銀座のビルの売買契約が終了して、三島の友人達と忘年会の為にメルセデスで向かう事にした。
朝飯も食べていなかったので、三島で友人を載せて第2東名をヘッドライトを点灯させ1○○キロで新富士ICに向かい、本日のお目当ての「かとう食堂」へと向かう事にした。
田舎の長閑な道を進むのだが、正直こんな過疎(失礼)に食堂が営む事が出来るのか疑問に感じた。
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漸く辿り着いた店構えは、三島の友人のブログで知っていたが、普通の客であれば敬遠してしまう。
駐車場にクルマを停めて店に向かうのだが、店は線路に面していて反対側は川である。
間口は1間程だが、横に廻ると鰻の寝床の様に細長い店舗で、トタンの色で増築した様な形跡があった。
店の看板を見ると「ふくちゃん」とあり、踏切の反対側にお好み焼きのお店があるが閉っていた。
ラーメンと書かれた暖簾を潜ると、そこは昭和漂う店内だった。
カウンター席5席にパイプ椅子、小上がりには4人掛けテーブル2卓に、二人用テーブル1卓でテーブルが懐かしい折りたたみ式座卓で、若い人は分からないだろうがちゃぶ台とも言いますね。
私の実家にもこれと同じちゃぶ台があって、家族5人で食べた事を思い出します。
客は身なりの良い初老の紳士が、一人ラーメンをすすっていた。
店主は初老の白髪頭のお爺さんだが、愛そう良く「いらっしゃい!」と声を掛けてくれた。
メニューを眺めて見ると、ラーメン・焼きソバがメインで、サイドメニューでホルモンを注文するのが多いのでしょうかね?
さて、早速いろいろ注文して待つ事にしようと思う。
店の内装を見ると昭和の時代の雰囲気が漂ういい感じで、これを現代ではレトロと呼ぶのだろ。
しかし、レトロ調に仕上げた私の行きつけの店「エビス参」とは次元が異なり、時代と共に自然に風化し経年劣化した店内の、素晴らしい昭和の香り漂う風格がこちらの店にはある。
さて、注文をする事にしましょうね!
メニューから食べたいモノを注文したのだが、奥様がいたと記事に書いてあったのだが、どうやら一人で調理するそうで厨房で肉を切る所から始まりました。
かなり時間掛かりそうかなぁ~と厨房を見ると、奥で大きな焼き台で同時に3品を作っていた!
焼きソバを注文したのだが、ここは富士市であり「富士宮焼きソバ」なのであった!
調理してるマスターに確認すると、富士宮焼きそばだと返事が帰って来たので間違いない。
しかしまぁ~手慣れた手つきで、調理していくといい香りが漂ってきましたねぇ~
これは朝飯食べて来なかった事を、喜ぶべき事でしょうね♪
全て、注文した物がテーブルに運ばれてきた。
最初に手を付けたのが「なん骨焼き500円」だった。
こちらは豚の喉軟骨になりますが、寒いと脂が冷えて固まらないように熱せられた底の深い鉄皿に、特大の大盛りで登場したのだが、聞く所に寄ると1頭分の喉軟骨だそうで何と贅沢な盛り付けと優しい心使い!これは食べ応えありますねぇ~!
次は「ホルモン焼き500円」なのだが、見た目は味噌ベースの様ですね。
皮の裏には脂肪が付いていて、口に放り込むと素晴らしく柔らかい肉で驚きます!
これはお酒を入れて煮込むのでしょうか?柔らかくコクがありトロける様なお肉ですね。
こちらも寒いと脂が白く固まるので、熱せられた鉄皿で最後まで温かく食せるのが素晴らしい配慮だ!
さて、富士宮スタイルの「焼きソバ(玉子)450円」を食してみましょう!
玉子は目玉焼きを載せられたスタイルでは無く、キャベツと一緒に半熟状態で混ざっていた。
何度か催し物で「富士宮焼きソバ」を食べた事があるが、水分が多く余り美味しいとは感じなかったが、こちらの焼きソバは水分が飛ばされていてパリッとしたコシがあり麺がとても美味しい!
次は「煮込み400円」を食してみましょう!
お椀にこれでもか!って位に大盛りに盛り付けられておりますが、コンニャクや根菜類も一切なく、ホルモンだけで非常に柔らかく煮込まれた贅沢な一品に仕上げられている。
味付けはトンコツ味に醤油でアッサリと味付けられていて臭みも一切無く温まり美味しいですね!
一人お客が入ってきて、「ラーメン450円」を注文したので、こちらもラーメンを追加注文!
暫くするとラーメンが登場したのだが、何と透き通った醤油ベースのアッサリ味に、ちじれ麺でスープに良く絡み固茹で麺も、シコシコと美味しいですねぇ~。
スープは豚骨で、豚骨独自の白濁したスープに仕上がらないように4時間掛けて4種類の火加減で
付きっきりで仕上げるそうで、叉焼もシナチクも自家製で漬けこむ手の掛かったラーメンだ!
強火で白濁させると匂いが悪くなると言う事だが、同じ豚骨でこれだけ透き通ったスープに仕上げるとは、実に丁寧な仕事だと感心していたら、器のスープを飲み干してしまった!
サービスで「酢漬け」を少し頂いたが、こちらはガツで胃袋の部分で、柔らかく煮込まれたうえに醤油漬けにされていて、少し濃い味なのでビールのオツマミには最高に美味しい一品になる!
仕事が一段落してマスターを話しをする事にしたのだが、年齢が80歳を超えて大手術をされたそうだ。
始めた頃はこの場所では無く、市役所の前で50年以上前に始めて大変忙しかったそうだ。
店を移転してからも店は忙しく、出前もあり精肉の販売もあると言う忙しさだが、高齢になってからは営業時間を短縮し、出前を止めて鍋を持ってお客が買いに来るスタイルに変更した。
奥様もバイクで事故に合い、明日病院から退院すると言う。
奥様は1時半までホルモン焼きを手伝い、終わると夕方から自分の店でもある線路の反対側にある「ふくちゃん」と言うお好み焼き屋を、深夜2時まで営業すると言う元気な奥様だそうだ。
店内には奥様の「調理師免許」が飾ってあり、何と昭和11年11月11日生まれでビックリです!
店舗の奥には店内と同じ大きさの冷凍庫があるそうで、冬で-45度で夏にはー60度で冷凍する。
肉は市場で買ってくるのではなく全て屠殺所からの1頭買いで、冷凍庫には50頭ストックされている。
全て解体は御主人が行なうそうで、様々な部類に分けられて冷凍されストックされると言う。
豚肉は地元ヨーグルトで育った「朝霧ヨーグル豚」を使用してる念の入れようだ!
骨は店の奥にある大きな「万力」で1キロづつ潰し凝縮されて冷凍される。
スープを作る際に解凍されて美味しいスープの出汁となり、捨てる部分は殆ど無く使いきると言う。
市場でどんな飼育をされ、どんな育てられ方をしたか見当もつかない豚肉を使わず、餌も飼育も知り得ている豚肉の方が美味しいし、1頭から取れた肉を食した方が美味しいに決まっている。
残念な事だが後継者が居ないので、この仕込み方法から調理方法を受け継ぐ家族はいないそうだ。
何とも勿体ない事だろうか!しかし子供は既に嫁に行ってしまっていると言う。
客は東京や横浜からも通ってくる客もいるそうで、最初の初老の紳士は1日おきにメルセデスのSクラスでラーメンを食べに通ってくると言う。
口コミだけで、辺ぴな場所にある店舗に通っている客達に愛されてる店。
いつまでも元気で営んで欲しいと思いますが、誰か弟子入りしてこの味を引き継いで欲しいね。
1頭買いでここまで拘った調理方法で提供する店は、今の世の中何処にも無いでしょうね。
東京からクルマで食べに行っても期待を裏切らない、素晴らしい味がある事を実感した日だった。
☆かとう食堂
住所:静岡県富士市入山瀬3-8-27
電話:0545-71-3877
営業:昼11:00~13:30 夜15:30~17:30
定休:日曜日
総合評価★★★★★★★★★★(★5つが最高です)
食事 ★★★★★★★★★★
価格 ★★★★★★★★★★
雰囲気 ★★★★★★★★★★
サービス★★★★★★★★★★
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