小さな花と大きな木☆パリ帰りグルメ猫とピアノ日記 in 宮崎-ピクチャ(jpg).jpg
前回記事はカルチャーショックなどと言いながら、単なる食いしん坊話みたいになっちゃいましたが今回こそは文化的な(多分(^_^;))お話です。最近読んだこの本。凄く共感、納得する事がいっぱいでした。
◆お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人
吉村葉子著
講談社文庫



長年フランスに住む著者が様々な視点から、物質的に豊かな日本の問題点を、フランスと上手く比較しながら書いています。
フランスと言うと、とてもお洒落なブランド物や香水、贅沢なフランス料理等を思い浮かべがちですが、一般のフランス人は日本人よりもずっと質素。どちらかと言えばケチケチする事に喜びを見い出して居ると言ってもいいほど!かなりお金の話も(アレが高いの安いの、ナンボ得したのと言う話(笑))好きです。



まず、ブランドなんて普通はまず買わない!買うのはよっぽどの階級、社会的立場にあるマダムぐらい(あと娼婦もと言う話もありf^_^;)です。日本のように10代や20代の女の子がブランドだなんて有り得ません。ルイヴィトンのお財布にバッグ、カルティエの時計にセリーヌのスカーフにフェラガモのお靴、なんて言うような滅茶苦茶ブランドオンパレードの(笑)格好をしている人もフランス人ではゼロと言い切れます!だいたいアジア人に多いようです。



フランス人には、水を飲んで暮らしてもブランド物を買うなんて言う発想は無いし、理解も出来ないようです。そう言う物が似つかわしい立場や年齢に無ければ、身に付けるのはオカシイし恥ずかしいと思い、また自分のスタイルやポリシーを強く持っている人が殆んどなので、ブランド物に頼る必要も無いのです。だから千円のスカーフにセールのセーターにパンタロンでもカッコイイ☆
アニエスbはそんな中から生まれたデザイナーとして有名ですね!私のパリでのピアノの先生も、名実共に素晴らしい方でしたが、ボロボロになったバリーのバッグを“私はこれが好きだから!”と大事に大事に持たれていました。



これはフランスに限らずヨーロッパ全土で同じです。フランスより更に質実剛健なドイツでは、私の友人が高校時代に音楽の講習を受けに行った時、ルイヴィトンの財布を出す度に周りの人がビックリ仰天した顔で大注目するので、恥ずかしくなって隠してお金を払うようになったそうです。他のドイツ留学した友人は、レッスンの時にちょっと派手なワンピースを着て行ったら先生に“あなたは今日、開けるタンスの引き出しを間違えてしまったのね。”と言われたとか(^▽^;)
ともかくあちらの人達はシックで大人っぽくて、チャラチャラした格好はあまりする人が居ないので、日本人の女の子の着せ替え人形のような華美なお洒落は目立って見えるのでしょう。本当は奇異に見えているのかなぁ?パリに住んでいると、同じ日本人でも観光客と在住者の違いが直ぐに解ったりする事があるのはそのせいもあるのでしょう。



服飾だけでなく、食べる物、家具、そう簡単に買ったりしません。出来るだけ自分で作る!が基本。高級菓子店で買い物をしている人の大半が日本人だったり(私もその一人だったけど(笑))。
家具も作るの大好き!ブリコラージュ=日曜大工の店は大にぎわいです。棚でも家の改造でもたいていの事は自分でやります。



洋服などの持ち物にしても、次々と新しくとっかえひっかえするのって何だか嫌いです。友達や恋人とか、人間関係でもそう言う事が影響しているような気がします。古くなっても大事に大事にして、簡単に新しい物に変えたりしない。そんなのが私は落ち着きます。会う度に、車が変わり、付き合っている人が変わり(^▽^;)、髪型も時計もバッグも服も総入れ替えしていたりする人を見ると不安になってしまいます。



何でもお金で買おうとして、買っても買ってもまた欲しくなる社会とそれに踊らされる人々。ブランド物を身に付けて、全身を鎧のようにブランドで固めないと不安な人々。文化の無さ、心の豊かさが無いほどに、それを補うが如く買い物に躍起になって行く哀しさ。自分自身、心が貧しい時や、忙しい時に不必要に買い物をしてしまったりします。精神的に不安定な人が買い物依存症になるのも同じことでしょう。



何も買わなくても自分で何かしら作り出せる、物では無い本当の豊かさがある、それに気付き社会が変わる日が来るのでしょうか?
足るを知るとはちょっと違いますが、もっと積極的な節約術、学ぶべきところがあります。そして、フランスが決しておフランスざんす!な、お綺麗ちゃんでは無い深い魅力の溢れた国だと広く知って欲しいなぁ、と思います☆

クリスマスや年末年始のバーゲンで買い物に走り過ぎた自戒も込めての記事でした。
寒いですが皆さま楽しい3連休を~\(^ー^)/