校内人事だよ。 | 中学理科教師のつぶやき

中学理科教師のつぶやき

中学校理科教師として25年。ひとつの意見として、ここに私の日々考えたことを記録していきます。同業の方、現役生徒、現役親御さんとのネットでの交流もできるといいですね。

もう終わってるんですけどね。


次の年度の学級担任とか

教務主任とか、生徒指導主任とか

各クラブ担当とか

あと、保健指導係とか給食指導係とか

図書館運営係とか道徳指導係とか

職員の役割分担のことを

校務分掌とかいいますけど


具体的に決めちゃうのを

校内人事と言ってます。(私だけかな?)


私の学校はすでに次年度の人事は発表になってますが

そして、特にもめることもありませんでしたが

結構この決定が

次の1年間を占うことになっちゃったりするわけです。


これを決定するのは誰かというと

言わずもがな学校長様なわけですけど

せっかくの機会なので

私は必ず一言申し上げることにしています。


お前の出る幕じゃないだろうと

嫌がる校長もいるみたいですけどね。

学校長様も結構孤独なので

アイデアを出してもらうのは

結構歓迎するみたいです。


さて、校内人事に先駆けて

個人の希望調査用紙みたいなのが配られて

担任したいかとか、何学年を持ちたいかとか

どの部活の顧問がやりたいかとか

係は何がやりたいかとか

紙に書いて教頭に提出したりするのですが

私はこれは全くナンセンスな調査だと思っています。


だって、各自の希望を聞いたって

それぞれが「わがまま」を書くしかないじゃないですか。


自分のポジションを悟って書くといっても

他の同僚がどこに配置されるのか

見当をつけなければ自分の場所もわかりませんから。


結局、それぞれの希望を眺めながら

学校長様は教頭に相談しつつ

「しょうがないなー」とかいって

始めから描いていた

職員室地図を具体的に配置するしかないのです。


結局、希望調査は無きに等しいことになりますね。

「希望が叶った」というのは思いこみです。

はじめから、そこに決まっていたのです。

「予想が当たっただけ」です。


学校長様の計画が、まあまあ妥当なら

誰も文句は言わないでしょう。

まあまあ妥当なのに、ぐちゃぐちゃ言っている人は

よくよく主張を聞いてみると、単純にわがままです。


「私は、希望していないのに」

「○○さんは、希望していないのに」

「年齢的に言って、主任はこの人でしょう」

などなど、希望や年齢を根拠として人事を語る人は

仕事が見えていないのだと思います。


適材適所ということばがありますが

実力、実績をもとに、長所短所を組み合わせて

全体像を俯瞰しないといけません。


年齢、性別、教科なんかは2次的な要件

希望は、言い換えればやる気ですから

プロならば仕事をする上で口にすることじゃないでしょう。


学校長様の計画が、納得いかないときは

困ったちゃんです。

でもね、最高責任者が決めちゃったら

まあ、ひっくり返ることはありませんね。

ひっくり返す校長なら、別の意味で不安になります。


納得いかないと言っても

学校長様は一般職員が知らない職員の秘密・事情も知っていますからね

しかたがないんです。


実は病気で余命数ヶ月らしいとか

お子様が大変な病気にかかっているとか

不倫問題を抱えているとか

借金が大変なことになっているとか

ギャンブルにはまっていて危ないとか

家族が行方不明だとか


後で聞くと

「うそーぉ」ってなことがあるもんです。

教師も人間ですからね。


そういったイレギュラーを含めて

全部責任を持つのが管理職ですから

ご苦労様です。

私は、途中ごちゃごちゃ言っても

最後には言うこと聞きますよ。


途中ごちゃごちゃ言う私ですが

一応、自分でルールは決めてあります。

文句を言ったり、反対意見を言うのは1回まで。


1回言ってもひっくり返らないときは

ボスに何か考えがあるんだろう

と解釈して、あとはボスの方針に付き合います。


その代わり、文句を言ったり反対意見を言うときは

きっちり言います。人の心を傷つけても言います。

そして後でごめんねって謝ります。




さて、校内人事の話でした。


希望調査は意味がない

校長の独断もなんか頼りない


じゃあ、校内人事はどうやったらいいのか?


私はね。

各自が、全員分の人事案を提案するのがいいと思うのです。

別にいいよとか、人のことなんか決められないとか

そういう人は、自分の希望(わがまま)も語るべきではないのです。

ぜーんぶ、学校長様にお任せすれば良いんですからね。


ただし、学校長様はアイデアを欲しがっています。

だから、私は毎年出すんです。

全員分の人事案をね。


職員の名前を書いたカードを用意します。

名前と一緒に、年齢、性別、教科も

一目でわかるように書いたり色別にしたりしておきます。


カードを並べ替えていくんですね。

あっちにやったりこっちにやったり

生徒の学級編成のときみたいにね。


いろんな先生に見せて

意見ももらいます。


校内人事はデリケートな問題なので

みなさん、話半分にちょこちょこ

カードを並べ替えて、意見を言ってくれます。


いろいろ聞いた挙げ句に

自分のプランを、意見を参考に練り直します。


にやにやしながら、校長室に持っていくんです。

「校長、来年度の校内人事はこれでどうでしょう!」

「なにぃ~・・・ふーん。なるほど。」

「それでは、宜しくお願いします。」

あとは、さっさと引き上げます。


呼び止められて、アイデアの理由を尋ねられるときもあります。

「このカードちょうだい」とお願いされたりもします。

どうせ、今しか使えないので「どうぞ、どうぞ」と差し上げます。


あとは、人事の職員会議を待つのみ。

不満があっても、そんなのは言わないで

全力で仕事をするだけですからね。


私のプランが通ったことは一度もありません。

常に斬新なプランを追求していますから。

もちろん、根拠があって提案しているんですけどね。


なんだか、半分遊んでいるような感じがしますが

組織について考えを巡らせることは

いま、そして明日の学校組織を活かすためには

とっても大切なのではないかと思っています。


そして、いつか自分が学校長様になったときに

自信をもって学校運営にあたれるように

今から考え方を鍛えておくことも必要なのかなともね。