演劇集団キャラメルボックス「あなたがここにいればよかったのに」大阪公演。
2月24日(月)19:00~見た直後の速攻レビューです。
またDVD出たらじっくり見て書きたいところです。
-----------------------
以前にキャラメルを見たのは、映画バー「酒場酒場」をやるまえに「演劇集団キャラメルボックスバー」をやった頃だから…
たぶん4~5年ぶりの演劇集団キャラメルボックス公演だ。
その間いろんなことがあったな…シミジミ。
実際には「あなたがここにいればよかったのに」より、2月24日(月)14:00~の「ヒトミ」を先に見たんだけど。
さすがに時の流れは驚きで、知らない役者さんが多くて面食らった。
てか、うまい役者増えてるじゃん。
そのなか、アコースティックシアター「ヒトミ」については、また書くとして、まずは「あなたがここにいればよかったのに」のお話しといきたい。
-----------------------
さすがに初演から3回目の公演で、できていない芝居もところどころあった。
でも、それも気にならない戯曲の完成度と演出の妙がトンデモない。
さて。
翻訳家を目指している書店バイト・日高まひろ(28歳?)は、半年付き合ってきた広告会社営業マン・森岡季之からプロポーズを受けるところから物語がはじまる。
そして、プロボースを受けた直後でハラハラドキドキな彼女の目の前に現れたのが、謎の男・天野大志だった。それでこう告げるのだ。
「僕には未来が見える。森岡さんと結婚したらあなたは不幸になる」
当然、まひろはワケが分からない。
てか、相当にドン引きな展開だけど、ここで違和感がなければ、サスペンス要素たっぷりに、みひろがプロボーズを受けるのか受けないのか…ストーリーが展開していく。
その後、謎の男・天野の未来予想が次々と的中するなか(やはり、まひろは結婚で不幸になるのか?)、まひろは彼氏の季之のウソにも気づいていく。
もちろん、まひろの気持ちも揺れる…。
「あなたを信じられなくなる」
しかし、季之のウソにはひとつひとつ事情があれこれあり「俺を信じてくれ」という彼の言葉にまひろは納得していく。
「あなたを信じる!」
印象的だったのは、まひろの親友で既婚者で恵菜のセリフだ。
「たとえ、結婚して不幸があっても私だったら、それを夫婦で乗り越えていける」
そうなのだ。
もし謎の男・天野が予言する「森岡と結婚したらあなたは不幸になる」ということが事実だとしても、愛があれば乗り越えられるかもしれない。
だって、乗り越えられないと愛じゃないやん。
もちろん誰もが“幸せ”になるために結婚という選択をする。
でも、男子は結婚を機に頑張ろうと思い、それがストレスで病気リスクを増えるというデータもある。女子は安心して、分かりやすいところでいうと、太る。
だから、結婚はゴールではない。
そんなことを知ってか知らずか、まひろは「まだ知り合って半年だし…」と、プロボーズの答えが出ないまま。
そして、次々と未来をいい当たる謎の男・天野の正体がついに分かる……。
まぁ、台本がよく出来てます。
-----------------------
ストーリー(戯曲)と合わせてよくできていたのが、演出ですな。
真柴あずきさん、過去2回挨拶した程度で、よく知らないけど。
戯曲で一番大事な“人の出入り”も含めて、初期のキャラメルボックスのコンセプトも感じられて、映画では実現不可能な場面展開。
つまりは“演劇”ならではの手法満載で、ひさひざに“これは劇場で見なければ分からない”臨場感を実感した。
てか、最近芝居をあまり見てないので、これが“最新”とか“最強”とかは語れないのですが。
かつてインタビューで、三谷幸喜氏や宮本亜門氏などに以下を聞いたことがあります。たぶん深作欣二監督にも聞いた。
「あくまでも仮定だけど、もし、この世で一番最高と呼ばれる映画・演劇・ゲームがそれぞれあったとき、どれが一番だと思いますか?」
いずれも答えは「演劇」でした。
自分も同感。
ひさひざに演劇集団キャラメルボックスを見たというのがあるとしても、
あらためて“演劇”の力を感じた時間だった。
今夜大阪のあと、名古屋、東京でより完成度があがるのは“芝居”的に間違いなしなので、大阪で見てしまった自分としては、その点悔しい。
大阪2月24日(月)19:00~では、ススリ泣きはなかったけど、
東京公演とかトンデモないだろうな。
演劇集団キャラメルボックス
キャラメルボックス2014アコースティックシアター・ダブルフィーチャー
http://www.caramelbox.com/stage/acoustic2014/