【インバウンド関連コラム】中国人客に売るための鉄則(1) | 外国人マネジメントの教科書

外国人マネジメントの教科書

「週刊文春に載ってそうなエッセー」というコンセプトで、日々感じたことを書いていきます

インバウンド客にできるだけたくさん買ってもらうには、彼らの置かれた環境や彼ら特有の事情を理解することがポイントです。なかでも中国人客は、他の国とは異なる独特の「買い物事情」を抱えています。


中国人客むけ販売テクニックとして私がおすすめするのは、「全部買わせる推奨法」。これは、どの商品を選ぶか悩んでいるときに、一つの商品のみを奨めるのではなく、『全部買ったらいかがですか?』と推奨するやり方で、この一言だけで、中国人の心は確実にグラつきます。


なぜなら、多くの中国人客は、親戚や友人用に大量のおみやげを買って帰るからです。日本製品の素晴らしさは、日本に来たことのない中国人にもよく知れ渡っています。そのため、親戚や友人から、訪日前にさまざまなおみやげを買ってくるようお願いされることが多いのです。

 

 

このような事情を利用し、中国人客がどれを買おうか迷っていたら、『とりあえず全部買って、自分は使わないと思ったら、それをおみやげにすればいいのでは?』と投げかけてみるのです。潤沢な資金を持って日本に来る人が多いため、おそらくかなりの確率で、すべての商品を買っていくでしょう。衣料品の色違いやサイズ違いは、格好のおみやげ候補となりえます。

 

 

似たような販売テクニックに、「トータルコーディネートアプローチ」と呼ばれる推奨法があります。これは洋服を奨める際に、意図的に、帽子やベルト、バッグ、靴などと合わせて、全身くまなくトータルコーディネートしてあげるようにするやり方です。そうすることによって中国人客は、先ほどと同様、おみやげ用として推奨されたものをすべて買っていく可能性があります。

 

 

中国人客が日本で「爆買い」する背景には、このような彼ら特有の事情があるのです。「大量のおみやげを買う中国人客には、とにかくいろんな商品をどんどん奨める」ことが鉄則です。