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カカの天下636「動物的国会」

 こんにちは、クララです!

 実はクララ、今回ちょっと頼まれごとをされましてgucci 財布。なんと皆さんの会議に呼ばれてしまったのです!

 気になるメンバーは!

「すみません、クララさん。わざわざ」
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 腰の低い子猫さん、官房長官!

「恩に着るゼ」

 格好いい猫さん、総理大臣!

「あなたしか、頼れる人がいないのよぅ」

 自称美人の犬さん、ラスカル!

「名の無い豚はただの食材だブー」
 
 誰も聞いてもないことを答える名無しの豚さん! あ、そういえばこないだブートンさんって名づけてあげたんでした。

「モー」

 最後に、喋る気すらない牛さん、日本経済!! これ名前です! 牛肉も立派な経済の一部ですから!

 以上のメンバーでお送りします! あと、これらは全て動物語で話されています! 公園の一角で集まった動物たちとクララがにゃんにゃんモーモー騒いでますが気にしないでください! 通りすがりの人々も空気を読んで見て見ぬフリをして去って行きます!

「それで、相談ってなんなのですか? クララにできることでしょうか」

「ああ、俺と官房長官で話し合ったんだが……なぁ?」

「ええ、ボクも彼と一緒に色々と考えてみたんですけど、どうにもいい考えが浮かばなくて」

「総理大臣と官房長官で……日本経済についてでも話してたんですか?」

 自然と視線が一緒にいる牛さんに集まります。

「やっぱりステーキだと思うんだゼ、俺は」

「ボクはミルクが飲めればそれで」

「モー」

「ほら、日本経済さんが嫌がってますよ」

 クララにはわかります。

「話を戻すブー。問題は彼女なんだブー」

「彼女。ラスカルですか?」

「ええ、そうよ」

「彼女がブヒー」

「ちょっと。さもあたしが豚のように丸いみたいな言い方やめてよ!!」

「こらこらラスカル。こいつぁ豚なんだから仕方ねぇんだよ。悪気はねぇんだ」

 ラスカルは小さな檻の中で、深々とため息をつきました。

「クララさん……見ての通り、あたしってばペットショップに捕らわれの身でしょう? 本当は元の飼い主のところに戻りたいんだけど……その、檻から抜け出せなくてね」

 飼い主……前に聞いたことがあります。サエおねーちゃんのお母さん、サカイのことですね。

「それでさ、あの人があたしを買ってくれれば話は早いんだけど……忘れられてるみたいでね」

「どうしようかと思いあぐねいていたら、猫の集会に新入りがきやがった。こいつが官房長官とかいう、俺にケンカを売るような名前でな。話してみりゃやたらと頭が良くて、しかもラスカルの飼い主が主人だって言うじゃねぇか」

「事情を理解したボクは、総理大臣からラスカルを紹介してもらいました。そしてぜひとも一緒にあの優しい飼い主さんに飼われたいと思い、策を練っているのですが……」

 なるほどです!

「つまり! クララが代わりに人と話して、ラスカルがサカイに飼われるようにすればいいのですね!」

 おおー! と感心する声が響きます! ふっふっふ、こう見えてもクララ、頭はいいのです!

 いろいろ知らないだけで!

「じゃあクララ、早速ペットショップの人と話してきますね!!」



 十分後。

「ダメでした……」

「ええ!? なんでよ! 理由は!?」

「わからないです! なんだかすごく変な顔をされたんですけど」

 落胆する動物たち。クララもしょっくです……あれ?

 なんだか車がいっぱいきました!!

 なんだかなんだか怖そうな人たちがクララたちを取り囲みました!!

「保健所戦隊ただいま参上!! ここか! 妙な動物たちがたむろしている場所というのは!」

「あ、あの子です! なんだか動物にとり憑かれたような喋り方で、私に……!」

 しまったです! 動物語のままペットショップの人と話してしまったのです! つ、つまりさっき、向こうにとっては――

『いらっしゃいませ。あらお嬢ちゃん、どうしたの?』

『ぶーぶーニャーニャーわんモーブー!!』

 という会話になっていたのですね! 変な顔されるはずです!!

「そこの女の子。ちょっといいかい?」

「ぶひー」

「こいつもうダメだ! 殺そう」

「ちょっと待つです!!」

 動物語解除! 人間って怖いです!!

「いやいや冗談だ。ふざけているのかと思ってね」

 い、意地悪です。クララ不満です。

「私は保健所の動物保護を担当している者だ。ちょっと質問したいんだが、いいかな?」

「…………」

「喋れないのか。なら面倒だから皆殺しに」

「答えます!!」

 こいつら悪魔です!!

「なら聞こう。そうだな……まず、そこの美味しそうな豚はどうしてこんなところに?」

 言えません。このままでは太ってしまうブー、という健康的思考で散歩がてらに牧場を抜け出してきたなんて。

「そこの、やたらインパクトのある強そうな牛はどうしてこんなところに?」

 言えません。そんなブートンに誘われて柵をぶっ壊して逃げてきたなんて。

「そこに、小さな檻に入った犬は?」

 言えません。クララがペットショップの店頭から檻ごと適当に持ってきたなんて。

「そこの猫は……」

 言えません。国のトップがこの二匹だなんて。

「はぁ、仕方ないな。では――」

 こ、殺されます!?

「クララさん、ボクに良い考えがあります!」

「はい!? 官房長官、その考えとはなんですか!」

「こう言ってください!」

 ごにょごにょにゃーにゃー……なるほど、クララ感嘆です!

「白状します!!」

「ほう?」

「ここにいる動物は全部――サカイミエという人の家で飼ってる動物です。ただいま散歩中なのです」

「……確認を、とっても?」

「いいですよ。案内します」


 
 そして、サカイのおっきな家にたどり着きまして。

「ここで待っててください。いまサカイを呼んでくるです」

 庭に保健所戦隊を待たせて、建物の影に入ったところでシュバッ!

 先にサエおねーちゃんを見つけて頼み込み――

「ねーねー、おかーさん。飼ってー」

「ええー? いくらサエの頼みでも――」

「飼ってー飼ってー飼ってー」

「よしきた」

 めでたく全部、サカイが飼うこととなったのでした。

 保健所の人にもちゃんと対応して、法律等はサカイのほうで捻じ曲げてOKにするそうです。

「ふぅ……うまくいきましたね!」

 清々しい顔をしている官房長官は、まさにサエおねーちゃんの猫でした。お腹が黒いのは毛色だけじゃないみたいです。

「いい家だブー」

「モー」

「俺もしばらくここに住むかな」

「ご主人様……あたしのことちゃんと覚えてるのかしら」

 ともかく、みんな一緒に仲良くめでたしめでたしです!

「お母さん、ありがとー!」

「サエの頼みだものー。ところで今夜は豚肉と牛肉、どっちがいい?」

「ブ……」「モ……」

 めでたし、ですよね?



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 最初はそんなつもりはなかったのに書き終わってみればサカイさんちが賑やかなことに。これがカカ天クオリティ。その場勝負とも言う。

 さてさて、相も変わらず感想の返信等が遅れてますが……ぶっちゃけ金土日は修羅場ですので勘弁を笑

 明日は気合入れてリニューアル続けますよー!
 あんパンも……できれば!!