$心ごころ

「ストーリーとしての競争戦略」楠木先生の新作。

非常に面白いです。

ただ、前作が重厚で刺激的なビジネス書であったのに対し、

本書はある意味、前作の補完的な位置づけかなと思います。

気軽に読みつつも、戦略におけるストーリーとはなんぞやを

随所に理解できる作品となっています。

また楠木先生の作品が面白いのは客観的にうんちくを述べて

いるのではなくて先生自身の人柄や個性、考え方が全てに

滲み出ていてそこにいちいち共感できるので楽しく読めます。笑

以下、特に共感した箇所。


本を読んでスキルを身につけて、
それでうまい戦略がつくれたら誰も苦労しない。
必要な要素の大半はセンスなのだ。



いきなりの良し悪しの物差しを振りかざすのではなく、
ときには「こっちのほうが面白そう」「そういうこと
は嫌いだからやりたくない」という理由で物事が判断
されてもいいはずだ。



センスは好き嫌いで磨かれる。


戦略は「こうなるだろう」という先読みの仕事ではない。
「こうしよう」という未来に向かった意志の表明だ。



森を見て木を見ず、葉を見て木を見ず
漫然と森を遠くから眺めているだけではアクションは
生まれない。目につく葉を1枚2枚見ただけでわかった
つもりになるのも早計だ。木(戦略)に目を向ける。
これが戦略思考の原則だ。



経営とは、商売丸ごとを相手にするという仕事である。
グローバル化には未知の未整備の土地で白紙から商売
を興していくという仕事がついて回る。商売丸ごとを
動かせる経営人材がいなければ、話にならない。



抽象と具体を行ったり来たりする振れ幅の大きさと
往復運動の頻度の高さ、そして脳内往復運動のスピード。
僕に言わせれば、これが「地アタマの良さ」の定義となる。



知識の質は論理にある。


要はセンスなんだ!と言い切ってしまうところが気持ちイイ。

それは経営にしても営業にしても同様で、そうなんだと思う。

いろんなビジネス書に「○○な場合は○○とする」みたいな

スキルが書かれているけど、ビジネスに正解はないわけで、

自分のオリジナルを見つけることが正解になってくると思う。

それはファッションと同じく、これがオシャレと言われても

自分に似合っていなければ相手から見ればダサイわけですよ。

自分らしさと受け手の感じ方、競合の見え方を統合していく、

見た目だけでなく自分の成り立ちや今取組んでいることなどの

コンテキストも加えて自分をストーリーの中に組み込んでいく

それでカッコイイ自分が出来上がるんだと思う。

そんなことを改めて気付かせてくれる有難いビジネス書です!

私もセンスを磨いていかなきゃ!

※どうでもいいことですが、価格777円ってのも何か嬉しくなりました。笑




日々精進。


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