今回の五輪陸上でボルトよりも注目していたのは、義足のランナー、オスカー・ピストリウスに五輪の参加権が
与えられたこと
アイスランドの義肢メーカーオズール(Össur) が制作した炭素繊維製の競技用義肢を
使用しているため、"ブレードランナー"(Blade Runner) の異名を持つ選手でもある
ここまで来るまでに彼の道のりは長く険しく遠いものだったに違いない、でも希望を捨てずにいた彼の人生は
五体満足の人間が持つもの以上に敬意に値するといってもいいんじゃないだろうか
本名、オスカー・レオナルド・カール・ピストリウス(Oscar Leonard Carl Pistorius)は、
南アフリカ・ジョハネスバーグ生まれの25歳
先天性の障害のために、ひざから下の骨がない状態で生まれ、生後11ヶ月で両足切断
本人にとって、膝から下がないのは『障害』というよりも『靴』をはく感覚だったという
「母は僕たち兄弟に母は朝いつもこう言っていた。
『カール(兄)、靴を履いて。オスカー、義足を着けなさい』と。だから自分に障害があるとは思わずに育った。違う靴を履くだけだと思って育ったんだ」
それでも彼は人生を諦めたわけではなかった
ラグビー、水球、テニス、レスリングなど様々なスポーツを体験…とインタブーで軽々と
答えているのだけど、障害者水球、テニス、ラグビー、レスリングは別名『殺人スポーツ』と
呼ばれている
テニスにしても車椅子テニスは日本には国枝慎吾という世界に誇れるエースが居る
特にラグビーのあの車椅子のぶつかり方は、健常者ラグビーの比じゃないし、
ピストリウス自身は、ラグビーでは州大会のエースで、激しいタックルを受けて義足が外れたのも
気がつかずボールを握ってトライしたという逸話もあった程
ピストリウスが陸上にめぐり合ったきっかけは、ラグビーで右膝を負傷し、
そのリハビリのため'04年のはじめに陸上競技を取り入れたからだった
スポーツ義足を付けて走りだした途端、スプリンターとしての適性が開花。
国内の障害者大会に初出場し100mと200mで好成績を収め、陸上に専念しわずか
8ヵ月でアテネパラリンピックで200mで世界新記録をたたき出す
パラリンピック、IPC世界選手権では常勝無敗となったピストリウスは、健常者の五輪を
目指して北京五輪に申請するものの、義足が問題視され参加を却下されてしまう
それは'07年7月、ピストリウスが初めて健常者の国際大会に出場した時。
400mではスタートで出遅れたものの、最後の直線で6人をゴボウ抜きし2位に
この結果が、義足は健常者よりも有意なのではないかと国際陸上競技連盟(IAAF)に
疑いを持たせてしまった
さらにIAAFはドイツの科学者に依頼して、殆どイチャモンとしかいいようのない
分析結果をピストリウスにつきつけ
『健常者の大会にでてくんな』というわけだな(涙)心せめぇwww笑えねぇ。
まぁこれってさ。
陸上だけじゃなくて、スポーツって名前のつく所どこでもありえるんだけどwww
障害者は障害者同士でスポーツしてろよ、って風辺りはマジで多い。五体満足で生まれてきた人には
判らないのだろうと思う
これに対し、ピストリウスは
「義足はスターティングブロックが使えず、コーナーでは不安定で減速を余儀なくされる。総合的に見れば有利ではない」
「不正をしてまで健常者と戦うつもりはない。もし本当に義足の有利性が証明された時は走ることを辞める。だが、この研究は不十分であり、現段階ではIAAFの決定には納得できない。夢の実現のために戦う」と宣言。国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴
…偉いぞと思ったんだな+でもってこういう事が出来たのも外国ならではと思ったんだな
日本だとここにいきつくまでにコーチや周りの人間が『諦めろ』のシュプレヒコールや
精神的圧力をじゃんじゃかかけて本人の才能を握りつぶす。でもって本人が頑張っていても、
『マジうぜぇwww戦うな』って目で見るし、やりにくい日本、臭いものにはフタをする、特にアタシのすんでる土地柄は
日本の中でもそうなのだろうけどね
でもってピストリウスの努力の結果、CASは、義足が健常選手より
有利とするには証拠不十分として、IAAFの決定を破棄。
が、もしも『義足の方が有利』だと判明することは一瞬たりともあったとすれば、
ピストリウスは健常者の出る五輪には二度と再び出れなくなる。これってなんなんだ?と
思う、健常者がそういうことって判断していいの?って
本人が一番苦しんでるのにな、と
百聞一見にしかず、マジはえええええ
ブレードランナー、すげけぇぇぇ
そんな彼の肩と腕にはタトゥーがある
肩は新約聖書・コリント人への手紙第9章26-27節の引用だ
「だから、わたしとしては、やみくもに走ったりしないし、
空を打つような拳闘もしません。
むしろ、自分の体を打ちたたいて服従させます。
それは、ほかの人々に宣教しておきながら、自分の方が失格者になってしまわないためです」
これは何かを得たいなら、自分自身厳しい努力をせよという意味なのだ
そして彼の腕に刻まれているタトゥーは彼の母親シーラさん(2002年3月6日)の命日だ
シーラさんは、ピストリウスが足を切断する5ヶ月前に、
『大人になったら読みなさい』と息子宛に手紙を書いていた
その内容がこれだった
"The real loser is never the person who crosses the finishing line last.
The real loser is the person who sits on the side,
the person who does not even try to compete."
『真の敗者とは、ゴールで最後になる人のことじゃないよ、本当の負け犬は、最初から戦うことを諦める人のことをいうのよ』
'08年5月には米国の『TIME』誌で、世界の最も影響を与えた人物に贈る賞、
「2008TIME100」の中の、「ヒーロー&パイオニア」部門にも選出されたピストリウス
今回のロンドン五輪では400mで準決勝で惜しくも敗れたものの、義足のブレードランナーの
挑戦はこれからだと思う