あの、恐ろしい東日本大震災から、
早くも3年の月日がたってしまった。

しかし、あちこちに
大きな傷あとを残したまま、

いやいや、場所によっては、
傷あとが徐々に悪化しているのに、
もう、少しずつ、人々の記憶から
忘れられようとしている。

大震災直後の『現場』は
どんな状況だったのか。
3:11のすぐ後、居ても立っても
いられず、なんとか被災者を助けたい、
少しでも誰かの役に立ちたい、と駆け
つけた、絵本作家、漫画家たちがいた。

ワシが読んでいるは、講談社から
出版された、のぶみ作、森川ジョージ作画の
『会いにいくよ』という一冊。

マンガで描かれたドキュメンタリーだが、
テレビやパソコンの映像、新聞の写真、活字
だけでは伝わって来ないリアリズムがある。

現場に行った人間にしかわからない
におい、苦しみ、迷い、虚脱感、
そして、達成感がずしんと胸にくる。

あの日、棚から落ちた本の山に埋もれ、
しばらく屋根裏で動けなかったワシは
ただただ、頭が下がる思いだ。