クロさんのパパ | 自然の力はプライスレス

自然の力はプライスレス

まりんとの生活っぷりなどなど。

クロさんのパパは、どんな犬達からも好かれている。 愛されているという言葉の方が適切か。。。

決して怒鳴らない。殴らない。なのに、気が付くと、公園に居る犬達は、クロパパさんを中心に集っている。

私は彼を、砧のムツゴロウさんと呼んでいる。

パパさんは、隣に居る私に聞こえる程度の小声で、コラ、来い、そう呟くだけで、クロさんは100mも200mも離れた所から飛んでくる。

イケナイ、と小さい声で呟くだけで、はいはい、すんません~、とクロさんは気になるものの臭い嗅ぎを止めてしまう。

あちこちに転々と移り住んでいたワイマラナーのジルは、声帯を切られ、爪は伸び放題、ニンゲンに不信感露わの状態で武蔵家に貰われて来た。

武蔵ママは大変そうにしていたが、クロさんのパパとはすぐに打ち解けていた。
口にくわえたボールをガッチリ噛んで離さない時も、イケナイ、と小さく低い声で睨まれるだけで、頑張るのを止めてしまう。
最初は触らせなかった体も、いつの間にかパパさんに前足を持たれても喜ぶようになっていた。

まりんに至っては、一週間に何度も会えない気持ちが募るからか、まるで恋しているみたいに目がドキドキになっている。
私が10回も投げれば飽きた素振りをするボール投げも、同じボールなのに、クロパパが投げると、スライディングの一回転しながら嬉々として延々取りに行く。
パパに褒められたい、全身でそれを語っている。

クロパパが小さい声で「来い」とクロさんを呼んだ時、まりんも呼び戻そうと「こら!来い!」と腹の底から怒鳴った。
まりんは、大急ぎで。。。クロパパさんの所に戻って来た。。。しょぼん

だってママ怖いんだもん~~、とクロパパさんを盾にしながら私を上目遣いで覗き見。。。

クロママさんは、そんなまりんを見て、「うちの子みたいだね」と笑っている。
近所の子達と遊んでいると、クロ家の娘の4歳の女の子は、友達のママさんの所にばかり行くんだそうだ。
だってママ怖いんだもん~、と言っているそうだ。
おしめ替えて、寝ずに育てて、全ての最優先にしている子供に言われるとがっくりする、と笑っている。

ニンゲンは、犬の脅威になれば絶対的アルファになれるのか。

答えは、NOである。