こんにちは。千葉です。
日に日に寒くなり、次の模様替えを考えている今日このごろ(もちろんブログの)。なんというか、太平洋側の冬って、映像的なイメージがないですよね、雪が降るわけじゃないし・・・
それはともかく、昨日読了した本の話。「ローマの休日」を見終わってから後半一気読み、でした。
- シルバー・スター (講談社文庫)/デイヴィッド ハンドラー
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ミッチ&デズシリーズの三作め、ようやく読了です。なんというか、作品に登場する要素の何を紹介してもネタバレになるなって思われる感じ。
コネティカット州ドーセットに移り住み、ようやく地元になじみつつある主人公二人のラヴコメ展開(ここはスクリューボール・コメディ、というべきかも知れない、主人公である映画批評家ミッチ・バーガーに敬意を表して)は進展するものの、ここで起きる事件、そしてそこから見えてしまうドーセットの現実はなかなか残念というか、厳しいものがあって。
ドーセット出身の女優とその夫が滞在することからはじまる悲劇の数日間を、かなり緊密に書いているので500ページも長すぎるとは思われませんでした。もちろん、いったんのってしまえば、ですけれど。地域社会の隠された部分が見えていく構成、なかなかにスリリングです。毛色は違うのだけれど、筒井康隆の「鍵」にも似たスリル、というとミスリードでしょうけど。
なんというか本書と直接には関係しない話。
都会の薄い人間関係が犯罪のどうこう、って話はよく批判的に語られますけれど、地域の濃い人間関係の中で何があるのか、なんて見えてこないだけでどうなってるのかはわからないし調べようもないですよね。一皮剥いたら本書で展開されるような、残念では済まないレヴェルのことがあるのか知れないし、ないのかも知れない。関係性の濃淡を良し悪しで語るのと安易なノスタルジィってセットの場合が多いけれど、そこに共通するのは、実際の細部をまったく見ようとしないこと(または見えていないこと)、でしょうか。一般論一般論、とかなんとか。
おとぎばなしのごとき「ローマの休日」との食い合わせ、悪くなかったかもしれませんね、これほど傾向が違うと(おいおい)。ひとまずはこれにて。ではまた。
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