「年金は大幅に減る」 女性の過半数予測、根強い不信 | 職場が元気になるための人事・労務を考える千葉の社労士・CFPのブログ

「年金は大幅に減る」 女性の過半数予測、根強い不信


 公的年金に対する不信感については、性別の違いでそれほど顕著な違いは出てこないように思いますし(あくまでも「不信感」についてです)、男性でも同じような結果が出るのかもしれませんが、女性を対象にした調査ということで、何か意図があるのでしょう。


 男女の違いよりも、世代によって変化が表われてくるのではないかと思います。


 しかし、将来の年金支給額見通しが「大幅に減る」との回答が51%と過半数に達し、どの世代でも「大幅に減る」が50%前後で平均しているというのは、これは全く公的年金は信頼されていないという結果。


 もっとも、経済情勢に関係なく、少子高齢社会であることは誰もが知っているので、「増える」と答える人もいないでしょう。


 「少し減る」「全くもらえない」をあわせれば9割近く。


 もちろん「障害年金」「遺族年金」もありますが、一般に年金の支給見通しと言った場合は「老齢年金」を想定しているわけで、やはり老後の生活は個人でも何らかの準備をしておかないと苦しくなるでしょう。


 せめて払い込んだ額くらいは返ってきてほしいものですが、「老齢年金」に関しては終身年金ではあるものの、保険料納付要件を満たさなかったり、亡くなる年齢次第では、払い損をすることにもなります。


 「年金は税金と同じ…」と言う方もおりますし、「年金が破綻した時は国家が破綻する時…」と言っている方もおります。将来のことなので、実際にどうなるかはわからないのですが、不安であることは確かです。


 冒頭、「男性でも同じような結果が出るのかもしれません」と書きましたが、平均余命の違いがあるゆえ(女性のほうが長生きする)、おそらく男性のほうがもらえる年金は一般的には少なくなる傾向にはあるのかもしれません。(細かく言えば、離婚時の年金分割も一つの要因になる?…離婚時の年金分割に性別は関係ありませんが、あくまでも一般的にということ)


 もし、男性にも同じ調査をした場合、男女の大胆さの違いで「大幅に減る」と「少し減る」のウエイトが若干変わってくるというのはあるのかもしれません。


 投信会社の調査なので、「公的年金は将来は不安という調査結果ですよ。ご自分でも将来に向けて準備したほうがいいですよ!」というツールにはなるのでしょう。


【記事】


 「年金は大幅に減る」 女性の過半数予測、根強い不信


 フィデリティ投信が女性を対象に将来の年金支給額見通しを聞いたところ、「大幅に減る」との回答が51%と過半数に達したことが分かった。公的年金制度は「100年安心」を掲げるが、経済情勢の悪化などで国民の不信感が強まっていることを裏付けた。


 「少し減る」との回答は23%、「全くもらえない」との回答も13%あった。年齢が上がるにつれて「少し減る」が増え「全くもらえない」が減るが、「大幅に減る」はどの世代も50%前後で平均している。


   (2009年5月9日 NIKKEI NET)