ライムスター宇多丸が選ぶ アイドルラップソング TOP10 | 留宇のブログ

ライムスター宇多丸が選ぶ アイドルラップソング TOP10

TBSで深夜に放送していた
「ランク王国」スペシャルの一企画。

この番組、録画したついでに
音楽と宇多丸さんの説明が被ってて聞き取りづらいところがあってご不満な方々が
一人や二人はいるだろうと勝手に思いまして文字に起こしてみました(;^_^A

まあ、Perfumeだけじゃなくて、
オススメしたい要素が山ほどあるし、(余計なお世話だけど)補足したいなという部分もあったので
自分の勉強ついでにやった次第です。

始めに言っておきますけど
ボリューム満点ですからっ!
(;´▽`A``


以下、緑色のテキストは宇多丸さんのコメントです。
(※少々読みやすいようにコメントを変更しています。)

どうも、ライムスター宇多丸です。

今回、なぜアイドルラップという括りで選ばせて頂いたかといいますと・・・

アイドルの魅力とは、
非常に造り込まれたウソのキレイな世界。それがアイドルなんですけど
そのウソがほころび、隙が出て愛かれアイドルの素がでちゃう瞬間こそが魅力なのです。

そこで、アイドルに「ラップ」というものをさせた時、
一番アイドルのほころび・隙が出やすい!

という意味で、
アイドルの魅力が一番出やすいのはアイドルラップである!

・・・ってことでベスト10、選ばせて頂きました。



第10位
『どーした!安達』
安達 祐実

$留宇のブログ-どーした$留宇のブログ-こーした

1994年発売のシングル
当時12歳の安達祐実が歌う
進研ゼミ小学生講座 CMソング



ご存知、安達 祐実ちゃんが子役として大ブレイクした時に出したシングル。

このラップ、何がスゴいかといいますと「どーした!安達」と言ってるように、
安達祐実さんが、実在の本人の立場で早熟な子供の苦悩を、自分の固有名詞を出して歌うというところが
ラップのスタンスとして非常に正しいですし、
所謂、(95年頃に)日本語ラップが定着するまでのアイドルラップとして珍品!オススメです!


過去にTeknocchidelicさんがイチ推し、いや日本最強ラッパーとまで称えたラップソング。
http://ameblo.jp/cosmic2111/entry-10082140242.html

子供ながらに高い演技力は、そのまま「豊かな表現力=巧みなラップスキル」に繋がっている秀作といえます。

今は、バツイチ子持ちなんて全く想像できなんだ。


第9位
『恋愛15シミュレーション』
星井 七瀬

恋愛15シミュレーション (初回限定盤)(DVD付)/星井七瀬

¥1,500
Amazon.co.jp

2003年発売
サントリー「なっちゃん」のCMで
一躍有名になった星井七瀬のデビュー曲。



全編ラップの曲です。
非常にビートが遅く、非常にまったりしたちょっと奇妙な表情のラップを乗せた面白い曲です。
あと、星井 七瀬さんが要所要所でラップの歌詞の中に出てくる英語の発音が非常に巻き舌でイイ。
そのあたりがちょっと異様な印象を残すカイ曲となっております(黒笑)


こちらも、Teknocchidelicさんが過去のブログで日本No.2ラッパーと称した曲です。
http://ameblo.jp/cosmic2111/entry-10084100285.html

宇多さんとの順位の相違は、アイドルラップとしての視点。
つまり、「ほころび」の着目の違いだと思いますのでどちらが良とするかは問題ではないでしょう。



第8位
『SUPER GIRL』
Folder5

SUPERGIRL/Folder5

¥1,050
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元は三浦大知くんという日本のマイケル・ジャクソンと呼ばれる現在活躍中の天才少年シンガーを擁する「Folder」というグループ。
そのグループにて彼が抜けて、「Folder5」という女の子グループになったのですが、



ハイ、この1:58付近から始まるラップ部分なんですけど、
575調ではあるんですけど、女の子達がこの調子で強くラップすると萌えてくる!

で、この間に今現在若手No.1女優として知られる満島ひかりちゃんが入っている!
満島ひかりのラップが聴けるのは
Folder5の「SUPER GIRL」だけ!
このあたりも売りとなっておりますっ!


宇多さんらしい己の好みを全面に押し出した選曲です(笑)
でもこの人、映画の活躍はもちろん「モテキ」の熱演とかほんと存在感が半端無いです。
絶対に良い女優さんになると思います。



第7位
『行くぜっ!怪盗少女』
ももいろクローバー

行くぜっ!怪盗少女(通常盤)/ももいろクローバー

¥1,000
Amazon.co.jp

ももいろクローバーのメジャー1stシングル
ランク王国の2010年4・5月オープニングテーマ



動画の冒頭部分からでも分かるように、
のっけからユニゾンラップで攻めてくる。
そして、メインのパートでもラップ的な譜割にちゃんとなっている。
ちょっとピンクレディーの「ウオンテッド」を思わせるようなフィクショナルな設定と
ちょっと語り的なラップが入るという・・・
この曲は振り付けも含めて今までのいろんなアイドルソングの歴史の集大成的な曲になっていて、
素晴らしい曲が出てきたと思います。お見事です!


MJでのパフォーマンスがインパクト大だったのは記憶に新しいところです。

賛否(好み)が激しく分かれる曲ですが、
個人的には彼女達のライヴパフォーマンスの為だけに生み出された
他者のマネを許さない非常にパーソナル色が強い熱意と引力に好感が持てます。
万人向けではない。個性が強い楽曲故に宇多さんにもラップ部分は好意的に受け取られやすかったのでしょう。



第6位
『青春時代1.2.3!』
プッチモニ

青春時代 1.2.3! / バイセコー大成功!/プッチモニ

¥1,020
Amazon.co.jp

2000年発売
モーニング娘。からのグループ内ユニット
「プッチモニ」の第2弾シングル



つんくさん率いるハロー!プロジェクト。
ハロプロの中でけっこうラップ曲っていっぱいあるんですがその中でも代表的なものといえばこの曲。
僕みたいなプロの男の厳ついラッパーがするラップとは違う、アイドルがやるラップならではの旨味みたいなのをよく分かっている。
ラップとジャズの融合というものがこういう曲調になってくるというのが、つんくさんはやはり天才だと思います。


第5位
『HEY MR.DJ(for super generation)』
momonaki

$留宇のブログ-momonaki

中学生3人組ガールズユニット
「momonaki」の2ndシングル
北海道地区のローソン限定で発売

この曲は『Zhane』というアメリカのR&Bグループの1993年ヒット曲のカヴァーなんですけど



で、途中で、『Naughty By Nature』という当時アメリカで人気だったラップグループのラップをmomonakiの女の子達が完コピし(ようとし)てるんです。日本語で!



本来プロの強面の黒人ラッパーがやっているラップを
日本の女の子がちょっとヘナチョコな声質なんですが、頑張ってそれを完コピしようとしている。
この辺りに「完成度の中のほつれ」。アイドルラップの魅力が詰まっている!
これはまた珍品ですね~。


momonakiはももクロと同じ、スターダスト事務所所属。
今年の1月末頃に石井杏奈さんのライヴを見に行った時に、momonakiのライヴを観たことがあります。
(あの時はなぜかソロでしたが・・・^^;)
http://ameblo.jp/chavex/entry-10447020535.html

あの時聴いたボーカル力は非凡。
今回聴いたラップもアイドルといえどかなり耳に馴染む仕上がりだと思いました。

no more e(ry



第4位
『ワック♪ワック♪B-hack』
B-hack

SR2 サイタマノラッパー2 ~女子ラッパー☆傷だらけのライム~O.S.T./サントラ

¥2,000
Amazon.co.jp

現在公開中の「サイタマノラッパー2 女子ラッパー★傷だらけのライム」という素晴らしい映画なんですけど
「B-hack」という架空の女の子ラッパーグループ5人組がいまして、
夏のプールで営業を無理矢理させられるという場面・・・。

「~無理矢理させられるという場面」・・・これが萌えポイント。『やらされている萌え』。
そして、チームの『グループ萌え』というのがありながら、
その後仲間割れをするという『仲間割れ萌え』というのもあるという・・・ということでB-hackを選ばせてもらいました。


たぶん、この映画の紹介がしたくて宇多さんはこの仕事を引き受けたと思うのは自分だけでしょうか?

あの、ホントに面白い映画なので是非観て下さいっ!

「Beck」よりも感情移入度は遥かに高いし、
「SATC2」なんかよりも異常なほど身近に感じるし^^;
長回しの緊張感や人によって捉え方が異なる感動は商業主義の映画では絶対に味わえません!

・・・

しかし、このプールサイドのシーン、
今回記事には載せてないですけど、テレビでは垂れ流し・・・
このイタイタし過ぎるシーンが物語のキモなのに(・ε・)
(だからといってネタバレってほど面白さが損なわれるわけじゃないけど・・・)

っていうかロングショット主体のシーンだから彼女らの表情が全く見えてないのもアレだよな~(´_`。)
音質も二の次だし・・・

というわけで、高音質っ!(一応)


日本では皆無といっても過言ではないほど希少過ぎる存在の女子ラップグループ5人組。
日本語ヒップホップの歴史を踏襲しつつ、架空とはいえ、敢えて生み出したその製作者の挑戦する志と
メンバーの女の子の魅力を引き出すリリックやトラックの完成度の高さは間違いなく上位に値すると思います。



第3位
『5 on 5』
carezza(カレッツァ)

5 on 5/carezza

¥1,500
Amazon.co.jp

野田社長(サンズ)率いる女子フットサルチーム carezzaのデビュー曲。



2005年に出したCDなんですけど
これ、ラップしている小島くるみさんはニューヨークからの帰国子女なんですね。

なのでラップが所謂日本人ラッパーとは違った意味で、すごく独自のグルーヴを持っていて
ハッキリいって無茶苦茶巧い。
何か日本人ラッパーが進化させてきたラップとはまた全然違う系統の巧さなんです。

小島くるみさん。日本語ラップ史上でもかなり巧い方だと思います。



第2位
『575』
Perfume

VOICE(通常盤)/Perfume

¥1,000
Amazon.co.jp

8月11日に発売されたばかりのシングル「VOICE」のカップリング曲。


まあ、そりゃPerfumeがね。ラップしたらそりゃ私、宇多丸は大喜びするに決まってるというね(照)

プロデューサーはご存知、中田ヤスタカさん。
capsuleという素晴らしいグループをやっている方ですけど・・・

Perfumeがラップやったらどうなるか?という時に
所謂日本語ラッパーがやるような「巧い」ラップではなくて、
「アイドルがラップをやる」ならではのトキメキであったり、萌え感であったり、
あるいは先ほどから言ってるように隙、ほつれの部分ですね。
このあたりをちゃんと残して、それでいてちゃんとカッコいい曲に仕立て上げるあたり、
やはりですね。中田ヤスタカさんというプロデューサーは
本当によく「わかっている(理解している)」と思いました。

Perfumeのラップ、満点ですっ!(.●_●)b (目は血走っていると思われ・・・)


宇多さんの評価がすごく気になっていましたが
大方の予想通り(笑)、手放しで喜んでいましたね~

僕は当初、中田さんの作り込みに抵抗感を感じていましたが
視点を切り替えればどうってことありませんでした(^_^;)

やっぱりこの曲掛け値無しに面白い!

ここまで他のアイドルラップ曲と聴き比べてみても
やはり、Perfumeの曲の完成度って相変わらず高いレベルにあるな。と再認識。



第1位
『BE HAPPY 恋のやじろべえ』
タンポポ

BE HAPPY 恋のやじろべえ/タンポポ

¥1,020
Amazon.co.jp

2002年発売
石川梨華、紺野あさ美、新垣里沙、柴田あゆみの4人体制時のシングル。



所謂ハロー!プロジェクトのラップの中には素晴らしい曲がたくさんあるんですが
このアイドルが、女の子がやるラップじゃないと出せない「何か」というのが
これ以上正確に表現した曲を私は知りません!

これと同じような感じを例えば、
私とかEminemが表現できるか?といったら絶対無理なわけです。

これこそアイドルラップの醍醐味が詰まった曲です!
第三期タンポポ、唯一のシングルですっ!

第一位っ!!(さらに目は血走っていると思われ・・・)


宇多さんの当時のハロプロへの不満が垣間見える語り口でしたがPVを拝見したら一位は納得です。
この頃、僕は紺野あさ美は結構ツボだなあってボンヤリ思ってました^^;


ハイ。
と、いうことで私のコダワリのアイドルラップベスト10。
如何だったでしょうか?

私が皆さんに言いたいことはただ一つ!

アイドルがラップをしていたら即買いっ!

以上、宇多丸でした。


放送上の宇多さんはコメントの尺が短く伝えたいことの半分も満たずヤッツケ仕事みたいなテンションでしたが、
宇多さんのコダワリ部分は十分伝わるランキングだと思いました。


最後まで読んでくれた人へ

偏った視点、特異な嗜好と感じる方もいらっしゃるかとは思いますが
ラップの面白さのわずかな片鱗でも、この記事にて体験して頂ければ幸いです。

ありがとうございましたm(_ _)m