2012年11月14日。
翌日に外来診療を控えた純ちゃんは、眠れないほど緊張していた。
外出すると疲れやすいものの、1、2日休めば体調はさほど悪くはなかった。
でも、心の中は相変わらず沈んだまま。
「周りがこんなに心配しているのに、旅行したり、AKB48のコンサートへ行ったり、好き勝手やってきて、どれだけ迷惑をかけているのか考えているのか」というようなことを、以前ある人に言われたことがトラウマになり、純ちゃんは外に出たくなくなってしまっていた。
人に言われて傷ついた言葉は忘れない。
なのに、言った本人は忘れていたりするからタチが悪い。
そんなことを言う人は、残念ながら純ちゃんが好きなんじゃなくて、友達想いを演じている自分が好きなだけ。そんなことに気にするだけ時間の無駄なんだよ。



『昨日の外来ではすっごく悪い検査結果はなく、即入院はなかったので一安心。
次の外来は来週で、レントゲンと骨盤強化の点滴と採血です。
与えられた1週間を大切に過ごしたいと思う。
「病気で会社を休んでいる」とネガティブになるんじゃなくて、「念願の退職をして時間がある」と思うことにした。
でも本当は辞めていないし、会社はいつでもバックアップしてくれ、同僚たちも応援してくれている。
そんな中、退職の仮想をすることで心に明るさを取り戻せるかなと。
ずっと忙しくて、でも休みも取れなかった20年間。自分ならどう過ごす? そう考えたほうが前向きよね。

気にしないって難しいことで、気にしぃの私には苦手分野なんだけど、やっぱり時間がもったいないから気にしないようにする。
そんなこと言う人たちに必死になるより、自分に愛情をかけてくれる人たちに向いていかないと申し訳ないよね。限られた時間なのだから。
誰かが本の中で言ってた。
時間の大切さを身に染みてわかる癌患者は幸せだって。
人から受ける愛情のありがたみを流さずに感じ取れるってね。

hitomi、いつもありがとう。
友達になれてよかったです。』