貨幣について15 | 秋山のブログ

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ここでは情報と期待について書かれている。ページの内容は読んでいただくとして、大凡その通りだと思うのだが。


『政府の政策も、それが実現するものと全国民が信じ行動すれば、早く実現するが、信頼がないと同じ政策でも効果が生まれにくい』清水啓典、日経新聞、2003/05/22

これは2003年と随分前の文章であるが、正しい政策をおこなっても上手くいかないことがあるという話しである。ところが現在はもっとおかしなことになっている。(20年してみて効果なかったから反対のことをやってみるなど愚の骨頂だろう)
政府が今すべきことは、「給与は上がりません。でも負担は増えます」ではなくて、「労働者の給与が増えるような政策を次々打ち出します」だろう。政府がデフレ対策を取っても信用の問題で効果がないのではなくて、そもそも真逆の政策を取り、さらにそうすると宣伝しているのだ。


『貨幣の量を増やしても国民が将来の所得低下を心配し、デフレを予想して消費を増やさず、現金保有に走れば(貨幣の流通速度が下がれば)、生産や雇用は増えずデフレも止まらない。』清水啓典、日経新聞、2003/05/22

そのような構造であること、それによって経済政策が効果的でないことはその通りだろう(現金保有の理由はデフレの予想以外の理由の方が大きいと思われるが)。
ただ現実を観察すれば、国民の消費行動よりも、非正規化や内部留保等に走る企業等の問題の方がずっと比重が高いだろう。その辺りを考えて政府は政策を作成する必要があるだろう。