民業圧迫 | 秋山のブログ

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ちょっと脱線して。
民営化の話で、ちょろっと書いたことだが、産婦人科の分娩に関しては民業圧迫が堂々とおこなわれている。参考までに日本の医療システム

医療は免許制であり、自由に参入などできない。免許などなくして市場にまかせれば全てうまくいくなどという超御馬鹿な考えも世の中にはあるが、情報の不完全性を何とかすることはとてもできない。(この場合の免許制は利権というよりむしろ消費者のためである。自然淘汰より効率的でもある)

自由な競争にするとかえって高額になるという現象は、医療ではよく見られる。情報の不完全性が際立った業種である。当然といえば当然。ステグリッツ教授の言う暗黙の談合もあるだろう。

分娩は自由診療であって、医療機関が勝手に価格を決めることができるが、そう自由にはならないようになっている。少しでも病気の要素があると、保険診療を利用できるようになっていて、その価格は国によって規定されている。そして出産一時金というのがあって、病気の時の保険診療での価格と合わせて、公立病院での料金の目安になっているのだ。赤字だろうが何だろうが公立病院はこの価格でやってくるわけで、民間の価格もそれに影響をうけることになる。すなわち完全な民業圧迫だ。

儲ける事しか考えていないのであれば、これは由々しき問題だろう。しかしこれは不完全な市場を改善する方法でもあるのだ。うまくやることができればそれは世の中のためになるだろう。大事なことは、とにかく削減ありきではなくて、適正な利潤に関して十分検討することだろう。