未払い残業代、計2億円超支払いへ マックスバリュ東北 | 職場が元気になるための人事・労務を考える千葉の社労士・CFPのブログ

未払い残業代、計2億円超支払いへ マックスバリュ東北



 昨日、あの武富士が、”過払い利息の返還請求がここ数年で急増し、業績圧迫のため自力再建を断念、会社更生法の適用申請へ…”というニュースが飛び込んできました。


 昨年の終わり頃からか、「過払い金返還訴訟の次は未払い残業代請求」などと言われ続けていて、そういう記事も目にするようにもなってきましたが、訴訟ではないものの、今回のマックスバリュ東北のニュースは計2億円超の支払いということです。


 今年の3月に秋田県内の2店舗で未払い残業があったとして労働基準監督署から是正勧告を受け、全90店舗を調べたところ、この金額になったそうです。


 チェーン店化しているスーパーや飲食業などにはありがちなことで、経営を圧迫しないかが気になるところです。


 元々、労働時間が長いと言われる業種ですが、労働基準法の通りに従えば、残業代は発生するでしょうし、他にも「名ばかり管理職」で問題になった会社などはこの問題に直面していそうです。


 景気悪化の中で、リストラや非正規化による労働時間の短縮や残業代の削減が進んでいますが、実際には仕事量がそのまま減るわけではなく、労働者がサービス残業をしているというケースも多くあるでしょう。


 使用者側の労働時間管理が大切になってきますが、効率よく成果をあげることを使用者も労働者も考えていかなければなりません。


 今回のマックスバリュは、労基署の是正勧告後の自主的な社内調査でわかったもので、訴訟ではありませんが、これから未払い残業代請求訴訟のニュースも表に出てくることが多くなるでしょう。


【記事】


 未払い残業代、計2億円超支払いへ マックスバリュ東北


 流通業界大手イオングループのマックスバリュ東北(本社・秋田市)は27日、未払い残業があったとして、従業員約千人に約2億2千万円を支払うと発表した。


 同社は3月、秋田県内の2店舗で未払い残業があったとして大曲労働基準監督署から是正勧告を受け、青森、岩手、秋田、山形各県の全90店舗を調べた。過去2年間で従業員8687人中1009人が未払い残業をし、1カ月間の残業時間は1人あたり平均7.1時間。未払い金は計2億1997万6千円にのぼり、同社は11月末までに支払いを終える予定としている。


   (2010年9月27日 asahi.com)


【記事】


 マックスバリュ東北:大曲福田店と刈和野店の45人に未払い残業200万円 /秋田


 マックスバリュ東北(勝浦二郎社長)は23日、09年11月1日から10年1月20日にかけて、2店舗の従業員45人に対し、残業をしたにもかかわらず賃金を支払わなかった未払い残業が計約1475時間・200万円分あったことを明らかにした。大曲労働基準監督署の指導を受け、社内調査をしていた。


 未払い残業があったのはいずれも大仙市のマックスバリュ大曲福田店と刈和野店。未払い残業は1カ月1時間の従業員のほか、大曲福田店では1カ月に124時間残業していた従業員がいた。同社は他の店舗でも未払い残業がなかったか調査を進めている。


 会見には同社の勝浦社長とイオンの坂野邦雄執行役らが出席。坂野執行役は「経営体制に問題があり、経営陣の力不足だった。深く反省している」と陳謝した。勝浦社長によると、同社は従業員の労働時間を入退社時にカードを機械に通す方式で把握。退社時にカードを通した上で勤務を続ける従業員がいたことなどが原因と説明した。上司による未払い残業の強制はなかったという。


   (2010年4月24日 毎日新聞)