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マイクロアドの社長のアメブロ

株式会社マイクロアド社長の渡辺健太郎のブログです。
広告プラットフォーム・アドテクノロジーの会社をやっています。

脳にストレスを与えないと達成感は得られない。

これは昨年ヨガインストラクターの方に聞いた話です。

 

ヨガのポーズで前屈して足の間から後ろを見ると当たり前ですが

風景は逆さに見えます。

そうするとほとんどの大人はその風景が新鮮に見えるようです。

 

 

一方子供はよく鉄棒で逆さまにぶら下がって逆さまの風景を見ています。

なぜ大人になるとやらなくなるのか?

それは脳が危険だとわかっているからです。

子供が平気で危ないことをすることが多いのは脳はまだなにが

危険なのかを学習していないからです。

 

 

それは生き延びるためにはもちろん大切なことなのですが、

あえてその危険(脳へのストレス)を与えることで新鮮な発見

やその先にある達成感を獲得できるといった興味深い話でした。

 

 

脳にストレスを与えないと達成感を得られないというのは

人間がチャレンジを好む動物として設計されているのかもしれません。

 

少し極端なことを書くと僕はもしかしたら

広告枠というものが無くなるのではないかと思っています。

 

 

昨年はイギリスのユーロ離脱やトランプの大統領選の勝利など多くの

マスメディアは予測を外しメディアは信頼を失いました。

ネットの世界でもfacebookでの大統領選挙でのデマの拡散

日本でもキュレーションメディアの信頼性やコピペ問題などで

検索結果に対する信頼も揺らぎました。

マスもネットもメディアの信頼が揺らいだ2016年だったと思います。

 

 

 

インターネットメディアが大きく変わったのはソーシャルメディアの登場

だと思います。

僕自身もメディア造りに深く関わっていた時期だったのでよく覚えていますが

コンテンツを自ら作ってメディアビジネスをやっていた時代から

プラットホームを作る事でユーザーが情報発信していく時代に

大きく変わること、それによりゲームのルールも大きく変わるということを

かなり鮮明にイメージする事が出来ました。

結果ソーシャルメディアは爆発的にPVを伸ばしました。

 

 

ただしマネタイズは当初は難しいものでした。

広告主は個人のユーザが書いているコンテンツに広告を出すことへの

抵抗感があったということと、

膨大にコンテンツが増幅している中で

どこに広告を出すのが最適か分からなかったからです。

そのようなニーズの回答がマイクロアドをつくった事でもありますし

様々なターゲティング技術を磨いてきました。

爆発的に伸びるPVを背景にその価値付けをしていく広告技術が

発展していったのだと思います。

 

 

昨年起こったいくつかの出来事はまた潮目の変わりを示唆しているように思います。

ただし変化は今までのように大きな新しい流れが出来るのではなく

いくつかのテーマで変化が生まれると考えています。

急にソーシャルメディアがなくなるわけではなく

ネットメディアを信頼しない人たちが有料コンテンツや

インスタグラマーや中国のKOLのような信頼できる個人に流れる

スピードがさらに加速したり、

インターネットに繋がる時間が減っていき

よりリアルなイベントなどの体験がさらなる価値を生むようになったりと

多極化した流れになるという予想です。

 

 

冒頭に書いた広告枠が無くなるかもという話も

ある日突然広告枠が全て無くなるという事でも

広告モデルが終わるという事を言いたいわけではありません。

 

 

広告モデルの前提であるメディアビジネスがユーザーの動向の変化で

大きく変わっていく流れが来ている中では広告枠が無くなるかもしれない

というくらい極端な仮定で次を考える必要があると思っています。

 

広告の仕事は消費者と企業を結ぶこと。

広告モデルの仕事はその間を取り持つメディアビジネスを成り立たせる

三者間のビジネスモデルのことです。

 

前者は変わらないと思いますが後者は大きく変わると考えています。

現時点での僕の考えはFACTデータを使い

今後も変わらないであろう消費者と企業を結ぶ新しいビジネスモデルを

構築する事だと考えています。

 

 

マイクロアドという社名からアドが消えたときが

その新しいビジネスモデルがしっかりと立ち上がった

ときなのかもしれません。

 

 

DSP、SSPを中心としたアドテク事業のその先のビジョンとして数年かけて

準備していたUNIVERSEプロジェクトが少しずつ形になり始めています。

 

 

多次元データベースというコンセプトで数年前から社内では話をしていましたが

サービス名もUNIVERSEと決まりそれに必要な要素も少しづつ集まり始めています。

 

 

いままでのアドテクと言われているものはWebの行動履歴を中心にターゲティングの

精度を上げていくというものでした。

その中で広告効果は向上していきましたが当然そこにも限界があります。

 

 

何故なら人間はWebだけで生活しているわけではなく多くの消費は

Webの外側で行われておりその規模はWebでの消費の10倍以上あります。

 

 

いろいろな提携により少しづつリアルな購買データや

位置情報データなどを組み合わせることができるようになりました。

単純に言ってしまうと複数の異なるデータを組み合わせてみることで

いままでわからなかった顧客像が明らかにする。

そういうことが可能になるものがUNIVERSEです。

 

 

数年前にプラットフォームの会社というエントリーで、

例えばラーメン屋さんのような小規模な事業主でも使えるような

広告プラットフォームを目指すと書きました。

しかし残念ながら未だ実現できていません。

Webだけのデータではまだたどり着けないというのがいま時点での結論です。

 

 

しかしこれからはそういう領域に到達できるのではないかと思っています。

例えばより詳細なジオデータがあればもっと狭い商圏での

ターゲティングが可能になります。

さらに過去の履歴や購買データがあれば精度はより高まっていくことでしょう。

 

 

飲食店の出店計画に使えるようになるかもしれません。

例えばメキシコ料理屋をどのエリアに出店してどういう顧客ターゲットにすると

成功確度が高いのかそのヒントを探せるようなサービス。

 

 

あるいは既存の商品の本当の顧客層がだれかというのを

ファクトベースで発見できるようになるかもしれません。

未知の顧客像をつかめることができればその商品の売り上げを

爆発的に伸ばすことが可能になります。

 

 

昔のように20代の都内で働くOLみたいなセグメントはもはや消滅しており

顧客像を掴むのが難しくなっています。

だからこそこのようなことが可能になればマーケティング世界に

革新を起こせると考えています。

 

 

完成することがないという意味も含めて永遠に拡張し続ける

UNIVERSEというサービス名をつけました。

いままでのネット広告が苦手にしていた領域にUNIVERSEによって

たどり着きたいと思っています。