こんにちは。千葉です。

いくら年齢制限があったといっても、プロが大学生相手に引き分けというのはどうだろうか>この試合 。なんというか、いろんな意味でMVPは坂本。


それはさておき、先日読了した本をご紹介。


◆プーランクは語る 音楽家と詩人たち フランシス・プーランク ステファヌ・オーデル編


千葉はときどき思い出したようにいわゆる「フランス六人組」関係の学習をする癖がありまして。本書もその一環で読みました、といいつつも、本書は違った読み方も可能な構成になっています。


スイス=ロマンド・ラジオで放送されたインタヴューをもとに二部構成に編集された本書はこんな内容です。


第I部 青春時代(1953年のインタヴュー) ~生い立ち、作品に関する解題など

第II部 友人たち(1955&1962年のインタヴュー) ~彼に影響を与えた、あるいは協働した友人たちについて


はじめは前半部分を知っておこうと思ったのです。プーランクの音楽、ただ録音を聴くだけだとなんとなくつかみにくい感じがあるのです。軽やかさの影が気になっちゃう、と言ってみても良いのですが・・・その目的から見れば、本書はちょっと食い足りない感があります。なにせ「カルメル派修道女との対話」「声」以前のインタヴューでもあることですし、その点は仕方がない。


ではそれほどの本じゃないのか、というとそうではなく。後半に収められた友人たちを語る部分が実に面白いのです。20世紀前半のフランス文学に詳しいわけではないのでマックス・ジャコブとポール・エリュアールの項は多くを汲み取れませんでしたが、他の六人に関する項が実に面白いのです。

そのメンバーはまさにそうそうたるもの。ある意味で師匠筋のエリック・サティ、先輩格とも言えそうなマヌエル・デ・ファリャにモーリス・ラヴェル、共に「六人組」に括られたあるチュール・オネゲル、「外遊時代」に友人として親しく交わったセルゲイ・プロコフィエフ、そして「もしストラヴィンスキーがいなかったとしたら、わたしは作曲家になっていただろうか」と自問するほどの影響を自認するイゴール・ストラヴィンスキー、ですからね。もちろん、千葉はオネゲル、プロコフィエフ、そして予習中のストラヴィンスキーの項を熱心に読ませていただきました。勉強になります、同時代の評価って。


こんな良い本が入手困難なのは残念ではありますが、ちょっと充実した図書館なら収蔵されているかと。20世紀前半のフランス楽壇に興味のある方はご一読をお勧めいたします。


以上簡単な紹介のみでした、ではまた。