アビス 【フレンチ・南青山/外苑前】 | ちこの暇つぶし

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2015年10月1日からアメンバー限定記事を交えて更新しています。
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【訪問日:2015.5】

今年の3月、神宮前へ移転した『フロリレージュ 』跡地に、同じカンテサンス出身のシェフがオープンさせた魚介専門のフレンチレストラン。
最近、お肉より魚好きになってきていることもあり、久しぶりに訪問を楽しみにしていたフレンチの新店です。

宝石ブルーAbysse

フロリレージュだった頃に一度来てはいるのですが 、その時に「本当にこんなところにレストランがあるの?」と思ったほど、外苑西通りから1本入った路地からさらに急な階段を登らなければならないという、なんとも分かりづらい場所にあります。

宝石緑店内

店内は椅子が変わった程度で、席数も雰囲気も以前のまま。
全16席とキャパはそう広くなく、週末のディナーでもありましたが、予約は2週間前で取ることができました。

宝石紫メニュー

ディナーは、全10品¥9,000(税・サ別)のおまかせコースのみ。
サービス料は5%と良心的です。


ワインはグラスの数を3、5、7杯から選べるペアリングと、グラスワインも5種類ほど用意されているようでしたが、


グラスシャンパンの後は、

宝石赤2004 Simon Bize & Fils Savigny-lès-Beaune ¥12,500

ブルゴーニュの白をボトルでいただきました。
ちなみに、ワインリストを主人に手渡す際、「赤ワインは最後の1ページしかなく申し訳ありません」と仰っていましたが、そもそもこちらは魚介オンリーのフレンチレストランですし、赤ワインは苦手で白が基本の私にとっては無問題。

宝石白アミューズ

アミューズはたこ焼きのような可愛らしい一皿。
濃いめにとったオマール海老のスープで作った生地を揚げたもので、青のりの変わりといった風にイタリアンパセリが散らされています。
見た目だけでなく食感もたこ焼きのようにふわとろでしたが、後味はしっかりオマール。

宝石ブルーパン

パンは全部で4種類(フォカッチャ、プティミッシュ、クッペ、他1品)あるそうで、


そのどれもが群馬県桐生市にある『スタイルベーカリー 』のもの。

ただ、完全に焼きあがったパンを仕入れ、サーブする前にオーブンで温め直すのではなく、8割焼成のものを仕入れ最後の2割はこちらで焼くようにされているため、常に焼きたての味わいを楽しむことができます。

宝石緑前菜1

北海道産の毛蟹にカニ味噌、ペリゴール産フォアグラ、日向夏の果肉を合わせ、日向夏の皮と芽ネギトッピングしたタルト。
ベースはバターが香るサクサクのパイ生地。
味噌で和えた毛蟹と濃厚なフォアグラが喧嘩することなくとても良くまとまっていて、そこに日向夏の果肉と皮の風味が加わることで、まったりとした味わいの中に柑橘系の爽やかさが広がります。
初夏を思わせるような陽気の昨今にピッタリな前菜でした。

宝石紫魚料理1

冷前菜と温前菜の間に、そこそこボリュームのある魚料理が登場。
スープで長時間蒸し上げた伊豆の金目鯛に、お肉からとったソースとオリーブオイルを合わせることで味に深みが増します。
付け合せもないこのシンプルすぎる盛り付けは、シェフのこだわりだそうです。

宝石赤前菜2
ホワイトアスパラのムースの中には肉厚な帆立のグリエと、帆立のスープで戻した乾燥白インゲン。
上層のホワイトアスパラの皮で作った泡にも帆立の出汁をきかせるなど、どこを食べても余韻は帆立になるよう考えられています。

宝石白スープ

スペシャリテとして供された”スープ・ド・ポワソン”。
素材の旨味だけを凝縮した綺麗なスープではなく、雑味も旨味と言わんばかりの無骨な味わい。
また、この日は10種類ほどの魚介を使っていると説明がありましたが、甲殻類、特にオマール海老が突出していた気がします。

宝石ブルー魚料理2

メインは、長崎県の甘鯛のうろこ焼きと山口県は萩のクエ。
同じ白身ながら、当然のように肉質、味わいともに全く違うため、こういう風に2種類の魚を食べ比べできるメインは楽しいかも。

ソースも2種類あり、ひとつは新玉ねぎにベルガモット、白醤油を合わせたサッパリ系。
もうひとつは、ホタルイカとその肝をベースにしたコクのあるソースでした。

この後は、お腹の具合に合わせてフロマージュかアイスクリームを選ぶことができました。
うっかり写真を撮るのを忘れてしまったのですが、私達は二人ともフロマージュをチョイス。
白かびの”クロミエ”にシェーブルの”ヴァランセ”と、共にクセがなく食べやすいチーズでした。

宝石緑デザート

とろりとした質感の蜂蜜のヌガーとむしゅふわのレモン。

宝石紫デザート
70%のカカオで作ったクランチの上にどろっと濃厚なバナナのピュレ、スプレーチョコをトッピングした大人のチョコバナナ。
バナナのピュレが生温かったことにかなり違和感を覚えました。

宝石赤ハーブティー
モダン系の魚介専門フレンチということで、食後感はさそかし軽いだろうと勝手に思っていたのですが、お気に入りのイタリアンに立ち寄り小腹を満たすことなく直帰したほど、満腹感はしっかりありました。
しかしながら、魚介専門のフレンチと言いながら、肉以上に種類豊富な魚介類を自由自在に扱えているとまでは思えなかったのが残念。
専門店ならではの驚きや感動がもう少しあるかと期待していたので。。。

宝石白小菓子
とは言え、こちらのシェフは今年で30歳とまだお若いですし(パッと見は25~26歳に見えました)、人柄も料理の味も嫌いではなかったので、私は少し間隔を空けて再訪するのもありかなと思ったのですが、メインがくる前に「ここの魚はもういい」と口にした主人的に、再訪は今のところ考えられないとのこと。
次お邪魔したいと思った時は、まず魚&ワインLoveな友人を探さないといけなさそうです。


Abysse


住 所:東京都港区南青山4-9-9 AOYAMA TMI 1F
電 話:03-6804-3846
営業時間:Lunch 12:00~13:30(L.O)
       Dinner 18:30~20:30(L.O)
定休日:水曜日
H P:http://www.abysse.jp/

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