もし学生さんやビジネスパーソンのあなたが、後輩からこう質問されたらどう答えますか。
「先輩、『財務会計』と『管理会計』って、どう違うんですか?」
「・・・えーっと、阪神タイガースにたとえると、財務会計が新井(兄)、管理会計が新井(弟)みたいな感じだよ。」
「・・・えーっと、阪神タイガースにたとえると、財務会計が新井(兄)、管理会計が新井(弟)みたいな感じだよ。」
「・・・。(一応感心したふり)」
あのー、あまりにもボケがテキトーすぎますが。阪神ファンの人でも、上の文章は何のことを言っているのかわからないと思います。
うまいボケが思いつかないなら、素直に「わからない」と言ったほうが早いと思いますが。
『・・・今回もうまいボケが思いうかばなかった人、説明をお願いします。』
結論からざっくりいえば、
「財務会計」の役割が「決算書の作成を通じて財務情報を報告すること」
であるのに対して、
「管理会計」の役割は「決算書・会計データを使って、適正な経営判断ができるように必要な情報を提供すること」
となります。
具体例を挙(あ)げて、説明してみましょう。
ここに、架空の大学、ホワイトベース大学(仮名)経済学部の2人の新入生、マーカーさん(仮名)とオスカさん(仮名)がいると仮定します。
2人は幼いころからの友達で、大学・学部まで同じところを受験して見事合格したのです。
2人は、必修科目である、パオロ教授(仮名)の「会計学入門」の授業で、翌週までに『「財務会計」と「管理会計」の違い』についてまとめてレポートを提出するように指示されました。
そこで2人は、まずはマーカーさんが「財務会計」、オスカさんが「管理会計」についてそれぞれ調べて、その調査結果をもとに、2人がそれぞれの違いをまとめる、というやり方でレポートを作成することにしました。
すると、以下のようなことがわかりました。
まずは、マーカーさんが調べた「財務会計」について。
これは会計の専門職、会社では主として経理部・総務経理部・財務部などの経理関連部門の人たちが扱います。
財務会計の役割は、企業活動を会計データとして記録・整理して、決算書の作成を通じて財務情報を報告することです。
この決算書ができあがらないと、会計数字を解読する、そして業績を良くするという経営改善の手が打てません。
会社は決算書を作成して伝えることが中心的な役割になります。
次に、オスカさんが調べた「管理会計」について。
これは経営企画部・社長室など、会社では経営管理部門の人たちが扱います。
管理会計の役割は、できあがった決算書や会計データを使って、適正な経営判断ができるように必要な情報を提供することです。
良い結果を生み出すのは会計ではなく経営の役割ですが、必要な情報を提供することで経営に活かすための会計が管理会計なのです。
決算書から経営の現状分析をおこなったり、利益・予算管理をおこなったり、経営計画を立てたり、設備投資やM&A(会社の合併・買収)の採算計画をおこなったりします。
これらの調査結果をもとに、マーカーさんとオスカさんは来週までに、パオロ教授から評価されるレポートを作成できるでしょうか。
なお、財務会計・管理会計は、経営者や部門管理者だけが理解していればいい、というわけではありません。
すべての社員にとって、取引先や自社の経営実態を把握(はあく)するためにも、財務会計の知識は必要です。
また、経営課題や経営目標などを理解するためにも、必要最低限の管理会計の知識も習得しておくべきです。
ちなみに、「機動戦士ガンダム」放送時に(ホワイトベースのオペレーターとして登場した)マーカー・クランとオスカ・ダブリンに対して、「どちらがどちらかわからない」という声がよく聞かれましたが、
簡単に言えば「メガネをかけていないほうがマーカーで、メガネをかけているほうがオスカ」です。
(参考:和田正次/著,『Q&A 会計の基本50』,日本経済新聞出版社,2010)
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