お祭りと学校と | 中学理科教師のつぶやき

中学理科教師のつぶやき

中学校理科教師として25年。ひとつの意見として、ここに私の日々考えたことを記録していきます。同業の方、現役生徒、現役親御さんとのネットでの交流もできるといいですね。

3連休も終わり。


この週末は、地域のお祭りで忙しかったのね。


9月の13~15日は八幡様のお祭りと
全国的になんだか決まっているらしい。


神様の行事ですから、日取りがきちんと決まっていて
おいそれと動かすことができないはずなのですが

どうもこのところ、平日にお祭りをすると
仕事が休めないとか、参加者が減るとか
観光客が集まらないとか
そういうことを言って
土日に合わせてお祭り日程を変更したりする
そんな風潮が気に入らない。


いえ、私は別に神社の味方じゃありませんがね。
でも、神様の「ありがたみ」を蔑ろにしたら
地方のお祭りの価値って無いんじゃないでしょうかね。


えー!未だに神様大事にしてんのーーー??


みたいな驚きが、観光客を引きつけ
地域への愛着を育てると思うんですけど!


学校とお祭りの関係というのも
なかなか微妙で

昔は、お祭りが完全に優先してまして
お祭りを運営する方は
学校なんか完全に無視していましたの。(多分)


地域の大人達が、地域の子ども達を取り込み掌握して
毎夜の練習から、当日参加までがっちり段取りして
その日に授業があっても
学校に出ないのが当然で
そこに迷いは無かったはず。
(一応断ったとは思うけど)


少なくとも、この町ではね。
お祭りが、地域の観光と信仰・風習とコミュニティーを
支えているのです。これは、いまでも。


私が義務教育を終えたあたりに
新しい流れが、学校に生まれたんだな。

地域のお祭りに積極的に生徒を参加させよ。

学校は積極的にお祭りに協力せよ。


宗教に対する公教育の中立


そんなの関係無かったんだね。その時代はきっと。
それよりも、学校が地域を支えるお祭りに対して
何にもしていないという、後ろめたさのほうが
勝ったのではないでしょうか?


そんな、原則を逸脱した学校のお祭りに対する介入が
地域のコミュニティーに担当教師が顔を出す。という
地域にとっても何か喜ばしい状態を生み出したのでした。


誰だっけあれ?
学校の先生だってよ。5区の担当の先生だって。
どこの人?
○○市だって。
休みなのに、わざわざ来てくれたのかい!


休みを返上して、知らない地域のお祭りの準備や
当日の日程につきあう担当教師。

地域にしてみれば、ご苦労様、学校頑張ってるね。
担当教師にしてみれば、地域に受け入れられて
何か嬉しい。疲れるけど、やるべきことはやったかな?
って感じ。


ま 悪くはないんですけどね。
それを何年かやっているうちに
学校の地域担当教師が、お祭りに参加するのは当然
みたいな感じになっちゃうわけですよ。


そして、それまで学校を無視して
自分たちのペースでお祭りの活動をつくってきたのに
地域の組織力が学校を頼りにするようになってきたのね。


参加生徒の確認。名簿の作成。
練習日程の連絡。当日の生徒の行動管理。


そのうち、お祭りの郷土芸能の練習を
学校の授業過程の中でやるようになってきた。
はい、「ゆとりの時間」「総合的な学習の時間」
現場教師がもてあました時間を割り当てるには
格好のネタですな。

地域からの評判だっていいし。


でも、その結果として
お祭りに対する地域の力は弱くなって
学校への依存度が増してしまったのですねー。


地元出身の先生はいいんですよ。今の私みたいな。
教師としてというより、地元の大人として
地域の子ども達を掌握して教育して
地域の伝統や風習を継承していく義務があるのですから。


でもね。遠くから通っている先生にとっては
関係のない話ですから。お祭りは。


もちろん、顔を出せば歓迎されるし
自分も何か義務を果たしたようで
地域に対してより貢献しているような気分になって
いいのかもしれませんが
それは気分の問題で
それ以上でもそれ以下でもありません。


地域のコミュニティーに入って
中学生に悪いことさせるなとか
酒のませるなとか、
そういう教育的な口出しもできるのですが
それは、学校の先生でなくても
地域の大人達の中で当然行われていることですので。
ね。


でもまあ、そうして学校と地域が
持ちつ持たれつの関係にあるうちに
公教育の場で、特定の宗教に肩入れしていいのか?
という、ごく当たり前の世論が勢いを増してきたのですね。


学校長や主導権を握る先生が地元出身で
地域のニーズを微妙なニュアンスや
力関係を含めてつかみ
一定の発言力、影響力を持っているなら
なあなあでいけるのですが


地元地域以外から来た委員会あがりの
校長なんかだったりすると
四角四面の紋切りスタイルで
地域に担当教員を派遣するわけですから
派遣される教員も、受け入れる地域も
なんだかわからなくなったりしてね。


しかも、それまで学校が請け負っていた
指導や手続き、打ち合わせは
「それは公教育ではできません」となっちゃうと
学校関係者は、じゃましにきているのか?
ってな感じになっちゃいます。


今年特に感じたのは
お祭りの当日に、だーれも生徒が欠席しない。
昨年までは、朝来て出席だけとって
早退って形でお祭りに参加してたのにね。


地域の活動が活発だと
生徒が半分くらいいないので
授業が進められない。


そんな状況を、しょーがねーなあ。と
ほほえましく思っていましたがね。


なーんか

お祭りぐらいで学校を休むなんて・・・

とかいう妙な雰囲気になったら
地域の文化とか育たないと思うんですけどね。


すでに、お祭りで仕事を休むなんて・・・
って雰囲気はありますからね。


重ねていいますが、別に神社の肩持つわけではありませんけど
学校が神様よりえらくなったら
がっかりしますな。


ま、何にせよ。今年も無事にお祭りが終わりました。
来年に向けて、また面白い企画を考えないとね。


BIGLOBE フレッツ光