入院先に放射線治療科がないため、純ちゃんは別の病院に5連日通院、治療をしていた。
仰向けになって治療をすることが困難なため(横になると気道が塞がり咳き込んでしまう)、本来は15回の予定を5回で終えることにした。
投与グレイを上げるリスクを背負い、回数を減らすという選択だったのだけど、
「もし入院先に放射線治療科があったら、体に優しくいきたかった」と彼女は当時を振り返る。
(グレイとは「物質」に吸収された放射線のエネルギー(放射線量)の単位。原発事故で耳馴染んだシーベルトは、放射線が人間にあたったときに、どのような影響があるのかを評価するための単位)

2012年9月14日、純ちゃんから治療が終わったと連絡が。


『今日で無事、放射線治療終了。正直ホッとした。
先方の医療スタッフの皆さん、送迎してくれた友達、他院での受診準備をしてくれた病院の方々に感謝。そして耐え抜いてくれた自分の体にも。hitomiも心配してくれたよね。
1週間から1ヶ月で痛みが軽減されるらしいよ。
痛くなくなっても、骨の中に病気があることに変わりはないから気をつけるようにって。』


わたしには想像もできないけど、この放射線治療は痛みも何もないらしい。
抗がん剤治療の副作用、ザーコリの副作用を思えば、治療そのものが苦痛でなかったこと、
計5回でなんとか無事に終了したことで、わたしは一安心した。