先日は当家のお茶会を無事終了出来ましたことを、お嬢様方をはじめ、使用人一同大変嬉しく思っております。
ご来場頂いた方々、感謝を申し上げます。

今回のお茶会について、キッチンを任されました山口からお食事、お菓子のお話を致したく筆を執りました。

以前私がお茶会のキッチンに立ってから3年半以上経ってしまいました。
ずっと修行に出ておりまして、お茶会を熱望されていた方々をお待たせしてしまったことをお詫び申し上げます。

今回は、冬待ちお茶会という事で、秋も終わりかけでしたが、キノコを使った煮込みハンバーグを。
暖かい料理が美味しい季節になりましたね。
付け合わせにはポテトのマッシュを添えて、ソースを余すところなくお楽しみ頂けましたでしょうか。
お米は私が育てた27年産コシヒカリの新米を。
山間の、水の綺麗な土地育まれたやや甘めで粒感のしっかりしたお米はハンバーグと相性が抜群です。

そのお米を使用して、チキンライスを作り、卵を乗せたオムライスは愛様のキャンバスとなりました。絵のお勉強をされているのか、以前よりも格段にお上手になられて…
オムライス、などの可愛い言葉で伝わらない格の高い食事になりました。
さすがです愛様・・・

当家のお茶会では、やはり紅茶がメインです。
その紅茶に付けるお菓子として、今回はクッキー三種、スコーン二種をご用意致しました。
クッキーは国産小麦と、香り高い発酵バターをふんだんに使用しております。
チョコレートはフランス産の物を二種類混ぜて、食べたときの生地のサクサク感を邪魔させません。

ホワイトチョコレートは秘蔵のセレクト物です。胡桃はキャラメリゼにして、甘いものを。
当家のお菓子は、紅茶を引き立てるように、あまり甘くしておりません。
でも、一つくらい甘いものを選べたら楽しいですよね。

チーズは香り高いエダムチーズを粉末にしたものを使用しております。
オレンジピールを細かく刻んで生地に練り込みました。
ちょっと塩気の効いた、前者とは違った歯応えのあるタイプです。
チーズとオレンジの相性を最大限に生かされていると思います。


スコーンは、二種ご用意しました。
プレーンと、カカオです。
スコーンはクッキーよりも使用する食材が少ないので、素材の味が出来上がりを左右するのです。
小麦粉はクッキーとは違う種類の物を使用しています。
サラサラで、生地を作っていてとても手触りが良かったです。
こちらもバターは発酵バターを。
カカオは、少し濃い目にしました。カカオパウダーも、チョコレートと同じメーカーの物で、香り高いものを使用しています。

私の個人的な思いなのですが、スコーンは焼き立てと、冷めてからと、二通り楽しめるものだと思います。
焼き立ての香り高いフワフワも良いですが、時間がしばらく経って、しっかり小麦を味わえるのも良いですよね。
今回は焼き立てのタイミングをお伝えして、焼いてすぐのものもご提供致しました。
熱々のスコーンを火傷しそうになりながらも召し上がれるのも当家のお茶会ならではの事ではないでしょうか。

今回は籠盛りになったお菓子をメイド達が運んでくれましたが、粗相はございませんでしたか?
当家の使用人達はドジっ子が多いので、籠をひっくりかえして地下室行きになる人間がいないかひやひやしました・・



手土産のお菓子もずっと前から用意していたのです。
フルーツケーキは上手に焼けたので、お出しすることを決めていたのですが、オランジェットと、ラムレーズンのチョコレートがけを当日ご用意しました。

オランジェットはとても手間のかかるお菓子で、スライスしたオレンジを3日ほど煮詰めては冷まし、そして乾かし・・・と気の遠くなる作業でした・・・・・
途中でのつまみ食いから死守し、やっと出来上がったものです。

少しだけチョコレートが余ったので、漬けていたラムレーズンにもコーティング。
ラムレーズンはふさ干しの葡萄を使っているので、ふっくらとみずみずしく、葡萄本来の甘さがお楽しみ頂けたのではないのでしょうか?
一つ一つすると時間がかかりすぎるので、あまり数は準備出来ませんでしたが・・


当日はキッチンにほぼ籠って居たので、余り皆様とお話しも出来ませんでしたが、是非お菓子や料理の感想をお聞かせください。

とても長くなってしまいましたね。ここまで読んでくださってありがとうございます。
さて、お茶会も終わり、冬の到来です。

愛様はこの冬、どんなコートを御仕立するのでしょうか?
凪さんの様子を見に行ってきます。

では。