映画『SR サイタマノラッパー』を観て | 留宇のブログ

映画『SR サイタマノラッパー』を観て

2009/04/12(日)
埼玉県深谷市にある深谷シネマ http://fukayacinema.jp/に行ってきました。

留宇のブログ-深谷シネマ

お目当ては
宇多丸師匠が自らのラジオ番組にて大絶賛した映画 『SR サイタマノラッパー』


『SR サイタマノラッパー』とは? → [STORY] http://sr-movie.com/story.html

予告編 (1:42)



先日の申し訳OVERGROUNDで遭遇したSRクルーと宇多丸師匠の邂逅。
http://ameblo.jp/chavex/entry-10238475592.html
http://ameblo.jp/chavex/entry-10239788246.html


そんな状況から興味を持って望んだ今回の映画鑑賞。

久々に自分の人生に楔を打ち込む映画を観ました。


早速感想を書こうと思ったのですが
その前に宇多丸師匠の批評を改めて聴いてみました。

・・・

やっぱりこの人、凄過ぎる!

自分が考えてたこと、言いたいことをほとんど喋ってくれました^^;
しかも自分が気付かなかった細かな指摘(映画としての欠点も含めて)もズバリ納得の説明・・・

ダテに毎週映画を1本以上批評してません。
「シネマハスラー」が素晴らしいのは必ずリスナーの賛否両論を紹介してから師匠が評論に入るところですね。
意見が偏らないように間口をきちんと拡げてた上で師匠が独自の意見を述べるんです。

改めて恐れ入りました。



では、簡単ですが感想を・・・
(宇多丸師匠と似ている部分がありますがあえて書きます。)


一人ひとりのキャラクターがかなり個性的で際立っています。

現実世界のどこかにこういう奴、必ず身近にいるハズだと思わせる
登場人物らの飾らない演技がこの作品に確かな説得力を持たせています。

主人公のIKKUは自分の近況に近かったので感情移入はかなり容易でした。
特に伝説のトラックメーカー T.K.Dさんは存在だけで笑えます(^o^;)
不謹慎極まりないかもしれませんが、あえて面白かったと言いたいです。
みひろさんも侮っていましたがかなりの好演でした。


前半の山場。
公民館のシーンはかなり面白かったです!

ひょんなことで主人公率いるメンバー3人が
公民館で市民の皆さんの前でミニライブと会見をやることになるのですが・・・

「NNNドキュメント」とか「NONFIX」みたいなドキュメント番組みたいな雰囲気で
繰り出されるメンバー3人と公民館に集まった市民の皆さんとのギクシャクしたやりとり。

その特異な状況で脆くも崩れ出す3人のチームとしての足並み・・・

大爆笑ってわけじゃないですが、このシーンの笑いってかなり上質。
笑わずにはいられませんでした。

芸人のような勢いの一発ギャグとか、シュールで不条理な笑いでもなくて
職業や立場が違う人達が織り成す「模様」だけで
笑いを作り出したところが自分にとって新鮮でした。

笑いだけじゃなくて後半に繋がる苦悩や劣等感もイタイほど伝わりましたね。

・・・

そしてラストシーン。
ココで僕は十分胸が熱くなったのですが・・・

突然のエンドロールで流れる「俺らSho-Gung ~サイタマノラッパーのテーマ~」を聴いて
「物足りなさ」が徐々に「感動」に変わり、さらに胸が熱くなった人。

は~い(^O^)/


じわじわと時間が経つごとに
主人公らの今後を考えれば考えるほど、どんどん感動は大きくなる。

今まで観てきた映画の中には無い初めての感覚でした。
こういう終わらせ方もあるのか(ノ゚ο゚)ノ

すごく感心しました。


・・・が

日本語ラップを知らなかった人にはどう映ったのかな?
知らなくても感動できる場面なのかな?(-"-;A

今回の上映では
ヒップホップの世界とはほど遠い老若男女の方々も
たくさん来ていたのでそういう人達が
どう捉えたかというのがちょっと気になりました。
みひろさんのあのシーンだけで確実に観れる年齢層を引き上げますが・・・^^;)

もし、響いたとしたら、僕はかなり幸せです。(製作スタッフじゃないけど^^;)
製作に関わった人達はもっと嬉しいですよね。



僕はこの映画が
(MC韻神じゃないけど)日本語ラップの世界を語る映画のパイオニアとして
存在するべき作品だと思いました(僕が言っても何の効力もありませんが^^;)

今後出てくるであろう日本のヒップホップを語る映画は
必ずこの作品が引き合いに出されるであろうと思います。

そして、映画素人の自分でも指摘できるほど「欠点」が多い映画だとは思いますが
(※ 師匠がラジオで指摘してるのでここでは省きます)

それを凌駕するほど、映画としての魅力や訴求性は(主人公と僕の近況が近いというのを差し引いても)
非常に熱いものがあると思います。


頭の中で映画のキャラクターが勝手に生きている・・・。
それを応援せずにはいられない自分がいる。

それほど印象深い作品でした。


ここまで読んでいただいた方、稚拙な文章にお付き合い頂き、
誠にありがとうございました。


もし、機会がありましたら是非、面白い映画なので観て下さい!
ヒップホップに興味ある人ならば、観た後は必ず語らずにはいられないハズです。

観た後は、師匠の評論も聴いてみて下さいね。

「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」
ザ・シネマハスラー『SR サイタマノラッパー』批評
【音声】 http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20090321_hustler.mp3

「映画として欠点を指摘することは出来るが、それでもこのラストシーンは『8mile』を超えている」

その通りだと思います。

ちなみに師匠の批評で問題視された「MC韻神」については入江監督に直接教えてもらいました。
納得です!スッキリしました(・∀・)


留宇のブログ-深谷シネマにて
2009/04/12 深谷シネマにて
左から IKKU役 / 駒木根隆介さん、留宇、TOM役 / 水澤紳吾さん、MIGHTY役 / 奥野瑛太さん