『人道は盈(えい)を悪(にく)みて謙を好む』
―人道悪盈而好謙―

<易経>
 「盈」のもともとの意味は、「満つる」で、満ち足りた状態、昇りつめた状態をいう。
 
 ここでの「盈」はさらにそれから派生して驕慢(きょうまん)とか傲慢(ごうまん)という意味で使われている。

 「謙」は、謙虚といった意味。したがってこの言葉は、「驕慢を憎んで謙虚を好むのが人の道だ」となる。「謙を好む」のは、人の道だけではないらしい。『易経』はこう語っている。

 「天道は盈を虧(か)きて謙を益にし、地道は盈を変じて謙に流(し)き、鬼道(きどう)は盈を害して謙に福(さいわい)す」

また…

 「謙虚な心はおのずと言動に現れる。この心を失うことがなければ、吉」

 「すべてに謙虚の心で処するならば、法度にしたがうことなく、万事順調である」

※ まさに、「謙」なる者は幸いなる哉だ。世に処するにはすべからく「謙」を旨としたいものだが、とくに人の上に立つ者ほど、これを忘れてはならない。

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