こんにちは。千葉です。


昨日の予選が見られないままに書いた予想、強ち外れでもないようですね、なんてまず言ってみたりして。


◆Formula One Grand Prix Santander von Deutschland 2009


この前のイギリス・グランプリでは低温の影響もあってブロウンの独走もひと休み。いや、もうブロウンよりレッドブルのほうが速いんじゃないか?なんて思われた方も多いはず(千葉もその一人、であるです)。


一応振り返っておくと。ブロウンのマシンは、比較的タイヤに優しく、かつソフトでもハードでもそれなり以上に使いこなせるところに大きなアドヴァンテージがありました(空力的な話はとてもできませんけど、今日の放送では「彼らのマシンのつくり出す乱気流は酷い」旨指摘がありました。特徴的な空力特性を持っているらしいです、なかなか示唆的ですね)。


一方、レッドブルのマシンは比較的タイヤにより多くの入力を与える性格です。すなわち、暑いコンディションではちょっと厳しい反面、タイヤを暖めやすいので、低温状況では彼らだけが圧倒的な速さを見せることがあった。


この性格が異なるマシン二台が繰り広げる今シーズンのチャンピオンシップは、ジェンソン・バトンが充分なリードを築いているとは言いつつも天候によっては力関係があっさりと覆りかねない、そんな微妙な均衡に到ったような感があるのです(まぁ、千葉はレッドブルの開発能力のほうが、この先の伸び代があるように思えるのですけれど。と言うのと同時に、それがここまでのポイント差を逆転できるほどのものかどうかはとても軽々には言えないな、とも思ってます)。


ではそろそろいつものように行ってみましょう、今日のそれほど暑くなかったニュルブルクリンクでは誰が勝ったのよ?と言いますと。長かった、これまで速さを見せながらも優勝には届かないできたキャリアも今日で報われたことでしょう、レッドブルのマーク・ウェバー!おめでとうございます。あの、オープニング・ラップの幅寄せには引っかかる気持があるのですが、レース中に彼のお父さんがしていた魔除けのおまじないに免じて今日のところは許します(笑)。

その幅寄せでペナルティを受けたものの、コヴァライネンのおかげで充分なリードを守り、スタート直後を除いてはミスなく攻めてちゃんと最後まで守り切ったのはお見事でした。そうそう、お父さんの魔除けと、彼の優勝直後の無線の合わせ技一本で許してあげることにします(笑)。


二位にもレッドブル、セバスティアン・フェテル。スタートで出遅れて、カーズ組の中で苦労していたはずなのに、気がついてみればきっちり二位に来ているのはさすが。いや、レッドブルの速さは本物だ、と言うことなのかな・・・ともあれ、優勝は難しかった展開なりに稼げるだけのポイントは稼いだのかなと。上手くシーズンを戦えてますね、拍手。


三位がね、ちょっと驚きのフェラーリ、フェリペ・マッサ。もう今シーズンは捨てた、なんて声もあったけれど、ピット戦略とタイヤ選択がコンディションに上手く合ったのも奏功して得られた今シーズン初表彰台、ここは素朴に拍手を贈ります。そうそう、表彰台の記者会見でセナの名言「だったらマシンを取り替えようか?」(笑)を使ってましたね、ちょっと吹き出しましたよ。

チーム・メイトのキミは・・・なんというか残念なリタイアですね。スーティルとの接触もなにか悪影響だったのかしらん(それにしてもこの二人、変な御縁がございますわね)。


四位には変則2ストップ作戦で渋滞を上手く避けた感の、ウィリアムズのニコ・ロズベルク。コンスタントに速さを見せられるが故のリザルトですよねぇ・・・一貴・・・


五位、六位にはブロウン勢。いやぁ、チーム・オーダだとは思わないのですが、ルーベンスさんは勝てる展開に見えても勝ち切れませんね・・・今日こそは彼の番だと思ったのですが。

まぁ、普通のレーシング・ラップでタイヤを暖めるアクションをあれほど頻繁にせざるを得なかったほど、タイヤが使えなかったのが敗因だということでしょうけれど、このさき雨も含めて低温状況がない、とは誰にも言えないのですよ・・・


七位には、随所で攻撃的な走りを見せたフェルナンド・アロンソが入りました。いやぁ、あれだけ攻めて、それがリザルトになったのは嬉しいのですけれど、ルノーのマシンはこれが限界なのかな・・・


八位には改善されたはずのマクラーレン勢、と言っても完全にはアップデートされていないほうのヘイッキ・コヴァライネン。なんか、完走すら久しぶりのような気もしますが・・・

このチームについては次戦を見るまで評価を控えます。というのも、予選で見せたパフォーマンスを決勝で見せるはずだったルイスがあのていたらくでは・・・放送でのコメントによれば、コンマ7程度の改善を見せたらしいんですよ、彼らのマシン。その力、そろそろ見せてくださいな、頼むから・・・


それ以降だと、フォース・インディアの活躍に拍手しておきます。マシン作りの失敗からいまだに立ち直れていない感のあるワークス勢と、ではあるけれどちゃんと戦えているところに、ちょっと心動かされました。特にジャンカルロのオーヴァテイク。ポイントにはなっていないので、とは言わざるを得ませんが、それでも彼らの戦いは評価できると思います。惜しむのはまたしてもスーティル、どうして接触上等な戦い方になってしまうのか・・・あれは本当にもったいない。いつ来るかもわからぬ次の機会には、冷静に確実にポイントを獲得できますように・・・(全日本F3時代の活躍を知っているので、無謀だと責める気にもなれんのですよ)


長いインターヴァルのあとのレースはなかなか興味深い展開だったと思います、さすがにこれまでのドタバタな政治劇を水に流してあげられるほどではないですが。ぜひ次戦でも好レースでここ最近の悪印象を吹き飛ばしていただきたいものです。


>ニュースはこのあたりでどうぞ:F1通信


次戦は7月26日決勝のハンガリー・グランプリ。舞浜方面のねずみ的サーキットの代名詞、ハンガロリンクなので予選が大事なレースになることでしょう、さて天秤は再びブロウンに傾くか、それともまだレッドブルに傾いたままなのか。暑い熱いレースを期待しつつ、今日はこれにて。ではまた。