こんにちは。千葉です。
結局ル・マンは全く見られず、マシンの挙動を見たかったなぁ。これからでも良いんですよ、放送>メディアの皆さま。で、昨日のMotoGPカタロニア・グランプリの話はまた後ほど。


では前説とは無関係に。また本を読みましたのよ。

起承転々 怒っている人、集まれ!―オペラ&バレエ・プロデューサーの紙つぶて156/佐々木 忠次
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ミラノ・スカラ座やウィーン国立歌劇場などなど一流歌劇場の引っ越し公演を先駆的に実現し、また世界に誇れる東京バレエ団を率いる鬼リーダー(冗談です)、佐々木忠次氏が長年にわたってNBSニュースに寄稿されていた「起承転々」を一冊にまとめたのが本書です。クラシック、バレエファンにはすっかりおなじみ、ですよね。


本書のタイトルが示す通り、佐々木氏はお怒りです、非常にまっとうに。本物の国際的活躍が鍛え上げた視線は音楽界のこと、バレエのことにとどまらず政治、社会へと数々の指摘を繰り広げます。はじめスキャンダリズムも入り混じった興味から読み始めて、自分とは遠い話だと思って気楽に読んで、肯かされたり勉強になるな、と思ったりしていたのですけれど、最後のほうはもう申し訳なくなってしまうほど。そもそもの問題点を指摘し、そこからぶれないスタンスには、指摘が自分に当てはまっても当てはまらなくとも首を垂れさしむるものであります。さすがにすべての指摘に妥当しえたわけではないですけれど(バレエの世界とか知らないことも多いことですし)、本当に勉強になりました。


ですが。もっとも感じ入りましたのは。いついかなる大事件に直面しても、確かな見識に基づいたコメントをされる姿勢でありました。長年の盟友だったことでしょうベジャールの死にあっても、ツアー中に9・11にあっても動じずツアーの実行に邁進する、大人物とはこういうものか、いや、これが戦中派の胆力なるか(一切の揶揄なしで、このように申し上げたい。戦後生まれの政治家による妄想的な言動とは比べものにならない!って、こういう比較がすでに失礼にあたるかと思われる)。


いやはや、精進しなければなりませんね、一お客さんとしても。そんな風に気を引き締めたことでありました(笑)。以上簡単ですがひとまずこれにて。ではまた。