マークさんとチューゾーさん、チョロQに影響を与えたコレクター達 | ほぼ週刊チョロQ通信

マークさんとチューゾーさん、チョロQに影響を与えたコレクター達

宝

 20年に渡るチョロQ収集の歴史の中で、私の記憶に残るコレクターが二人いる。

 一人はブログ『 買わないで後悔するなら 買って後悔したほうがイイ・・・ 』の管理人、マークさんである。伝説の『品川オフ会』の初期メンバーであり、古くからチョロQのカスタマイズにも取り組んでいる。

 彼のブログを見ると、タイトルの下に、リーボック・カラーのR32スカイラインGTRの画像が誇らしげに掲げられている。このGTR、もちろんマークさんのカスタマイズ・チョロQ。良く見ればカラーリングだけでなく、ホイール、屋根のアンテナなど、細かなカスタマイズが見て取れる。

 以前はチョロQの発売日の朝によく量販店で遭遇したものだが、そんな時「改造のベースにするから」と、ありふれたスタンダードを大量に買い込んでいたのを思い出す。


 ある時、インターネットでチョロQの情報を見ていておやっと思った。セブンイレブン限定のちびっこチョロQ第8弾のラインアップの中に、マークさんのリーボックGTRが入っているのだ。このセットは、このR32の他にレーシングタイプのR34が三種類、54Bスカイライン2000-GT、フェアレディーZ・ロードスターなどバラエティーに富んだものだったが、イメージカーとしてリーボックがフィーチャーされていた。

 もちろんマークさんのカスタマイズ・チョロQがモデルになったなんて、どこにも書いていないし、マークさんもそんなことは一言も言っていない。しかし、私には、タカラがマークさんの作品をみてこの製品のヒントにしたとしか思えないのだ。少なくとも、私はそう確信している。

 ただ、私が言いたいのは、タカラが素人のアイデアを真似をしたと言うことではなく、コレクター、カスタマイズ・チョロQの作者としてのマークさんの感性をタカラが認め、それに触発され、そして製品が生まれたと言う事実なのだ。


 もう一人のチューゾーさん。この人は厳密にはコレクターと呼べないかもしれない。この人がチョロQを集めていたという話を聞いた事がない。

 この人はチョロQを創っていた人なのだ。と言ってもタカラの関係者ではない、チューゾーさんは既成のチョロQで型を取り、名前の通り金属でチョロQを鋳造してしまうという凄い人だった。

 最初はボディーとシャシーだけだったようだが、そのうちホイールも鋳造し、最後はエンジンまで(板バネ以外、ギアに至るまで)鋳造してしまうという徹底ぶりだった。

 究極のカスタマイズであるので、チューゾーさんが作った鋳造チョロQは数点しかなかったはずだ。

 そのチュウゾーさんの作品は、ちびっこチョロQ第8弾のシークレット、金と銀のR34GTRに影響を与えている。このチョロQはチューゾーさんの作品と同じく金属のボディーを持つ。もちろん鋳造はボディーだけで、チューゾー作品のようにエンジンやホイールまでは手が回っていない。

 こちらも、もちろん公式にはチューゾーさんの名前は出ていない。もし、しつこくメーカーに問い合わせれば、純金製、純銀製チョロQの前例や、今ならトミカの名前も出るだろう。しかし、チューゾーさんの作品にインスピレーションを得ていることは間違いあるまい。画期的な製品を生み出すために、外部の刺激を利用するのは決してまちがった方法ではない。そして、メーカーに刺激を与えたチューゾーさんこそ賞賛されるべきである。

 かつてチューゾーさんはホームページとブログで自身の作品や、作品の製作経過を公表していた。詳しいことはわからないが、彼にとって鋳造は本業であり、チョロQ作りはその余技であったようだ。

 しかし、彼はある日突然ホームページも、ブログも閉鎖してしまう。なにか事情があって職業を変え、余技のチョロQ作りも止めてしまった。

 残念なことに鋳造チョロQも全て鋳潰してしまったそうだ。

 今、手元に彼の作品についての資料が全くないので、全て記憶をたどりながら書いているのだが、その出来栄えはまさに工芸品の域を越え、美術品と言っても過言ではなかった。

 特にチューゾーさんの作品は、民俗学関係の博物館に収蔵されてもおかしくないほどの精巧さだっただけに本当に残念だが、チューゾーさんの第二の人生を影ながら応援するばかりだ。


 英語にremarkable(リマーカブル)という言葉がある。”注目に値する”とか”顕著な、重要な”という意味である。私にとって、この二人こそ、まさにリマーカブルなのである。



更新しないとランキングも急降下、現在200位台です(泣)。クリックに感謝!♪