フィクサー('08年4月 TOHOシネマズ梅田) | Que amor con amor se paga

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映画・本などのネタバレメインのブログです
日常で気になったコトや動画も載せてます。



原題名:Michael Clayton


CIAスパイものと並んでアタシの愛する法律サスペンスもの

何?お前はどうしてこうもデートムービーに向かない映画ばかり好きなのだ?

だからモテないのだろう?
タバコバカバカ吸ってるオジサンの好きそうな映画ばかり観てるんじゃない?


よいではないかw(←ナンジャコリャ)


ジョジクルと言えば政治映画

ナカナカシブめの大人の映画です


予告編はこちら、あらすじいってみる







マンハッタンで最も大きい、ケナーバック&レディーン法律事務所

ここで15年働くマイケル(ジョージ・クルーニー)は、昇進の機会もなければ、今後その予定もない

経営者のマーティ(シドニー・ポラック)は、マイケルの仕事能力を高く評価しているものの、
それはあくまで、誰も引き受けない、揉み消し屋『フィクサー』としての仕事ぶりを評価しての事だった。


マイケルは45歳

離婚した妻や10歳になる息子ヘンリー(オースティン・ウィリアムズ)に逢う事もままならず、療養中の父親に会いに行く暇もない

さらにマイケルにはアル中の従兄弟ティミー(デヴィット・ランズベリー)がいて、マイケルから8万ドル借りて、ベンチャービジネス挑戦したが、失敗した。

その債権の期限が迫りつつあるのだ。


そんな時に、マイケルの同僚の弁護士・アーサー(トム・ウィルキンソン)が
製薬会社、U・ノース社に対する3000億円の集団訴訟に関わる会議中、完全勝訴か、和解かの
道を迫られ、良心の呵責からパニック状態になり、服を脱いでしまい、アーサーは留置場に送られてしまう


マイケルは精神状態を保てないアーサーの代わりに、訴訟の揉み消しに取り掛かるが、相手は
U・ノース社の法務部本部長のカレン(ティルダ・スウィントン)

マイケル同様、企業犯罪の揉み消し屋であり、辣腕で知られるカレンは、裁判を有利に進める事が目に見えている…

マイケルは、獄中に居るアーサーが、この裁判を転覆させるやもしれない重大な証拠を掴んでいる事をしるが、
その証拠を渡した途端、アーサーは何者かの手により消され、マイケルも命を狙われる事となる

揉み消し屋が命が狙われる謎の訴訟とその証拠とは何なのか…



ジョジクル演じるマイケルは法廷弁護人になる事を夢みていやが、辣腕を別の意味でかわれた為に、企業の揉め事を上手くおさめるフィクサーに
なってしまっている

おそらく彼が若いときは、同年代の法廷弁護人よりも待遇のいい仕事だったのだろう。

役職はないが、何らかの特別手当はついていた仕事だったかもしれない、そうでないと引き受けるメリットはない

このままではいけないと思いつつ気がつくと15年、有能だが傷つきやすい男性として描かれている


監督のトニー・ギルロイの描く人物は、どれもそうなのだが

登場人物を白とも黒ともつけない、誰もがグレーゾーンであるという事だ。誰もに
長所も短所もあり、それが時として強みに出ることもあれば、足をひっぱることもあるという


監督の別の作品『ジェイソン・ボーンシリーズ』ではジョジクルの盟友、マット・ディモンが、これまた、CIAに捨てられる事となった暗殺のスペシャリスト、ジェイソン・ボーンだった

彼は組織に捨てられ、記憶をなくしても、それでいいさ…と満足気な笑みを浮かべ、
身一つで旅立っていく男たちである。


この映画でジョジクル演じるマイケルも似ているだろう


アーサーから提示された資料は、U・ノース社の農薬による脳内残留有害物質についてのデータだった

これを揉み消そうとする会社が、マイケルをも揉み消そうとしているのだ。

ジェイソン・ボーンシリーズで、暗殺計画を知るジェイソン・ボーンを抹殺しようとするCIAの構図と似ている



知りすぎた男を消せ


企業はそう動くのだろうが、そうはいかない


業務用の携帯は傍受され、行動は把握され、車は爆破されても、彼は生き延びる、彼が車の爆破から生き延びるきっかけになったのは、息子の絵本の挿絵というのが皮肉な話でもある


俺は45になって何も持っていない

これだけ仕事をしてきてか?皆が嫌がる仕事を引き受けてか?

そして俺の肩にのしかかるのは、離婚手当と息子の養育費、老父の介護手当、ギャンブルのつけ、
保釈金の前借・・


マイケルは、契約が成立したカレンの目の前に現れる。

カレンが全ての指示を出していたのだ、亡霊を目の当たりにしたかのようなショックで立ってられなくなるカレン


自信満々だった彼女は一気に崩れていく、演じるのはさすがティルダ・スウィントン

『少年は残酷な弓を射る』でもみせた彼女はやはり上手い

『いいわ、あなたの要求額でいいわ…ッファイブでいいの?テンがいい…?』

『俺が言ってるのはテンだ、10ビリオンだよ、退職金も込みでだ』


そして彼はいう、持っていた50ドルで、タクシーに乗り、この辺を流してくれないかと

遠からずして彼は路頭に迷うことになるだろうが、敗北感はない


弁護士ドラマながら、法廷の場面は全く出てこない

法廷の裏で繰り広げられる、駆け引きを見れるドラマともいえる










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