今の日本の社会は、ジャン・バルジャンが出てきても救われるだろうか
・・・NOといわざるを得ない
難しい現状を語るのが、この本である
この本に数々挙げられている判例でも、都道府県によっては
却下される事が多いだろう
累犯障害者とは、知的・精神障害がありながら、
福祉の支援を受けられず執行猶予もしくは仮釈放中に
犯罪を繰り返し、刑務所に逆戻りしたり、重罪になる人を言う
最初は軽い窃盗罪だったのが、気がつけば重刑11罪という
ケースは当たり前という人もいれば、30刑近くという高齢者もいる
出所後3人に1人は再犯のリスクがある
・・・という事から、元犯罪者の住んでいたコミュニティは戦々恐々とし、
住民が次々と離れ過疎化した所まで出てくる
そんな累犯障害者と、彼らをとりまく現状を一年かけて細やかに取材した、
長崎新聞の連載は、昨年度新聞協会賞を受賞して、書籍化された
この本は、2年前に発足したという、
累犯障害者と刑務所をつなぎ、障害者手帳や、
療養手帳の発行手続き、グループホーム入居や就労支援をするという、
NGO法人長崎県地域生活定着支援センターに
相談があったケースを元に構成されている
県地域生活定着支援センター職員で、
社会福祉士でもある、伊豆丸氏(35歳)に相談された
案件がベースだ
累犯障害者が、出所後再犯に至るまでの道のりには、
彼らの孤立、貧困だけではない
彼らが社会でいかにしてルールを守っていきていかねばいけないかを
根気よく学ばなければいけないという事にある
それだけに相談に訪れた人のバックグラウンドは様々だ。
その殆どが、兄弟が多かったり、片親であったり、
先の戦争で身寄りがなかったりと、
家庭的に何か『欠けて』いたり、一人に手が回らないという
問題を抱えている
五島列島で生き延びる為に神社の賽銭箱から賽銭泥棒をする
還暦すぎの男性。
鉄道に乗りたくて、電車賃泥棒をするアスペルガー症候群の男性
母親にも娘にも知的障害があり、窃盗癖があるために、
集落を追い出されてしまった家族
貯金も金目のものも手当たり次第に盗む、
在日の累犯障害者が近所に住んでちゃ、
コミュニティが崩れると罵られる老人は、
最終的にグループホームに入れる様になっても
脱走を繰り返す
そしてあっけらかんとした顔で
『タバコが吸えたら刑務所の方がいいね』
という
グループホームは原則、追い出されないようになっているが、私の住んでいる
地域のホームの方に聞いたら、ここまで来たら退所して頂きますということだそうだ
彼らはNGOの支援で出所後、就労支援施設で、半年、技量を身につけ
働くが、どの企業も雇おうとしない
再犯の可能性が比較的高く、言われた仕事をこなそうとしない、
罪の意識も、尊敬の意識も社会的意識も障害上認識しづらいとなれば、
しぶるのは当然だろう
刑務所内では、受刑者の知的障害を図るためにIQの測定を義務づけだしたというが、
それと平行し、心の知能指数EQの測定もしなければ、
彼らは就労支援で身に着けた技術を生かすことは出来ないのではないだろうか?
『愛する人との生活は更生につながる。でも幸せを手にする
ためにはまず、社会のルールを知らなければならない』
更生支援施設『あいりん』の阿部百合子(53)管理人はこう
述べる。
後、私は、思うに、こうした福祉で手助けするにも、障害者への深入りした
手助けはしては自立のさまたげになると思う
自立支援を小さなNGOでやっている元同僚のおばさんの話だけど、
その人は就職支援をしていた躁鬱病の患者の人から
毎日40回も電話がかかってくるストーカーまがいの行為をうけたそうなのだ
頼り頼られるにも礼儀あり、依存とは違う、
他人は自分の思い通りになる存在ではないのだという事は、
精神障害者には健常者以上に教えなければいけない
万引きの常習犯で逮捕された30代男性の場合は、
同世代の国選弁護人も取り調べにあたった警察官も
障害に気づかなかった
この本で読んだ、このケースについてイラっときたのは
何故二度も裁判沙汰になるまでに親は哀しむばかりで何もしてなかったのか?
・・・ということだ
元々知的障害のあった息子が、20年前に交通事故で頭を負傷。
息子は事故で脳挫傷を負い、生死をさまよった末に、高次脳機能障害を追う
それに伴う知能低下、人格変化、前頭葉の制御不能から来る注意・感情障害
罪の意識の欠落が事件を引き起こした。
その時点で、息子を轢いた運転手を何がなんでも探し当てて損害賠償起こそうとかしなかったのか?この親
後に、国選弁護士に言われて、やっとのことでひき逃げした運転手みつけて、裁判おこして、
損害賠償請求できたのは
時効成立1日前
・・・ていうんだから、ほっんと、この家族、なんつーかイライラする!
息子は学校の勉強についていけない、人になじめないというだけでなく、無銭飲食を繰り返し、ヘラヘラ笑って
親に金を払わせる日々
親は、息子の面倒が見れなくなったら一緒に死のうと言い出す
死ねば息子は満足するのだろうか?同じ障害を持つものが、社会に本当の意味でなじめる生活を
おくれるのだろうか?と思う
なんだ、息子も親も、なんなのっ?
障害手帳三級のまんまなんです・・・って、調べたら判るほど、重度でしょうが!これ!
後で担当になった伊豆丸氏が、かなり頭を抱えるケースだったにも関わらず
ボクたちなおれちゃうかなぁ(へらへら)
・・・なこの男の人何?
事件担当する国選弁護士の方もかわいそうだ
再犯だし、前の事件では親が『二度としないようきちんと子供を監督します』といってるだけに
罪は大きい
なのに、この男、弁護士相手に、見当違いのことをまくし立てるわ、さっきいったことを忘れたと
ニヤニヤしながらいうわ、それで弁護人が怒ると、障害なんだもん!頭いたい!うるさい!
・・・とわめくわ・・・さっきからアンタのつながらない話を辛抱強く聞いてるのは誰なんだ??と
・・・いるんだよね・・・
全部が全部悪いとはいわんけど、ツ○○ターの方でも、なんでフォローされてるのか
さっぱり判らないんだけど、この障害の人が一人いる。
まさしく、こんな感じで罪の意識はなんでないのだろうと
ツイートをみるとストレスたまるから、ブロックしたいんだけど、ブロックすると
ありもしないことを書かれるから黙ってるんだけど、フォロー外して欲しいというのが(涙)
累犯障害者に限らず、知的・精神障害者がきちんと社会に馴染んで自立していくには
社会のルールを守ること、マイルールを押し付けないこと
これだけなんだよ
でも、これを理解してない人が多すぎる
『ボクのこと判ってくれる人は大好き!判らない人なんか大嫌い!』って
暴れるだけでは、どこも雇ってくれない
それはどこの国でもおなじこと
知的障害者が、再び犯罪を起こす、累犯になる背景には、彼らが社会に生かされているという
ルールを教えられていない事や、障害者であるという主張や差別だという主張が先立つ
あまりに、自分の犯した罪や障害による、被害者が出ている現実に目をそむけていることがあるからだと思う
居場所を探して 累犯障害者たち (単行本・ムック) / 長崎新聞社「累犯障害者問題取材班」/著
¥1,680
楽天
居場所を探して―累犯障害者たち/長崎新聞社
¥1,680
Amazon.co.jp