さすらいの物書き職人・別宅

さすらいの物書き職人・別宅

ドラマ韓国版「イタズラなkiss」の二次小説を書かせていただいています。

さすらいの物書き職人・ちはや の別宅へようこそ音譜


さすらいの物書き職人・別宅



いつもは本宅の方で某韓国ドラマの二次小説を日々書かせていただいています。

故・多田かおる先生が世に送り出してくださった「イタズラなkiss」という、素晴らしい漫画に出会えたことに感謝ラブラブ

すでに台湾版ドラマも製作され大人気となっていますが、こちらは韓国版ドラマの二次小説でございます。

原作、台湾版とはイメージが違う、こんなものはイタキスじゃないと思われた方、二次小説の世界自体嫌いです、という方…。

この先へは進まずに、このまま引き返してください。
あくまでもこちらのブログに書いてあるのは、ちはやが自分なりに妄想した韓国版ドラマ・イタキス二次小説です。

原作者さま、並びに韓国版ドラマ製作者さまなど、関係各位とは何も関係はありません。

以上のことを踏まえ、個人的にお話を楽しんでくださる皆様に、こちらを開放しております。



●画像は韓国サイト장난스런 KISS 갤러리よりお借りしました。




きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!きらきら!!


アメンバーの申請について


こちらでのお話は、そのほとんどがどなたでも読んでいただけるようになっています。

上記メッセージにもありますように、あくまでもこちらのブログに書いてあるのは、ちはやが自分なりに妄想した韓国版ドラマ・イタキス二次小説です。

時々、そのおはなしの内容などからアメンバー限定記事を書かせていただくことになるかと思います。

そのアメンバーですが、本宅でのちはやを知っている、という理由だけでは承認できかねます。

18歳以上でなおかつドラマ韓国版「イタキス」の二次小説だとご理解いただける方のみ承認させていただくことにしました。

申請時のメッセージ欄には、必ずアメンバーになりたい理由を必ず書いてください。

よろしくお願いします・お話を読ませてください・イタキスが好きです…等など。

一言メッセージのみの方の申請は、申し訳ありませんがその場で削除させていただいております。


アメンバー申請についてのお願い。

▲こちらの記事を熟読の上、申請をしてくださいね。







ご理解ご協力をお願いします。
Amebaでブログを始めよう!

皆様、大変ご無沙汰しております。


こちらのお話はもう久しくUpできていないのですが(書きかけのお話はいくつかあってもUpできずにいます)、この度、原作の二次小説を始めることにしました。


FC2ブログでの公開となります。


とりあえず枠だけ出来上がった状態です。


お話が出来上がり次第Upしていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。



▼原作の二次小説ブログはこちらです、よろしかったら遊びに来てくださいね。

A mon seul désir (イタズラなKiss二次小説ブログ)



ペタしてね

しばらくの間、アメンバー申請受け付けを中止することにしました。


プライベートでの忙しさから、もう一つのブログのお話更新もままならず、こちらでのお話の更新が難しくなったことが一番の理由です。


気持ちに余裕ができましたら、また再開させていただきたいと思います。


なお、以下には、アメンバー申請時のお約束事項をそのまま残しておきます。


アメンバー募集再開の時の参考にしていただけると嬉しいです。







---------------------------------------




パソコンからのトップ画面にはいつも表示しているのですが、携帯から閲覧してくださる方には発見しにくい場所に書いてあるので、改めて記事にさせていただきました。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


さすらいの物書き職人「ちはや」がこのブログの主でございます。


いつもは別の場所で二次小説を書かせていただいていますが、こちらのブログでは韓国版「イタズラなkiss」の二次小説を書かせていただいております。


注意


原作をこよなく愛し、多田先生や作品、台湾版のドラマを非難・冒涜するつもりは全くありません。

原作、台湾版とはイメージが違う、こんなものはイタキスじゃないと思われた方、二次小説の世界自体嫌いです、という方…。


この先へは進まずに、このまま引き返してください。


あくまでもこちらのブログに書いてあるのは、ちはやが自分なりに妄想した韓国版ドラマ・イタキス二次小説です。


原作者さま、並びに韓国版ドラマ製作者さまなど、関係各位とは何も関係はありません。


以上のことを踏まえ、個人的にお話を楽しんでくださる皆様に、こちらを開放しております。



アメンバーの申請について


現在はどなたでもお話を読んでいただけるようにしていますが、アメンバー限定記事もあります。


アメンバー限定記事へUpされるのは性的描写を含むお話や、ちはやのことをきちんとわかってくださるい方に読んでほしい記事などになります。


上記メッセージにもありますように、あくまでもこちらのブログに書いてあるのは、ちはやが自分なりに妄想した韓国版ドラマ・イタキス二次小説です。

ありがと本宅でのちはやを知っている、という理由だけでは承認できかねます。

18歳以上でなおかつドラマ韓国版「イタキス」の二次小説だとご理解いただける方のみ承認させていただくことにしました。

申請時には必ずメッセージを送信してください。


アメンバー申請のボタンをクリックしたあと、画面が切り替わり「続けてメッセージを送信する」の文字をクリックして、なぜアメンバー申請をしたいのか、その理由をメッセージ似ておりらせください。


このブログの、ちはやのピグ画像の近くにある「メッセージを送る」から送信していただいても構いません。


なお、コメントへの書き込みは「メッセージ」ではありませんので承認できません。


▼NG申請メッセの例
よろしくお願いします

お話を読ませてください

イタキスが好きです

二次小説が好きです…

等など、こういった一言メッセージのみの方の申請は、申し訳ありませんがその場で削除させていただいております。(ちはやのアメンバーになりたい理由には当てはまらないと判断させていただきます)


このようなメッセージは、ちはやのブログに目を通していただければどなたでも書くことができるものだからです。


別ブログから来ました

別ブログでもアメンバーにしてもらっていますので、こちらも申請しています。

等、こちらのブログのアメンバーになりたい理由が書かれていないメッセージも承認はできません。


たまに頂く申請メッセに「何度申請しても許可がいただけません」「アメンバーだったのに解除されてしまったようです」といった【ちはやのお話を読みたい理由】がまったく書かれていない申請があります。


何度申請してもらっても、お約束が守られていないメッセージである以上は承認できません。


しつこいようですが韓国版「イタキス」の二次小説だとご理解いただける方のみ承認させていただきます。

原作や台湾版の二次小説は書いていませんので、そちらを希望される方は他の素敵サイト様を検索してみてください。


申請から承認されるまで最長で2週間の期間があります。


承認作業はちはやのペースで行っています。


申請したからといって、すぐその場で承認…とはいかない場合がほとんどです。


申請したはずなのにアメンバーになっていない場合。


ちはやからのお約束事項が守られていない申請だった可能性大です。


年齢をメッセージにて教えてくださると大変助かりますが、ちはやはまずみなさんのブログやプロフィールを確認させていただいております。


あきらかに18歳以下だと思わざるを得ない内容になっている方、申請メッセージだけでは18歳以上だと判断できず、プロフィール訪問をさせていただいても全くの無記入の方については承認はできません。


ご自分のプロフィールの編集が難しいという方もいらっしゃると思います。


メッセージを送信する際、その本文にご自分の年齢を書き込んでくださってもOKです。


子供さんのIDを使っている、と言う方もいらっしゃいましたが、IDは例え家族間であっても共有をしてはいけないと思います。


同じIDを使う、ということはお子さんもちやはのブログを見れてしまうわけですから…。


また、社会の常識としてあまりにも馴れ馴れしいメッセージの方もお断りさせていただいております。




厳しい条件を付けてしまうようで申し訳ないのですが、ご理解とご協力をお願いします。



ペタしてね






こんばんは、ちはやです。


こちらのお話はなかなか更新できずにいて申し訳ありません。


今年一年を振り返れば、余り書けなかったなぁ…と後悔しきり。


前回のお話Upの時に、これから書いてみたい内容をちらりとお話させてもらったのですが、今日Upしたお話はそれにつながるプロローグのような感じですかね。


入隊が決まったスンジョとハニの年越しストーリー。


色んな意味でのカウントダウン…ということで。


ちょっぴりセンチ、でも甘めで…。


今年もお話を読んでくださって本当にありがとうございました。


来年も、よろしくお付き合いいただけると嬉しいです。



それでは、皆さま、よいお年を…。



ちはや





ペタしてね

 今年もにぎやかな年越しパーティーだった。
 ウンジョの彼女も来てくれて、去年とはまた違った新鮮な感じがして、それなりに楽しかった。
 日付が変わる1時間前にはお開きになって、ウンジョは彼女を家まで送って行った。
 私はお義母さんとパーティーの後片付けを軽くすませて、そして…寝室に入った。
 毎年この時期はどちらかが当直にあたっていて、二人きりで年越し、なんて夢のまた夢だったのよ。
 でもね、今年はちゃんと二人きり。
 嬉しいけど…嬉しくない。
 実は、年が明けたら…スンジョはお勤めに出かけてしまう。
 研修医生活が開けると同時に、スンジョの元へは取っても大事な手紙が届いたのだ。
 また大学病院へ戻ってくることは解っていても、それでも…3年は長いなぁ…。
 
「なに突っ立ってんだよ。寒くないの?」
 すでにパジャマに着替えてベッドに入っていたスンジョ。
 いつものように分厚い医学書を読んでいる。
 その本のページをめくりながら私に声をかけてきた。
 私は「うん」と小さく頷く。
 新しい年を迎えるこの時は、毎年何かにわくわくしてた。
 一緒に居られない時だって、電話をすればそこにスンジョが居てくれたし、話しもできた。
 でも、これからはそんな当たり前のことが出来なくなるんだ…。
「ハニ?」
 ずっと突っ立ったままの私を不思議に思ったのか、スンジョは本を閉じるとこちらに顔を向けた。
「来いよ」
 そう言ってスンジョは布団の端を少しだけめくった。
 私はまた「うん」と頷いてゆっくりと歩みよる。
「なんだよ、具合でも悪いのか?」
 ベッドのそばに歩み寄っても、私はスンジョが示してくれたその場所に潜り込むことができなかった。
 もうすぐそのぬくもりを手放さなきゃいけないって解ってるから…そこに潜り込むのがためらわれたのだ。
 そしたらスンジョが私の腕を掴んで強引にベッドの上に引きずり込んだ。
 ぱふん、と軽い音がして、私はスンジョの胸の上に顔をうずめていた。
 トクントクン…。
 スンジョの心臓の音がかすかに聞こえた。
「また何か妄想か?」
 そんなこと言われたら、いつもなら向きになって言い返すところなんだけど…。
 涙が出てきた。
 本当に行っちゃうのはもう少し先なんだけど、一年に一度しかない、去りゆく年から来る年のその境を一緒に過ごせるのは今だけなんだって思ったら無性に悲しくなって…泣いてしまった。
 スンジョがあきれてため息をついている気配がする。
 そしたら、ポンポンって…スンジョのその翁手が私の頭を優しく撫でてくれた。
「馬鹿だな…。たった3年だぞ」
「スンジョ…私が考えてる事…解ったの?」
「お前が考えていることで俺が解らないことが今まであったか?」
 私はふるふると首を横に振った。
「ハニは解りやすいからな。俺と離れるのがさびしくて…だから口数も少ないし、泣いたりするんだ」
 う…図星…だけど。
「スンジョは寂しくない?」
「覚悟はしてたからな、寂しがって泣くようなまねはしない」
 いつだったか…エイプリルフールの日に冗談を言い合った時のことを思い出していた。
 あの日の約束通り、スンジョはその令状を真っ先に私に見せてくれた。
 それから色々準備をしなきゃいけなくて…。
 わざと忙しいふりをしてた。
 そうしないと、毎日泣いていたかもしれないから。
「でも…」
 スンジョの神妙な声。
「泣きはしないけど、ハニにこうして触れる事が出来ないかと思うと胸が苦しいよ…」
「スン…」 
 思わず顔を上げた…その瞬間に、私はスンジョにキスをされた。
 唇同士をくっつけるだけのキスだったけど。
 スンジョが私の頭を押さえていたから動く事も出来なくて…。
 息が続く限りの長い長いキスをして…そして私たちは見つめあった。
「ああ、もうすぐ新年だな」
 壁に掛けられている電波時計が秒を刻む。
「5…4…3…2…1…」
 ゼロが並んだ時計。
 そして秒はまた一つ二つと進んでいく。
「明けましておめでとう…ハニ」
「おめでとう…スンジョ」
 私は目いっぱいの笑顔を浮かべて見せた。
 まだ…涙がこぼれそうだったけど必死にこらえる。
「ハニ」
「うん?」
「大好きだよ」
「それ…私のセリフ」
「うん、解ってる。いつも俺が聞いていて耳にタコだから、たまには俺からハニに行ってやりたかった。ハニ、大好きだ、愛してる」
「うん、解ってるよ。私もスンジョの事が大好き、愛しているわ」
「3年間…ハニの温もりを忘れないように、しっかりと記憶しておきたいから…。出発するその時まで、毎晩俺はお前を抱く」
 物凄くはずかしい事を言われた気がしたけど、私はスンジョの想いが痛いほど良く解ったから、目をそらしたり、突っ込んだり、とぼけたりなんかしない。
「良いよ…たくさん抱きしめてね」
 スンジョの首に腕を回せば、今度はとびきりの甘い大人のキスが降りてきた。
 愛してる。
 何度もそう言って、新しい年の始まりの夜は更けて行く。
 新年のカウントダウンはもう終わったけど、私たちが離れ離れになるまでのカウントダウンは進行中だ。
 スンジョがそう言ったように、私も忘れたくないから、スンジョによって与えられたこの温もりを忘れないようにしっかりと体に刻んでおこう。
 だからスンジョ…たくさんのキスをしてね…。



ペタしてね



こんばんは、ちはやです。


11月21日は原作でイリコトの結婚記念日。


スンハニももちろん結婚記念日、ということで甘めのお話を一つUpさせていただきました。


先日の東京オフ会でリクエストをお受けしまして、結婚記念日には…とお約束させていただきましたので、頑張って書きあげてみました。


本宅の方が今オフ本の関係で忙しいので、そちらがひと段落したらスンジョがいない3年間のお話を連載物で書きたいなぁと思っています。


原作では神戸に1年の研修、韓国では軍へ入隊というお国特有のものがありますので、そちらにかけて書いてみたいなぁと思っているところです。


おそらくハニ視点。


思い出話を語るように、スンジョに3年間を語る!みたいな感じで…。


次回の更新はまた不明ですが、いつものぞきにきてくださる皆様には感謝、デス。


これからもよろしくお願いします。



ペタしてね

 毎年やってくる《その日》は、私にとって特別な日。
 当然、スンジョにとっても特別な日であると私は思いたい。
 

 二週間前に今日のシフト表を確認した私の口からは、それはもう盛大なため息がこぼれ落ちたものよ。
 まあ、期待はしていなかったけど…。
「は~い、ハニ。今日はもう上がり?」
 私服に着替えて職員用の玄関のドアを開けようとした時に、ちょうど入れ違いになるようにしてクグが出勤してきた。
「うん、今帰り。良いなぁクグは。スンジョと一緒にお仕事できて」
「あら、あんたは家でも職場でもペク医師を見れるって言うのに」
「うん…まあね。でも今日だけは…」
「今日だけは?」
 私はゆっくりと首を横に振った。
 今更じたばたしたって、スンジョの勤務が変わるでもなし。
「何でもない。スンジョによろしくね。じゃあ、お先に」
 わざと元気に大きく手を振ってクグと別れる。
 大学病院前のバス停で、自分が乗るバスを待つ間。
 私の目の前で妙にいちゃいちゃするカップルが目について、私は思わず睨んでしまった。
 どうして…今日に限って私は一人何だろうって。

「ねえ、後ろの子。私たちを睨んでない?」
「マジ?何だよ。彼氏が居なくて俺たちに嫉妬してるとか?」
「うわぁ…。でも怖いよね睨みつけるなんて」
 
 前のカップルが私を見てひそひそと話しを始める。
 何よ、彼氏はいないけど、超素敵な旦那さまが居るんですからね!
 結局、バスが来るまで私の機嫌はドンドン下降して行くばかりだった。

「ただいま帰りました」
「お帰りなさい、ハニ」
 お義母さんがエプロン姿で出迎えてくれる。
 キッチンからは美味しそうな匂い。
「今日は二人の結婚記念日でしょう?盛大にお祝いしなくちゃね」
 あれ?今日スンジョは遅番で…大きな手術が入ってて…だから私とは今日一度も顔を合わせていないんだけどな。
「あの、お義母さん。スンジョは今日…」
「お帰り、ハニ」
 階段の上からスンジョの声がした。
「うそ!」
 思わず声に出して叫ぶ。
 何でスンジョが家に居るの?
「こういう時は、ハニの驚く顔が見たいと思ってさ」
 にっこりほほ笑むスンジョ。
 そのあまりのカッコよさに思わず目眩がした。
「今日のシフトはこっそり変えてもらっていたんだ。記念日となるとナ医師は俄然張り切って休みを交換してくれるし。それに」
「それに?」
「皆にも少しだけ協力してもらった」
 私の頭の中には、ついこの間の誕生日が思い出される。
 一緒に過ごしたいと願った誕生日。
 スンジョはとっても素敵なサプライズを用意してくれていた。
 割れた風船に崩れたケーキ。
 たった3分間しかなかった、二人きりのバースデー…。
 後で聞いた話だけど、スンジョはどうにかして私の誕生日に休みを取ろうと頑張ってくれていたらしい。
「さあさ、着替えてらっしゃい」
 お義母さんに背中を押され、思わず前につんのめる私。
 スンジョは階段から降りて来ようとはせず、ほほ笑んだまま私を見てる。
 早く上がって来いって、そう言ってる気がした。
 信じられない気持でゆっくり階段を上りきると、スンジョにぎゅうって抱きしめられた。
「どんな魔法を使ったの?」
 そう尋ねると、スンジョのクスリと笑う声が耳元で聞こえた。
「あの時、俺が行ったセリフだな」
 あの時?
 あの時っていつの時?
 頭中「はてな」で一杯になっていると、不意に体が宙に浮いた…ような気がした。
「うわっ…」
 気付けば憧れのお姫様抱っこ。
 そのままスンジョに抱かれて二人の部屋に入る。
 ベッドの上に降ろされて、スンジョがじっと私の目を見つめていた。
「5年前の結婚式」
 これ以上ないくらい、スンジョの顔が近くにある。
「とんでもない披露宴だったけど…その後の新婚旅行でも」
 結婚式や披露宴はともかく、あの新婚旅行だけはいただけなかったわね。
「ハニ…お前、俺に何をしたんだ?魔法でも使ったか?」
 思い出した…。
 新婚旅行最後の夜。
 ちゃんと夫婦になれたその夜にスンジョが言ったのよ、私に。
「何もしてないよ、ただ…いつもスンジョを追っかけていただけ。魔法なんて…解けちゃったらスンジョは私を嫌いになっちゃうの?」
「嫌いになんてなれないよ」
 額と額がコツンってくっついた。
「俺にかけられた魔法は、死ぬまでずっと解けない。これからもよろしくな…奥さん」
 奥さん。
 スンジョの奥さんなんだ…私。
 そんなことを考えていたら、スンジョのキスが降ってきた。
 ちゅ…ちゅ…。
 小さな音を立てて、スンジョのキスは唇以外のところにもたくさん振ってくる。
 魔法をかけているのはスンジョの方だよ。
 だって、スンジョのキスは私を幸せの絶頂に連れて行ってくれるから。
「大好きよ、スンジョ」
「知ってる」
 お互い見つめあってにっこり笑う。
 
 そんな私たちの姿を、鍵のかけ忘れたドアの隙間からお義母さんのカメラが狙っていたなんてことは、まったく知る由もなかったことだけど。
 その時の私はとにかく幸せな気持ちでいっぱいだった…。


ペタしてね

こんにちは、ちはやです。


こちらのお話はなかなか書くことができないでおりました。


お待ちいただいている皆様には本当に申し訳ありません。


原作では入江君のバースデー、ということで、こちらではスンジョの誕生日をお話にしてみました。


韓国版イタキスのスンジョは、結構甘アマだと思うので…。


次回は間もなく到来の結婚記念日…かなぁ。


なかなか更新できませんが、これからもよろしくお付き合いくださいね。



ペタしてね

 誕生日だとか、結婚記念日だとか。バレンタインデーだとか、ホワイトデーだとか、クリスマスだとか…。
 そんなイベントごとなんて、はっきり言ってどうでもよかった。
 だけど、相手が居る場合に限って、何かをしてやりたいと言う気持ちにしてくれたのはハニが最初で最後だと思う。
 毎年のようにその日が近付けば、俺の周りをちょこまかと動き回って何かを期待するような眼差しを向けてくるハニ。
 去年は真っ黒に焦げたチョコレートケーキだった。
 元々、チョコレート自体黒いっていうのに、それは見ただけで美味しくないと言っていた。
 それでも、俺が文句を言わずに口に入れれば、ハニも眩しい笑顔を見せてくれた。
 その笑顔が、俺は何よりも大好きなわけで…。


「おお~、今年も盛りだくさんだな」
 ナ医師の相変わらずの冷やかしにうんざりしながら、医局の中にある自分の席を見れば仕事ができないくらいに何かが盛り上がっておかれている。
 その一つを手に取って眺める。
 ご丁寧にメッセージカードまで付いたそれは、明らかに俺が今日誕生日だと言うことを知っての行動だ。
 こんなもの、無駄なだけなのにな。
 俺はそのまま机わきのごみ箱に投げ捨てる。
 そして、他のも同様にゴミ箱の中に捨てた。
「お前さ、いくらハニ一筋だと言っても、それはあんまりじゃないのか?せめて中身だけでも確認してやれば?」
「開けて、確認してどうするんです?どっちにしたって、こんなもの不必要なものばかりですから。開けるだけ無駄ですよ」
「うわ~、お前って本当に冷たい奴だな。ところで…」
 ナ医師は俺にすり寄ってくると、怪しい笑みを浮かべながらそっと耳打ちをして来た。
「ハニからは何かプレゼント貰ったのか?」
「あいつは昨夜夜勤でしたから、日勤の俺とは今日はまだ一度も会ってませんけど?」
「ふ~ん」
 その時、医局のドアが少しだけ開いているのが見え、その向こうに数名の人影があるのを確認できた。
 それが誰のものかまでは解らなかったが…。
「とにかく、それ、そのままにしておくなよ。プレゼントをくれた可愛い子ちゃん達が見たら泣くぞ」
 俺はゴミ箱いっぱいになった《プレゼント》とやらを一瞥すると溜息をこぼした。

 院内のごみ回収に出しても目につくし、俺は自分でそれを廃棄処理の場所まで持っていくことにした。
 病院裏手には廃棄物をためておく場所がって、定期的に業者が処理場へ運んで行ってくれる。
 幸いなことに、今日は処理業者が来ているはずの日。
 ごみ箱から黒い袋に移したそれを手に歩いて行くと、何やら喧嘩の様な…そんな声が聞こえてきた。
 場所が場所だけに人目にもつきにくい。
 俺は建物の陰からそっと覗きこむ。
「ハニ…?」
 夜勤上がりで帰るところなのか、すでに私服姿のハニ。
 それを取り囲む看護師3人、見たことが無い奴らだ。

「オ・ハニさん。あなた、ペク医師を束縛しすぎじゃないの?」
「束縛なんて…」
「今日が何の日か知っているのは貴方だけじゃないわ。皆が知っていることなのよ。なのに、あなたがどうせ自分以外からのプレゼントをもらわないでとか何とか吹き込んでいるんでしょう?」
「さっき、医局でペク医師が全部見ようともしないでゴミ箱に捨てるのを見たんだから」
「そうよ。第一、何であなたみたいな子がペク医師の奥さんなわけ?」
「何か弱みでも握って脅したの?」
「そんなことしてないわ!スンジョが私を選んでくれたのよ」
「信じられないわね」
 
 ハニを取り囲んでいた一人が、ドンと拳をハニにつきつけた。
 ハニはよろめいて…そこにもう一人が足払いを掛ける。
 バランスを崩したハニはそのまま尻もちをついてしまった。
 馬鹿にしたような笑いを浴びせる看護師達。
 さすがに気分がよくない。
 俺は出て行って、ハニの腕を掴んだ。
「ス…スンジョ!?」
「大丈夫か?立てるか?」
 俺はハニをたたせると、パンツについた泥を払ってやった。
「お前たち…」
 ぎろりと睨めば、怯えて竦む看護師達。
「あ…それ…」
 一人が地面を指差した。
 そこには、さっきまで俺が手にしていた袋が落ちていた。
 ハニに手を差し伸べるためにそれを放り投げたから、地面に落ちて中身が何個が転がり出していた。
「私の…」
 今にも泣きそうな看護師。
「ひどい…」
 ついには涙をこぼす始末。
「ひどいのはどっちだ?ハニにひどい言葉を浴びせて、挙句の果てに手を出したのはお前たちだろう?」
 俺がそういうと、ハニがすっとしゃがんで袋の中に手を入れて、spの中の一つを取り出した。
「スンジョ…このプレゼントには彼女たちの大事な思いが詰まっているんだよ。こんなこと…」
 むっとした。
 ハニ、お前あれだけのことをされてもこいつらが可哀そうだって…そういうのか?
「私にもわかるもの。スンジョが振り向いてくれなかったときのことを思えば…」
 目の前の看護師たちはあっけにとられたように立ちつくしている。
 責められるようなことをしたのは自分たちなのに、ハニはそんな自分達を庇うようなセリフを口にしているんだからな。
「まったく…」
 俺はハニの頭を優しくポンポンと叩いた。
 そのままぎゅっとその体を抱きしめる。
「俺はお前が居てくれればそれでいいんだ。俺が選んだ最愛の女性はオ・ハニだけなんだから…」
 看護師達三人は、そんな俺たち二人を見ていたが、もう疑うことなんてできないと悟ったんだろう。
 無言のまま足早に立ち去って行った。
「スンジョ…」
「今日は俺の誕生日なんだろう?」
 コクンと頷くハニ。
「今年は普通のケーキが食べたい」
「うん…頑張るよ。家でスンジョを待ってる」
 ハニの頬を手のひらで包み込んで、その柔らかい唇を食んだ。


 医局に戻ってきた俺は、綺麗に片付いているいつもの机にいたく満足した。
「何かいい事でもあったか?」
 ナ医師がまた近寄ってきた。
「別に」
「そうか?さっきと得たく雰囲気が違うぞ。どうせ入れ違いで帰るハニを捕まえておいしいことでもしてたんだろう?」
 この人は…。どうしてその鋭い勘をもっとほかの事に役立てられないのか。
「ま、お前がハッピーならそれでいいさ。誕生日おめでとう」
 そう言いながらナ医師は俺の目の前にカルテの山を置いた。
「これは、俺からのプレゼントだ。今日中に提出しないと看護師長にどやされる」
 俺は一瞬目が点になったものの…。
「解りました。その代り今日は定時で上がらせてもらいます」
 そうさ、今夜はハニが待っているんだ。
 俺の誕生日を一緒に祝うために。
 俺を待つハニのあの笑顔を思い浮かべると、何故だか自然に笑みがこぼれた…。



ペタしてね


こんばんは、ちはやです。


前回の更新からまたかなりの時間がたってしまいました(;^_^A


前々から書いてみたかった、ユーチューブ第6話のお話から。


時々見せるスンジョの優しい笑顔にキュンとなってしまうこのお話。


一件冷たく突き放すスンジョですが、ちゃんとハニを愛してくれちゃってますからね♪


忙しい日々が続いていて、あちこちにお話を掛け持ちしているので、イタキスのほうがなかなか書けないでいました。


今回のお話を書きあげることができて、ちはや的には満足…かな。


次回まではまた間が空いてしまうかもしれませんが、気長にお待ちいただければ嬉しいです。



それではまたお会いしましょう。



ペタしてね


アメンバー申請についてのお願い。

▲アメンバーについてのお願い事です。こちらを熟読の上、申請をしてくださると嬉しいです。


「オ・ハニさんですね」
「は、ハイ!」

 試験場の窓口で渡された《運転免許証》
 燦然と輝いて見えるそれは、私の努力と涙と汗の結晶!
 看護師試験は一発で受かることができたけど、この運転免許証を手に入れるために、何と8回も受験をしたんだから、嬉しさも倍増よ。
 まあ…看護師試験時はしっかりスンジョのお世話になったからだけど、この運転免許はスンジョには内緒だったから、隠れて勉強してたのよね。
 思い起こせば半年前。
 運転免許を取りたいって言った時のスンジョの反応が、今思い出しただけでも小憎たらしい。



「運転免許だって!?お前には絶対無理だ」

「何よ、私にだって出来るわよ。看護師試験だって一発合格だったし」

「お前…俺がどれだけお前につききりで勉強を見てやったか判ってるのか?」

「だって…」

「だってじゃない!」



 デコピンされて、そこでこの話はおしまい。
 その後も何度か話を持ち出してみたけど、スンジョはますます不機嫌になるだけだった。
 家で勉強なんてしたらすぐばれちゃうじゃない?
 こういう時は不規則な勤務で、すれ違いも多い我が家の特殊事情が役に立ったわけよ。
 
 交付された運転免許証を大事に財布の中へとしまう。
 あ~速くこの事実を知らせたい!
 スキップしながら家に帰ると、お義母さんが上機嫌な私の顔を見て「何かあったの?」って聞いてくれた。
 私は交付してもらったばかりの運転免許証を取り出して、頭上に掲げて見せたわ。
「まぁ~~。運転免許証じゃない。どうしたの?これ。まぁまぁ…《オ・ハニ》って、すごいわハニ!今日はお祝いね」
「ありがとうございます。スンジョをぎゃふんと言わせてやるんだから」
「今日のスンジョの帰りは?」
「もうすぐです。私、外で待ってますね」
 待つこと1時間。
 閑静な住宅街にエンジン音が響き渡る。
 聞き間違えるはずなんてない。
 これはスンジョの車の音よ。
 愛車のハンドルを握るスンジョの姿。
 ほれぼれしちゃう。
 明日は…私があの運転席に座って、そして助手席にはスンジョ…。
「おい、ハニ。そこに立っていると邪魔だ」
 ハッと気づけば、スンジョの車は目の前で、車の窓から顔を出して、私を睨みつけていた。
 とりあえず横にどいて、車から降り立つスンジョを待つ。
「なんだよ、変な笑いを浮かべて。気持ち悪いな」
「うふふ。これな~んだ」
 腰に手を当てて、運転免許証をずいっと目の前に差し出す。
 スンジョは最初ため息をつきながらその運転免許証をちらりと見ていたけど…。
「な…!お前、これどうした!?」
「どうしたって…今日交付されたばかりのピカピカの運転免許証よ」
 スンジョは私の手から運転免許証をひったくると、そこに書かれてある私の名前をまじまじと見つめていたわ。
「8回目の正直よ。どう?スンジョに頼ることなく、自分の力だけで勝ち取ったこの運転免許証」
「8回!?お前、この免許を取得するのに8回も試験を受けたのかよ」
「な…何よ。いいじゃない。結果的にとれたんだから」
 スンジョは盛大なため息をつくと、私に運転免許証を押しつけるようにして返してよこした。
「とにかく。お前に車の運転はさせないからな!」
 そう言ってスンジョは言えの中へと入って行ってしまった。
 むう~~~!スンジョってば!
 スンジョを追いかけるようにして家の中に入る。
 スンジョが着ていたコートが掛けてあるのを横目で見る。
 スンジョは…部屋に行ったみたいね。
 だったら…。
 私はスンジョのコートのポケットに手を突っ込んだ。
 車のカギはいつもここ。
 あった。
 にんまりとほくそ笑んで、私は車のカギを自分のコートのポケットにしまい込んだ。
 
 しばらくすると、スンジョがまた出かける恰好をして現れた。
 病院に忘れ物をして来たから取りに戻るんですって。
 チャ~ンス。
 私は先回りして車の前で待つ。
 家から出てきたスンジョは私の姿を確認するなり嫌そうな表情になる。
「じゃ~ん」
 運転免許証を誇示するかのように額にありつけて見せる。
 スンジョはそんな私をあきれたような目つきで見て、運転席の方へと回ったわ。
「8回も試験を受けてやっと受かったことを自慢する気か?」
 そう言いながらコートのポケットをまさぐるスンジョ。
 ふふふ、鍵はさっき私が抜き取ったからあるわけないじゃない。
「スンジョ、カギはここよ~」
 私は鍵を摘まみ上げてぶらぶらと揺らして見せる。
「貸せ」
「ふふふ」
「貸せって!」
「今日はこの免許証の交付を受けるために仕事も非番にしてもらったし、お出かけするなら私が運転します」
「ふざけるな。俺はお前の遊びに付き合うほど暇じゃない。良いから寄越せ」
 スンジョが私の手の中のカギをとろうと手を伸ばす。
 でも、ダ~メ。
 今日の運転手は私よ!
 スンジョを上手くかわして、私は運転席に乗り込んだ。
 
 いざ!ハンドルを握ってみたものの…。

 結局はスンジョに怒られて、運転を変わるはめになってしまったわ。
 でもね、スンジョは優しかった。
 ちょっとすねた私をちゃんと追いかけてきてくれたし。
 車で畑を掘っちゃったけどね。
 もっと運転がうまくなったら、今度こそ私の運転でドライブよ。
 
「それでも、今日は楽しいって…そう思ったよ」
 
 スンジョのその一言にキュンとなってしまった私。
 そう?そう思ってくれたら、私も嬉しい。
 病院へはたどり着けなかったけど…ね。




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