に実在して、NBAと人気を競い合っていたABAが没落してゆく姿を通して、プロのスポーツ選手たちのそれぞれの人間模様を描いたコメディ調のドラマ。
最近多くなった1970年代回顧もの映画のひとつだが、合併に明け暮れる現在の効率優先主義の経済に対する皮肉も込められているような物語で、
ただ単にお気楽なコメディだった『俺たち』シリーズが少し路線を変更したようにも見えた。
その分、『俺たちニュースキャスター』や、『タラデガ・ナイト/オーバルの狼』みたいに大笑いできる場面も少し減ったような印象もある。
代わりに、ちょっとしみじみとした別れた男女の再会のエピソードがあって、作品としてはグレードがアップしたのかも知れない。
しかし、ウィル・フェレルのコメディには、何も考えていないようなお気楽さを求めてしまうので、好みからすると、『タラデガ・ナイト』や『俺たちニュースキャスター』の方が面白かった。
ただし、よく考えてみると、『俺たち』シリーズは1970年代から1980年代を舞台にした作品が多く、もともと企画の意図には、現代の経済に対する異議を唱える、という考え方があったのかも知れない、という気もしてきた。
プロのバスケットボール・リーグが舞台だというので、『ドッジボール』というコメディ映画にも出演していたヴィンス・ヴォーンが出演するのかと思ったら、(身長も196センチとウィル・フェレルと同じなのでバスケット選手には適役に思われる)、
キャラクターがウィル・フェレルとかぶり過ぎるのか、あるいは派閥が異なるのか、出演はなく、
私生活でも暴力事件を起こしたりしている、けんか男でタフガイのウディ・ハレルソンが出演して良いエピソードを演じていた。(実際は、ボランティア活動や福祉活動などにも熱心な心優しい人物でもある。らしい。)
IMDb 公式サイト(日本)
ABAがNBAに吸収合併されることを知らされたフリント・トロピックスのオーナー兼チーム・リーダーのジャッキー・ムーン(ウィル・フェレル)は、上位4チームがNBAに行けるという条件を得て、
NBAでの優勝経験を持つ優秀なプレイヤーであるモニックス(ウディ・ハレルソン)をトロピックスに勧誘して、チームのテコ入れを図る。
エンターテインメント性を重視して、試合の合間の歌謡ショーやパフォーマンスばかりをやっていたトロピックスは万年最下位のダメチームで、観客動員数もさえなかった。
選手たちには、どうせ4位以内に入るのは無理だという絶望感があった。
アウトキャストのアンドレ・ベンジャミン(『フォー・ブラザース/狼たちの誓い』にも出演していた)も、主力選手の役どころで登場する。
モニックスは選手としては二流に過ぎなかったが、鬼コーチと化して、フォーメーションの基礎から選手たちに学ばせ、猛特訓を開始する。
当初はやる気のなかった選手たちも、いろいろあって、次第にチームとしてまとまりを見せてくる。
モニックスにはかつて恋人だったリン(モーラ・ティアニー)という女性がいた。トロピックスの本拠地であるミシガン州フリントに来たことで、モニックスとリンとは再会する。
中年男女のしみじみとした恋愛ドラマはなかなか良い感じのエピソードになっていた。
リンの弟が熱狂的なトロピックスのサポーターで、ちょっと面白かった。
『ロンゲスト・ヤード』(1974年)をパクッた試合でのフォーメーションの確認をする場面。
4位以内に入っても、NBA入りは絶望的になったが、フリント・トロピックスの意地をかけた試合に選手たちは一致団結して、最後のプライドを見せる。
4位以内に入るかどうかを決定する運命のフリースローが投げられる。
ジャッキー・ムーンが歌う『ラブ・ミー・セクシー』はおかしかった。
選曲もスライ&ファミリー・ストーンなど1970年代のR&Bが中心でセンスが良かったように思われた。
ケント・オルターマン監督。
1970年代に実在して、NBAと人気を競い合っていたABAが没落してゆく姿を通して、プロのスポーツ選手たちのそれぞれの人間模様を描いたコメディ調のドラマ。
最近多くなった1970年代回顧もの映画のひとつだが、合併に明け暮れる現在の効率優先主義の経済に対する皮肉も込められているような物語で、
ただ単にお気楽なコメディだった『俺たち』シリーズが少し路線を変更したようにも見えた。
その分、『俺たちニュースキャスター』や、『タラデガ・ナイト/オーバルの狼』みたいに大笑いできる場面も少し減ったような印象もある。
代わりに、ちょっとしみじみとした別れた男女の再会のエピソードがあって、作品としてはグレードがアップしたのかも知れない。
しかし、ウィル・フェレルのコメディには、何も考えていないようなお気楽さを求めてしまうので、好みからすると、『タラデガ・ナイト』や『俺たちニュースキャスター』の方が面白かった。
ただし、よく考えてみると、『俺たち』シリーズは1970年代から1980年代を舞台にした作品が多く、もともと企画の意図には、現代の経済に対する異議を唱える、という考え方があったのかも知れない、という気もしてきた。
プロのバスケットボール・リーグが舞台だというので、『ドッジボール』というコメディ映画にも出演していたヴィンス・ヴォーンが出演するのかと思ったら、(身長も196センチとウィル・フェレルと同じなのでバスケット選手には適役に思われる)、
キャラクターがウィル・フェレルとかぶり過ぎるのか、あるいは派閥が異なるのか、出演はなく、
私生活でも暴力事件を起こしたりしている、けんか男でタフガイのウディ・ハレルソンが出演して良いエピソードを演じていた。(実際は、ボランティア活動や福祉活動などにも熱心な心優しい人物でもある。らしい。)
IMDb 公式サイト(日本)
ABAがNBAに吸収合併されることを知らされたフリント・トロピックスのオーナー兼チーム・リーダーのジャッキー・ムーン(ウィル・フェレル)は、上位4チームがNBAに行けるという条件を得て、
NBAでの優勝経験を持つ優秀なプレイヤーであるモニックス(ウディ・ハレルソン)をトロピックスに勧誘して、チームのテコ入れを図る。
エンターテインメント性を重視して、試合の合間の歌謡ショーやパフォーマンスばかりをやっていたトロピックスは万年最下位のダメチームで、観客動員数もさえなかった。
選手たちには、どうせ4位以内に入るのは無理だという絶望感があった。
アウトキャストのアンドレ・ベンジャミン(『フォー・ブラザース/狼たちの誓い』にも出演していた)も、主力選手の役どころで登場する。
モニックスは選手としては二流に過ぎなかったが、鬼コーチと化して、フォーメーションの基礎から選手たちに学ばせ、猛特訓を開始する。
当初はやる気のなかった選手たちも、いろいろあって、次第にチームとしてまとまりを見せてくる。
モニックスにはかつて恋人だったリン(モーラ・ティアニー)という女性がいた。トロピックスの本拠地であるミシガン州フリントに来たことで、モニックスとリンとは再会する。
中年男女のしみじみとした恋愛ドラマはなかなか良い感じのエピソードになっていた。
リンの弟が熱狂的なトロピックスのサポーターで、ちょっと面白かった。
『ロンゲスト・ヤード』(1974年)をパクッた試合でのフォーメーションの確認をする場面。
4位以内に入っても、NBA入りは絶望的になったが、フリント・トロピックスの意地をかけた試合に選手たちは一致団結して、最後のプライドを見せる。
4位以内に入るかどうかを決定する運命のフリースローが投げられる。
ジャッキー・ムーンが歌う『ラブ・ミー・セクシー』はおかしかった。
選曲もスライ&ファミリー・ストーンなど1970年代のR&Bが中心でセンスが良かったように思われた。
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