熊谷 松本材木店の庭~芝生の駐車場、完成! | 中央園芸のブログ

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(株)中央園芸の庭づくりの様子や、日々の出来事

こんにちは、押田です。熊谷松本材木店の造園工事が昨日、ようやく完成しました。

前回のブログの続きになりますが、5月14日、15日はリニューアルオープンイベントが行われました。



当日は一般のお客さんから、業者さんまでたくさんの人が訪れました。




新事務所前のウッドデッキも、緑に囲まれとても心地よい雰囲気になりました。




当日は、熊谷出身の野菜ソムリエ、牧野悦子さんが来られ、キッチンにて調理実演なども行われました。牧野さんとは、初対面でしたが、

「キッチンと庭とをもっと繋げたい!」みたいなお話もすることができました。


野菜があまり得意ではないという、外構造園設計の正木覚氏も、

「全部食べちゃった!」

というように、本当においしかったです。




正木氏も、庭の施工の各所を確認したり、竣工図の作成にとりかかったり、




綿あめの作成にとりかかったり・・・


とても楽しい時間を過ごすことができました。


ようやく造園工事は完成しましたので、いくつか写真を紹介します。





北側の庭、施工前の写真。




土壌改善をし、客土を入れ、




雨の中、植栽をして、




完成です!




同じく、北側の庭、別角度から。





この土地から出てきた玉石も、庭の中で使うことができました。






それから、前庭デッキ前の園路。


横溝を掘り、水脈整備。




竹炭、竹、枯れ枝、枝葉等を入れ、





狭い植栽地でも、健全に樹木が生育できるよう、空気と水の流れを良好にする処置をしました。


さらに、ここは園路になっています。


園路の両側の樹木の根は、建築物やアスファルト舗装に挟まれ、根の行き場所が限られます。

ここは、園路の下にしっかりと根を張ってもらいたいところですが、園路は歩くところ。

ここに外構的なしっかりした園路をつくっては、根(樹木)の成長に影響します。





ここは、ゆる~い園路に。

山砂を敷き、踏圧を防ぐ、緩衝材(クッション材)として、枯れ枝、炭、軽石などを山砂に混ぜ込みました。

これで、人が歩いても土や園路が踏み固められることはなく、そして、空気と水が園路の下にも浸透しやすいようになります。




樹木にも、人にも優しいゆる~い園路の完成です。

歩くと少しふわふわした感触があります。

園路の形状も両脇の水脈に水が落ちやすい、かまぼこ型に。




園路の反対側からの写真。

とても、熊谷市内にいるとは思えない、穏やかな傾斜のある山の小道になりました。





さて、今回の現場は、「芝生の駐車場」というのを施工しました。

これは施工前の写真。

RC砕石や、玉石、コンクリートガラなどがゴロゴロしている、既存の土壌の状態。


駐車場といえば、アスファルト舗装をするのが一般的ですが、

アスファルトは熱を蓄熱してしまう性質のため、夏は60度近い表面温度になります。

そして、蓄熱された温度が夜になっても下がりにくい。

だから、夏、暑い、夜も暑い。

地球の温暖化の原因のひとつともいわれています。


これが、芝生の駐車場になったら・・・

グリーンの涼しげな景色だけでなく、街も涼しくなる・・・。

そんな思いから、設計の段階で4台分の駐車場を芝生にする計画でした。






施工方法を公開します。

駐車場の外周には水脈整備をします。

いくつか、縦穴(点穴)を掘り、




透水管を埋設します。


これで、水はけが良く、そして芝生も健全に生育できる環境を整えます。


そして、今回の芝生の駐車場の重要なポイントは、




炭と、




古瓦です。





外周の水脈整備が一段落したら、下地作りに入ります。


既存のRC砕石の上に、竹炭や木炭、古瓦の砕いたものを混ぜていきます。




RC砕石、炭、瓦チップを下地が厚さ5cmほどに調整し、最後にセメントをまきます。




そして、散水して、セメントが固まれば下地の完成です。






これは、弊社圃場で行った下地の実験。

この下地に水をまくと、さぁ~と水を吸い込んでいきました。



RC砕石や瓦、炭によって、適度なすき間(空隙)が生まれています。



同じようなもので、よく高速道路などでは、透水性舗装というのがあります。

施工後数年はとても水をよく吸い込むのですが、次第に細かい泥や砂がたまり、いずれは詰ってしまいます。


その詰りを防ぎ、大地の呼吸をしてくれるのが、有機物である炭であり、原料が土からできている瓦ということになります。


そして、セメントを使い、車が乗っても大丈夫なくらいの強度を出す。

例えていうなら、東京下町のおみやげにある、「雷おこし」のような構造になっています。




下地が完成したら、今度はその上にもう一層、芝生が根を張れる下地をつくります。


今度は粗砂、軽石、そしてやっぱり炭を混ぜます。下地も5cmほどに設定しました。





そして、車のタイヤが乗る部分は瓦を敷いて、部分的に強度を高めておきます。




そして、ようやく芝張りです。




芝張りの後は、しっかりと竹串を刺し、目土として粗砂、川砂、炭を使用しました。




そして、完成です。

水脈整備をすることと、炭、古瓦など、自然素材を使って施工していることから、

「自然土木による、芝生の駐車場」と命名しました!






軽トラックも乗ってみましたが、問題はありませんでした。

この施工方法はまだまだ実験段階です。

車の重さによっては、強度を高める必要もあると思いますし、しっかりと芝生の根が生育し、他の施工方法と違いが出るのは、数年後かもしれません。


しかしながら、やってみないと始まりません。

今までは、どうせダメになってしまいがちな芝生の駐車場を、生き生きとした駐車場にできればと思います。



そして、昨日、この現場、最後の作業。




弊社圃場にあった、三波石を芝生の庭付近にもいくつか据え付け、作業は終了。

すべての工事が終わりました。




エントランスから、芝生の庭。


コナラ、赤芽ソロの木立群に大きなアオハダ。


手前にある玉石は同じく、この土地から出たもの。

こちらも住所である、熊谷市「石原」の景色を表現。


玉石と植栽地との土留めは、竹の枝を編み込んだ、「しがらみ」。





竹炭や竹筒、竹の枝葉など、今回も竹をたくさん使いました。




こちらは、とある竹林。

実は、松本材木店さん所有の竹林がありました。




今回の竹の材料は、ここから竹を切り出したり、積んである竹やチップを一部使用しています。


枯れた竹は、竹炭に・・・

青竹は、竹筒や水脈の材料に・・・

竹の枝葉は、編み込んで土留めに・・・

そして、竹チップ(竹を砕いたもの)は、植栽表土に敷き詰め、土壌の乾燥を防いだり・・・




これからの庭づくりは、自然素材を使いこなすことが重要だと感じます。

特に、里山に溢れるを使うことで、放置竹林も、宝の山に変わります!




竹や瓦、現場から出てきた石・・・

そんな自然素材を使い、庭をつくることで、



樹木が健康になる、

人も健康になる、

そして、里山整備もでき、廃棄物も減る!





熊谷 松本材木店

正木覚氏の設計による、建物と庭とが一体となった、心地よい庭が完成しました。

今後このスペースを利用して、様々なイベントが開かれる模様です。



7月3日(日)は、チームネットの甲斐徹郎氏を招いて、「夏の暮らし方セミナー」を開催するとのこと。

詳しくは0120-70-2289 株式会社 松本材木店まで。






是非一度、お出かけください!