走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)/村上 春樹

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先週末に読みました。

久々に私の大好きな村上春樹の作品です。

正直、感想は面白い人には面白いといったところでしょうか。

というのも、本作品は1Q84のような小説ではなく、

あくまで小説家兼ランナーである村上春樹、

個人について自分で語った本だからです。

ちなみに、私は村上春樹ファンでありながら、

彼がランナーであることを知りませんでした・・・汗

既に20回以上のフルマラソン、ウルトラマラソン、

トライアスロンを経験している本格的なランナーです。

一応、私も高校時代は陸上部に所属しており、

今の体型からは信じられませんが長距離ランナー、

且つフルマラソン経験者でもあるので、

村上春樹ことばで語られる"走ること"について

かなり共感でき面白かったです。

特に共感できた言葉は以下。

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走り終えて自分に誇りが持てるかどうか、
それが長距離ランナーにとっての大事な基準になる
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昨日の自分をわずかにでも乗り越えていくこと、
それがより重要なのだ。長距離走において勝つべき
相手がいるとすれば、それは過去の自分自身なのだから
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同じ十年でも、ぼんやり生きる十年よりは、しっかり
目的を持って、生き生きと生きる十年の方が当然なが
ら遥かに好ましいし、走ることは確実にそれを助けて
くれると僕は考えている。与えられた個々人の限界の
中で、少しでも有効に自分を燃焼させていくこと、そ
れがランニングというものの本質だし、それは生きる
ことのメタファーでもあるのだ
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よく競争は相対的だと言われますが、

本作品に共感できてしまう長距離ランナー気質の自分は

競争が相手との競争ではなく、

自分との競争という絶対的なものになってしまうことがあるので

ビジネスマンとしては、そこが自分自身の課題だなーと感じます。

ただ、本質的な自分は

"立ち止まる時がくるまで走り続けるんだ"

そういう存在なんですよ。

なんてことを改めて思う作品でした。




日々精進。