ここ数日、労働災害、労働安全衛生法違反のニュースが増えている | 職場が元気になるための人事・労務を考える千葉の社労士・CFPのブログ

ここ数日、労働災害、労働安全衛生法違反のニュースが増えている

 ここ数日、労働災害のニュースや労働安全衛生法違反のニュースが増えています。労働災害は、長期的には減少傾向にありますが、それでも年によっては増えたりすることもあります。


 労働災害、死亡事故は本来あってはならないものです。職場の安全管理の事前徹底、機械設備の使用方法、作業方法についての確認や作業場所の安全確保等、業種によって細かな違いもあるでしょうが、現場の事業者、そして労働者自身が安全衛生管理を意識していなければなりません。労働災害発生時における緊急連絡体制の整備も必要です。


 特に 

 ●製造業、建設業等における死亡災害・重大災害の増加、

 ●仮設物・建築物・構築物等からの墜落・転落、環境等(土砂、立木等)の崩壊・倒壊、

 ●危険物・有害物等による火災等の特定の起因物・事故の型による死亡災害

が増加している印象です。


 また、経験期間の短い労働者の災害の割合が増加しています。雇い入れ又は作業内容の変更時の安全衛生教育が必要となります。時間をかけて、しっかりと安全衛生教育をし、その内容が徹底されるようにしなければなりません。


 人員不足・業務多忙、業務量・生産量の増加等で、安全衛生への意識が不十分となっていることも労働災害の一因といえます。


 熟練労働者の退職等に伴う安全衛生に関する人材の確保や、未熟練労働者に対する安全衛生教育の徹底も含め、労働災害防止対策の徹底が必要となってきます。  事故が起こってからでは遅すぎます。新たな労働災害の発生を未然に防がなければなりません。


【記事】


 水槽工事で1人死亡、救助の1人も重体 一酸化炭素中毒の疑い--沼田 /群馬


 6日午前8時ごろ、沼田市利根町大原の国道120号沿いの工事現場で、防火水槽設置工事中の「オイガミ建設」社長の金子富夫さん(59)=同市利根町老神=が、水槽上部のマンホールから内部に入ったところ、突然倒れた。救助で内部に入った同社社員の長男博紀さん(33)=同=も倒れた。2人は病院に運ばれたが、金子さんは間もなく死亡、博紀さんは意識不明の重体。5日夕から水槽内を乾燥させるため、コンロで練炭を炊いており、一酸化炭素中毒とみて、沼田署は事故原因を調べている。


 同署によると、水槽は箱形で縦5・5メートル、横4・5メートル、高さ2・8メートルのコンクリート製。直径65センチ、高さ60センチの円筒形のマンホールが取り付けられている。事故当時は4人で作業しており、金子さんがコンクリートを固める際に使用した木枠を外すために、内部に入ったところ倒れた。近くで作業中の博紀さんが異変に気付き、内部に入り、続けざまに倒れたという。別の社員が119番通報した。


 事故を受け、沼田労働基準監督署は同日、事故現場を調査。発注元の同市の小池大介建設部長は記者会見し「原因が判明し次第、工事関係者に安全を喚起したい」と述べた。


    (2月7日 毎日新聞)


【記事】


 工務店の代表者を書類送検 京都南労基署 転落防止措置怠たる


 京都南労基署は6日、京都府木津川市の民家改装工事で転落防止措置を怠ったとして、労働安全衛生法違反の疑いで、同市の工務店の代表者(64)を書類送検した。


 労基署によると、昨年10月に屋根の上で作業していた工務店従業員の男性(63)が約2・5メートル下のベランダに転落し、頭などを打って死亡した。代表者は転落防止のために手すりを設けるなどの措置を怠った疑い。


   (2月6日 京都新聞)


【記事】


 アスベスト:石綿除去訴訟 「裁判所が同僚救って」-初弁論で西成の労働者 /大阪


 ◇被害実態を陳述


 JR車両の吹き付けアスベスト(石綿)の除去をして石綿肺になった大阪市西成区の下請け労働者2人が元請け会社の明星工業(西区)を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日、大阪地裁で開かれた。原告の竹中正年さん(60)は「私が誘い、一緒に除去をした同僚は苦しんで死んだ。思い出すとつらいが、西成から多くの日雇い労働者がJR車両の石綿除去にかかわっており、裁判所が同僚たちを救済してほしい」と意見陳述した。


 訴状などによると、竹中さんと明石多輝也さん(64)は87~94年、JR西日本が発注した石綿作業に従事。2人とも、石綿肺と合併症で労災認定された。被告が安全配慮を怠ったとしている。


 被告側は答弁書で事実関係は調査中としている。


 竹中さんは意見陳述で「私たちが働いたのはJR西日本の五つの工場だったが、日本全国には同じような工場がもっとあるはずで、同様の仕事をした人たちにも石綿の被害のことを知ってほしい」と話した。


   (2月5日 毎日新聞)


【記事】


 労災で書類送検 労安法違反の疑い 甲賀のNEC子会社


 昨年6月、滋賀県甲賀市水口町日電のNECライティング滋賀工場で派遣工員の男性=当時(20)=が機械の修理作業中に首を挟まれて死亡した事故で、東近江労働基準監督署は5日、労働安全衛生法違反の疑いで同社と常務工場長(60)、安全管理義務を負う製造部マネジャー(54)を書類送検した。


 調べでは、同社は同法の労働安全衛生規則に違反し、機械を止めずに修理作業に当たらせたほか、この機械を同署に届け出ないまま設置した疑い。


   (2月5日 京都新聞)


【記事】


 足場から転落死 業者らを労働安全衛生法違反疑いで書類送検 和歌山労基署


 安全な足場を組まずに作業員に作業をさせたことが転落死亡事故につながったとして、和歌山労働基準監督署は4日、労働安全衛生法違反の疑いで、大阪府泉大津市内の塗装業の男(39)と男に工事を依頼した建築工事会社社長(46)=堺市=を和歌山地検に書類送検した。


 調べでは、2人は昨年11月22日、和歌山市紀三井寺で行っていた店舗改装工事の際に、作業床を設置していない丸太の足場で、作業員の男性=当時(38)=に作業をさせた疑い。男性は約4・6メートル下に転落し頭を強く打って死亡した。


   (2月5日 産経新聞)