ワールド・オブ・ライズ(原題名:Body Of Lies '08年12月) | Que amor con amor se paga

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ここ十年来『アメリカン・ギャングスター』などの男社会+手堅い演出で知られる、リドリー・スコット

現場で命を張って動く部下に、ディカプー、本国から電話一本で指示を送る上司をラッセル・クロウが演じる


何年か前、ブルグで年末にやってたんだけど、ビデオスルーした…んだった…


・・・個人的な感想は後から書くとして


予告編はこちら、あらすじいってみる





世界中を飛び回り、死と隣り合わせの任務に身も心も擦り減らす日々を送るCIA工作員のフェリス
(レオナルド・ディカプリオ)は、元ジャーナリスト

その任務の激しさが故に、現在は妻と別れ、独り身でいる


彼の上司は、冷徹非情に、GPSでフェリスを常に監視し、時に本部から、時に自宅から何食わぬ顔をし、
指示を出す、CIAベテラン局員のホフマン(ラッセル・クロウ)


現場を見ろというフェリスは、家族を捨てた、組織の荒波に揺れながら家庭も地位も名誉も捨てないホフマン

お互いの考えは常に相容れない

そんな二人が、連続多発テロを起こす、国際的テロ組織のリーダー・アル・サリーム
(アロン・アブトゥブール)を捕獲するという
任務を任されることになる


現地へ飛んだフェリスは、組織の情報屋と接触することが出来たが、現場で起こっていることをGPSからでしか、察知しない、
ホフマンと、その部下たちの気の利かない行動に終始いらつく事になる。

フェリスは、情報屋に、うまくいけば米国に亡命させてやると、何の確証もない約束を取り付け、情報を
聞き出すのだが、ホフマンは、情報屋の尊厳を踏みにじり、フェリスの要求を全くのもうともしない

現地では、携帯電話やメールなど、盗聴されると思われるものは誰も信用しない。

皆が、手渡しの手紙でやり取りしていた

そのことすらもホフマンは信用せず、電話をするなというフェリスに
連絡をとったホフマンのせいで、フェリスは瀕死の重傷を負う羽目になる


その後、フェリスは、ヨルダン総合情報局長ハニ・サラーム(マーク・ストロング)が
アル・サリームの居所を知っていると聞き、ヨルダンに渡るのだが・・・


この後、ディカプー演じるフェリスはサラームに面会し、テロリストのアジトを
襲撃しようとするのだけど、その前に、現地で犬に噛まれ、担ぎ込まれ、
その時に自分の看病をしてくれた看護婦・アイーシャ(ゴルシフテ・ファラハニ)に惚れてしまう


…このあたり『スパイゲーム』とほぼ同じである…、あってもなくても
どうでもいい色恋話をもってくる(唖然)


サラームもクセモノなわけで

サラーム演じるマーク・ストロング『裏切りのサーカス』といい
『ビトレイヤー』といい、どっちの側についているのか、いま一つ判らない、
よく言うとグレーゾーンの
人間を演じている

俳優さんの技量がUpしてくると演じたがる役(観客に嫌われるリスク大の役)が、

1:『ファイトクラブ』みたいな夢オチ、
2:『フォーンブース』みたいなアーバンパラノイア(都会型偏執狂)サスペンス、…で、3:『デンジャラス・ラン』みたいな、
悪役かいい役かわからないグレーゾーンの役…で


マーク・ストロングやクリストファー・ウォーケンみたいに、
意識しなくても監督にこういう役を回してもらえる人は、稀

大抵は監督にお願いしないとダメらしい…


フェリスが追ってくるのを承知の上で、アイーシャを誘拐。フェリスはアイーシャと
人質交換を申し出た所で、サリームの手下につれられ、砂漠のド真ん中のアジトに
連れ去られる…のだけど


車3台に手下が分乗し、その中の一台にフェリスが乗っている上、GPSで追跡不可能となり、
ホフマン、この時点で見捨てる


アジトにたどり着くと、本物のサリームから拷問を受けるフェリス。

いだいいだいいだいいだい、見たくない(涙)

彼を助けたのは、フェリスが敵方にスパイとして潜り込ませていた現地の人間たち

CIAじゃなかった


フェリスは、サリームを逮捕したことで、
本国に戻ると勲章ものの、表彰をうけるのだけど、散々利用して、
いざという時に見捨てたCIAに対して何の感情もない、ホフマンに対し



あんたがアメリカの全てじゃない



…と言い残しCIAを去って、アイーシャと一緒になろうとするのだけど…


こ、こりゃ甘すぎねぇ∑(゚Д゚)


アイーシャだって、フェリスに関わらなかったらあんな目にあわなかったんだし(=◇=;)


これ、実話がベースなんだけど

監督のリドリーの弟、トニーがこの映画よりも前にとった『スパイゲーム』を
思い出してまう

部下の任地ぼれから来るヘマ、持ち込んではいけない現地での恋愛沙汰、
そこから足元をすくわれて敵方につかまり拷問を受けるというパターン

どちらのベテラン上司も立場上、本部は動けない、一方は自らの地位名誉にこだわり
動けないラッセル演じるホフマン、もう一方は本日づけで円満退職となるはずだった
レッドフォード演じるミュアー


ホフマンはフェリスを見捨てる、任地ぼれした部下は切り捨てる

ミュアーはわずかな可能性にかけて、ブラピ演じるビジョップを救い出して、CIAを去る


『スパイゲーム』は、フィクションなので、ビショップが救い出された所と、ミュアーがCIAを
去る所で、映画が終わるので、その後は描かれていない

しかしこちらの映画では、騙しあいに疲れた挙句、自分を見捨てたホフマンのあり方に
憤りを感じたフェリスはCIAを辞める


チョと、いくら好きな映画監督とはいえ、今回ツメ甘いわ~という感じがしました

それなら『スパイゲーム』みたいに、いっそのことバリバリフィクションで
作ってくれたほうが後味スッキリです


『スコルピオ』でバート・ランカスター演じるダブル・スパイ・クロスは、
本当にいい国はこの世のどこにもない

…と語るシーンがあるのは、ホントのトコなんじゃないかなと

本家本元のスパイが書いた『裏切りのサーカス』にも、そんな文がかかれてましたし


この映画のディカプーのやり方って、結局、CIAを辞職した所で、
最後まで死神が人生の報復の為に追ってくる
『デンジャラス・ラン』の様になるんじゃないか、とも思ったりもしました。



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