映画 『空気人形』 | 映画 本 そして コーヒー

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お勧め度  星星星星星

ファミレスで働き、ボロボロのアパートに一人で住む秀雄。
彼は、職場での愚痴を聞いてくれたり、一緒に食事をしたり,
もちろん、夜にはベッドでエッチをする相手がいた。
その相手とは、ラブドールだったのだ・・・


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ラブドールが心を持ち恋をする物語です。
しかし、ファンタジーではなく、人形が心をもったからこそ見えてくる世界を
非常にうまく巧みに表現した部分を多く含んだ作品になっています。
映画『 空気人形 』非常に切ないですが、素晴らしい作品です。


人形が心を持って、恋に落ちる。
このように書くと、ファンタジーラブストーリーだと思いませんか?
いえいえ、この作品は、まるっきり違うんですよ。

 「私は心をもってしまいました。もってはいけない心をもってしまいました」

この一文が非常にこの映画を表現しているように思います。
もともとは中には空気しかはいっていなかった人形です。
その人形が心を持ち、人と人との繋がりの中に身を置くことで、
代用としての存在から必要とし必要とされる存在へと変わるはずだったのに。
しかし、分かってくるのは、人間が持っている心の中にあるからっぽな部分・・・
まるで、それは、人形の空気のようなものかもしれません。
そのからっぽな部分を本来ならば、人との繋がりで満たすべきものなのに、
人との繋がりは、時に傷つけ、傷つけられることもあるものです。
それが嫌で、食べ物や2次元のアニメ、人形などで満たそうともします。
この映画は、都会に住む人々が持つ孤独感をうまく表現していると思います。
途中で「面倒くさい」という言葉が出てくるのですが、
自分の胸に突き刺さってしまいました。
あー、自分にも同じような感覚があるんだってことに気づかされました。

誰にでもオススメできる映画ではありません。
でも、非常に素晴らしい映画だと思っています。
人形が心を持つ、この時点で、現実ばなれしているのですが、
その心をもった人形が見る人間の世界は、非常にリアルなものがあります。
心の深い部分を突付かれる映画に興味がある方、
哲学的な部分が含まれている映画がお好きな方、
是非、ご覧ください。









映画 『 空気人形 』のオフィシャルサイトはこちらです。

監督 : 是枝裕和
脚本 : 是枝裕和
出演 : ペ・ドゥナ / ARATA / 板尾創路 / 富司純子 / オダギリジョー / 余貴美子



この映画の出演者の皆さん、全員がはまり役でした。
これほど違和感なく観られた映画は久しぶりで、
オダギリジョーさんは、神さまのように感じましたよ。

こちらが原作のようです。
自分は読んだことがないのですが、非常におもしろそうですね。
買って読んでみようと思います。

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