こんにちは。千葉です。
不意の雨とはならなかったけれど、けっこう降りますね。なんというか、この雨の中応援を続けたスワローズファンの皆さんに連帯のご挨拶を送ります…


さて本日のマーラー、久しぶりのバーンスタインです。

Mahler/The Symphonies/Leonard Bernstein/Mahler
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今日聴いたのはロイヤル・コンセルトヘボウ管を指揮した第四番、1987年の録音です。独唱はヘルムート・ヴィテク。


あのう、このバーンスタインの新全集は、一タイトルずつ買っては聴いた当時の順番を再現しようと思っているのですが、第四と第五の順番に関する記憶がいま一つ不明瞭です。買いはじめてしばらくして、第五番が廉価盤(ミドルプライスくらい、LBエディションとかいったような)になったから順序を飛ばしたような気もする。いやたぶんそうだろう。


何ゆえにこの順番にそんなに拘るかといえば、第一楽章の失敗に終わるクライマックスで第五番の冒頭と同じファンファーレが皮肉にも高らかに鳴り響くわけですが、この演奏を聴いたときには第五番を知っていたような気がします。それ故に、非常に強い印象を受けたような、そんな記憶の断片が、あるような、ないような…


前にもいろいろと書いたこの曲、「入門に好い」なんて言葉に乗せられて最初に聴いたりしなくてよかったと思います。マーラーの曲なのにこんな音?と序盤で感じないと第五番で再話されるエピソードのインパクトも薄いし、できれば第三番は知っている状態で聴くべきであるように思います。昔のように「二枚組だと六千円もするのよ」という時代じゃありませんからね、ぜひまとめて買って、順番にお聴きください…(かつて二枚組を買ったそのお金でこの全集が買えちまいますぜ)


古典的な交響曲に比較的近い編成、構成の交響曲ではあるけれど、冒頭から響く鈴の音はいわゆる純音楽の枠からははみでるし、第二楽章の素朴さと皮肉な表情が素早く入れ替わるところも一般的なスケルツォとは言い難い。第三楽章くらいでしょうか、比較的「普通」の交響曲に近いのは(普通って言うな!)。シューマンの緩徐楽章に聴こえるような、と感じるのはきっとバーンスタインの影響ですけれど(笑)。第四楽章は独唱が入りますからね、それだけでもあまり「普通」ではない。というわけで、モーツァルトやハイドンを思わせるところがあろうとも、ベートーヴェンの某オペラの三重唱に似た雰囲気があろうとも、編成が小さくてもこれは立派にマーラーの作品です。古典風のものを探しても、あまり意味が無いと思いますよ?


こんなふうに千葉が思うのは、もしかするとこの自由自在なバーンスタインの演奏でこの曲を知ったから、かもしれません。ちょっとした表情付けなどあまりに自然だし、場面ごとの雰囲気の変化が実に素晴らしい。この演奏をはじめて聴いた頃にはもう好きなオーケストラだったコンセルトヘボウの余裕ある演奏も素晴らしいし。お見事。


で終わってしまっても個人的にはいいのですが。この演奏については必ず言及されなければならないポイントがあるのですね。
そう、第四楽章の独唱にボーイソプラノを起用していることです。この録音以前から、バーンスタインはコンサートではボーイソプラノにこのパートを歌わせていたとか。

なるほど、天上の生活を歌うこの歌詞に引きつけたものかと、はじめて聴いたときにも思い、これはこれでありだろうと思ったものです。もちろん、その後普通のソプラノ独唱版を聴いて驚く訳ですが(順番がおかしいよ!)。
そして今日聴き直しても、「これはこれで」という印象は変わりませんでした。確かに、成熟したソプラノのほどの音楽的完成度はないですけれど、素朴な視点を明確に表現できていていいと思います。歌詞の内容だって、ただ美しい天上を歌うものではないですし。


まぁ、バーンスタインに多くを教わったと思っている人の物言いですのでその辺は皆さま差っ引いてお読みいただければ幸いです。と最後になって逃げつつ本日のマーラーはここまで。


ではもう少し楽器を吹いたら寝もうと思います。ではまた、おやすみなさい。