やめるのをやめる~カトちゃん@モニタリング~ | 中学理科教師のつぶやき

中学理科教師のつぶやき

中学校理科教師として25年。ひとつの意見として、ここに私の日々考えたことを記録していきます。同業の方、現役生徒、現役親御さんとのネットでの交流もできるといいですね。

春だなあ。



また、今年も何とかかんとか生徒を卒業させました。


そして


自分自身の卒業

=退職も考えなくちゃならんなと。



もう、数年前から
どうにもならん持病を抱えてから

ずっと考えていたことです。


がんばって病気を克服できればいいのだけど
原因も不明、治療法も不明

現在の治療も効いているんだか効いていないんだか。


中途半端なんだもの


とにかくすぐ死なないとはわかっていても

症状が出ればまともに仕事をすることができない。

定期的に病院に通うのも

大きな街の病院に行かなくちゃいけないから

結局まる1日つぶれちゃうし


定期的に数日間の入院もしなくちゃいかん。


学校を休めば当然授業にも支障が出るしね。

生徒の問題に対処するどころじゃなかったりなんかして。


こうなると、いくら経験があっても

わかっていてもできないのですから

役に立ちませんの。


今まで病気を持った先生と

一緒に働いたことはありますし

そのときは安心して治療できるように

全力でフォロー・サポートしてきたつもりですし

それが当然だと思っていましたが

いざ自分がフォロー・サポートされる立場に立つと

申し訳ない気持ちでどうにもならないわけです。


そして、同僚たちに申し訳ないと思う一方で

そんなやり方では生徒指導できないよ

などと、現場の指導方針や指導手順に不満を感じて

ああしよう、こうしよう、それではだめじゃないかなどと

よけいな口を出してしまったりして

その実、走れない、持てない、休みがちといったことで

実行力に欠けるわけですから

まさに私自身が忌み嫌う「評論家センセー」

自身が成り下がってしまっているというジレンマ。


病気の原因として

ストレスが考えられるというのだから

この状況は非常にまずいと思うのですが

こうなると笑ってしまいますね。


もう、職場の皆さん、生徒の皆さんに

迷惑をかけないように学校現場を去ることしかないなと。


そうすれば

とりあえず一番のストレスから解放され

病気が治るかどうかはわかりませんが

世の中に迷惑をかけることはないね


と思っていたわけですよ。


とりあえず


50歳までは、解決策を模索しようと。


50歳で病気が治るとか

自分が動かないでも口だけ出して

いい学校ができるとか(笑)


そういう解決策が見つからないときは

あっさり退職しましょうと


そういう作戦だったのです。



でもね。



ああ、ごめんなさい。



やめるのをやめました。


あはは。



きっかけは、テレビの番組。


「モニタリング」という番組がありますね。
スターどっきりみたいな内容です。

あり得ない状況をわざとつくって

仕掛けられた人がどんな反応をするのか

こっそり見て楽しむという

ちょっと趣味の悪い番組。

私はあまり好きじゃないんですが

小学生は好きみたいでね。

なんとなしに娘と一緒に見ていたんですよ。


仕掛けられたのはカトちゃん(加藤茶さん)。
宝くじで1億円当たったらどんな反応をするかというもの。
若い奥さんが仕掛け人です。


宝くじが当たって大喜びするカトちゃん。


当たり前だわな。


でも、奥さんが

「海外移住してのんびり過ごそうよ」と水を向けると

「それはだめだよ」と加藤茶さん。


俺はね、いくつになってもいつまでも

舞台に立って馬鹿やって

お客さんに喜んでもらうのが夢なの。

引退はしないよ。


ビビビってきましたね。
なんか、泣けてきましたね。


テレビですから、やらせかもしれないですけどね。


それでもね


加藤茶さんは、最近めっきり老け込んだなあと
なんか、ろれつ回ってないんじゃないかと
まあ、それでも若い奥さんももらって
お金もいっぱいあるだろうし
いいよなあ。幸せだよなあ。と。

そんな風に思っていましたからね。


でも


いくつになってもお客さんに喜んでもらうのが夢だと。




はた ( ・__・ )




私の夢は何だったかな?


そもそも私が教師になったのは

生徒に夢を与えたい

もっとこの世が面白くて

どんどん良くなっていくんだと


そのために何をどう考えて

何をすればいいのかというのを教えたい

と言うのがはじめの動機。


加藤茶さんの言葉を聞いた瞬間に

先生、理科面白いです。

先生、来年担任やってください。

来年も理科は先生ですよね。

先生に教わって理科が好きになりました。


と、おだててくれる生徒たちの顔が次々と現れて

自分は何を考えていたんだろうと。



まさに一瞬で目が覚めたような感じ。




結局


できないからやめる

迷惑をかけるからやめる

なんて言うのは

ただ格好をつけているだけにすぎないんじゃないかなと。


やめるための、この場から逃げ出すための口実が

大義名分が欲しかっただけじゃないのかなと。


だいたい


できない、迷惑かけるなどの不完全な教師は

自分以外にも山ほどいるわけで

それも自分が教師を志す大きな理由のひとつでしたな。


「俺にやらせろ」と。


そのように考えてみると

未だに生徒から求められ望まれるのだから

ありがたいと思わなくちゃ

生徒様方に申し訳が立ちません。


このままじゃ、仕事のストレスにさらされて

本当に死んでしまうかもしれない

寿命が縮まってしまうかもしれないと

びびっていましたが


生き甲斐を捨ててまで

生きている価値は無かろうというのが

私のモットーでした。


ということで


まだまだ迷惑をかける覚悟で

いけるところまで教師生活を続けていく決意を

固めた春でした。




ごめんね。ごめんねー。