原題名はThe Fog Of War Eleven Lessons from Life of Robert S. McNamaraです
'04年9月にシネ・リーブル梅田の公開でした
米国の近代史に興味ある方ならその名前は知っていると思う
JFKのキューバ危機で右腕となったロバート・マクマナラ
彼の『後世への忠告』であり詫び状であり、警告ともいえる貴重なドキュメンタリーだ
この収録から数ヵ月後、マクマナラは88歳の生涯を閉じた。まるで全ての役目を終えたかのように
予告編は政治英語まみれ字幕なしなので・・・一番日本に関係するシーンが字幕つきででてくるのがこちら
マクマナラのキャリアは東京大空襲、キューバ危機、ベトナム戦争と戦争の歴史だ
JFKとジョンソン政権下の国防長官、世界銀行総裁と
トップエリートに君臨し続けたマクマナラは自らの戦争体験を『Fog Of War(戦争の霧)』と呼ぶ
どんなに賢明な政治家でも一度戦争の危機が起こると霧に包まれたように混乱するたとえだ
キューバ危機を乗り越えられたのはただのまぐれだというマクマナラ。
米国は全能ではない
人類は殺戮を繰り返し、紛争についてもっと真剣に考えるべきだ、21世紀も同じことを繰り返したいのか?
戦争に血塗られた歴史を持つ、『絶対に詫びない、謝らない国民性』を持つはずの白色米国人である
マクマラナは『11の教訓』と共に未来へのメッセージをといていく様は、『ハーバート白熱教室』ぐらいすごい、この人もハーバート卒なんだけど
11の教訓も伝える人間を間違えたらタイヘンなことになる、というのが、教訓4と5
当時マクマナラは東京大空襲や原爆投下を指示したカーティス・ルメイの配下にいた
いかに多く殺せるかではなく、日本を弱体化させるかという命令をうけていただけった、
が、ルメイがとった行動に今も怒りを覚える結果となる。
そこまで焼夷弾で焼き尽くす必要があったのか、挙句の果てに原爆を落とす必要があったのか?
勝てば全てが赦されるわけがない、勝たなければ戦犯というのは何故なんだ?
『キューバ危機の時はソ連側にたってものをみることが出来たから回避できた、ベトナムにとって
あの戦争は内戦だった、米国は勝手に介入してきた厄介者だ。』
それが判ったのは、戦争終結から20年後、マクマナラがヴェトナムを訪ねたときに元ヴェトナム外相から聞いた言葉だった
『独立のためならどんな圧力にも屈せず、最後の一人になるまで戦い続けただろう』
米国は今の所世界最強だが、その力を他国におしつけるべきではない、日本、ドイツ、英国、フランス
どの国もわが国を支持しなかった。同盟国すら説得できないのに何ができるのか』
まぁ現状ならここに中国も加わりつつあるから、マクマナラの遺言状はきちんと伝わればいいのでは
と思います
パンフもかなり読み応えありますし、この映画の元となった本も、大正世代の米国人からの詫び状って
すごすぎる、と思いました。
が、まぁ・・・アタシ自身はドキュメンタリーなれしてる方なんですが…これは疲れましたわ・・・
マジで大学の政治学の講義のような映画だったもので。モノはいいんですけどね。
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