これはなんでしょう、「僕は友達が少ない」案件かな、それとも「反知性主義」案件になりますかしら。あ、両方かな(言っちゃった)。


自由民主党の有力者の口が最も自由になるのは、選挙演説でも議会内の討議でもなく、それは常に身内とみなされる人たちとの会合です。ミッチーのあれとかこれとかを思い出そう、今度世界大運動会のエライさんになる彼の「神の国」を思い出そう、ですよ。身内に向けたきわどい目のサーヴィストークでやりすぎる、その挙句言い訳を重ねて何が問題で何をそうしたらこの問題が解消されるんだかわからなくなる、までが伝統芸です。いや、そもそもの話で言えば「無神経にバカを言う奴は代議士失格」、ってことなんですけどね。

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まあおおざっぱに想像いたしますに。政治家のセンセイにとって支持者向けのトークってのはきっと楽しいものなんでしょう、だって何を言っても受けてくれるし何気なく言ったことにも「さすが!」なんて拍手も起こっちゃう。議会ではヤジか?と思える怒声も愛のある景気づけ、あえてのにぎやかしでしかないのだもの、きっとそこでは全能感がこの上なく満たされる、ってな具合なのでしょう。そして、そこで抑制を利かせるようではあの党の政治家としては大成しない、んだろうなあ…

つい神道政治連盟国会議員懇談会の話の流れで言っちゃった、外交でもめていると思われてるけど支持者には「あれは相手が悪いんすよ」と言いたかったから言い過ぎちゃった。たぶん、事自体はその程度の話なんだけどさ。
こういう話が出るたびにいつも不思議なのはあの人たちはそれを内輪のお話で、秘密のままにしておけるものと考えているフシがあること。まあ、国民の少なくない人は知らないかもしれないね、別に千葉だって彼らの言動なんかほんとうには興味ないもの。でもさ、彼ら「与党有力者」だの現職総理だの、「首相側近」だのの言動が、まさにその言行の問題によって中止されているその時に、問題の当事国が伝わらないと期待できてしまうのはなんなのか、と思うのよ。
この件は彼らが最も大事にしているはずの同盟国から、外交的には最高レヴェルに厳しい文言での言及を受けて、今も議員が訪米しては「説明」したりしている、いわばまだ延焼が続いている問題のはず。あゝそれなのにそれなのに。せっかく沈静化のための努力が行われている一方で「首相側近」がこんな「本音」を漏らしちゃう。

こんな奴とトモダチになれるか!ってな意味では「僕は友達が少ない」案件だし、外交的に穏やかじゃない状況でしていい発言とそうでない発言が峻別できていない、という点ではぶっちゃけトークがその場で受ければそれでいい、という刹那的反知性主義案件です(千葉は、そもそもいわゆるぶっちゃけトークが好きではないのです。さらに踏み込むならば、代議士や報道の人によるそれは害だと思っているのです。発言で得られるその場の好感と、その発言によって失われる信用、きっと等価交換ですよ)。とりあえず、エライさんの言葉は隠せないと思うんすけど、どうすか。

こういう件を見るたび思うんですよ、彼らの好きな「想定外」ってさ、そもそもの想定がびっくりするほど緩いだけなんじゃないの?って。
仮に口外法度だという前提でこの会が運営されていたとしよう、でもそこに問題となっている「同盟国」に非常に近い議員、秘書がいる可能性はなかったのかね?その人たちを封じることはできる、とでも思っているのかね?
近隣国を敵視するのが好きなのは存じているけれど、同盟国は情報収集していないとでも思ってるのかな?あんなに彼らの「情報収集」は話題になったのに?(笑)

まさかね、そんなはずはない。「子分」に完全な自由を許す「親分」など存在しない、その子分がいまや価値観や志向する政治体制などにおいて疑義のある、いわば「信用ならないチンピラ」である可能性を疑っているならなおのこと。いやはや、こんなことでいったい誰に何を「説明」して「理解」を得ようというのでしょうか。

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これでまたバラクさん(仮)がエイブさんに会ってくれる日は遠のいた、とふつうなら思うでしょう。でもこういう事態になっても、なぜか「同盟の危機!国益を損じる行為だ!」と言われないのは何故?向こうの新聞コラムからわれらのエイブが小バカにされている記事を探して話題にしないのは、何ゆえ?政権与党の人徳かな?(すみません、ぼけました)

なんともはや、酷い法案が次々に成立させられたあとはこういうマヌケな事案の連続です。この小芝居はいったいどんなゴールに向かっているのやら、と海よりも深く憂国の情を発したところで今日はおしまい。ではまた。