『小人の過ちや必ず文(かぎ)る』
―小人之過也必文―

<論語> 
 「文る」とは、表面を取り繕うことである。だから、「小人は、失敗をやらかすと、取り繕うことばかり考える」となる。孔子の弟子の子夏という人物が語った言葉だという。

 「文る」ことが何故まずいのか。第一に、どうしてこんな失敗をやらかしたのか、その原因を究明しようとする姿勢に欠けるので、二回、三回と同じ失敗を繰り返す恐れがあること。第二に、失敗したことに対する反省がないので、人間としての進歩も向上も期待できないことだ。

 むろん君子にも失敗はある。しかし、君子はかりに失敗をおかしても、気づいたら即座に改め、つねに反省を怠らない。だから、同じ失敗を繰り返さないのだという。やはり孔子の弟子に會子(そうし)という人物がいるが、この人は、「吾、日に三度(みたび)吾が身を省みる」と語っている。

※ われわれも、月に一回くらいは、「吾が身を省みる」という時間を設ければ、人間としての進歩・向上が期待できる。かも…

茶臼山古墳的 日々是好日-7ns_05009888
 中国古典一日一言 (PHP文庫 モ 1-4) [文庫]
 守屋 洋 (著)
 文庫: 409ページ
 出版社: PHP研究所 (1987/12)
 ISBN-10: 4569563805
 ISBN-13: 978-4569563800
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