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残暑お見舞いに知り合いの方からとらやのお菓子が届きました。とらやなんて何だか久しぶり! 改めて味わうとさすが老舗、本当に美味しいです。子供の頃、叔母が毎年送ってくれていたとらやの黒砂糖を使った羊羮は、昔はあんまり好きでは無かったけれど、今食べてみると深い味わいはどこか上質なチョコレートを思わせます。
洋菓子好きな私ですが、ここ最近は美味しい和菓子に熱いお茶もいいなぁ、と思うようになりました。疲れた時に、苦い煎茶をすすりながら和菓子を食べると何だか癒されます。(←ちょっとババくさ(笑))
和菓子って日本が誇るべき素晴らしい文化と歴史、情熱が結集しているんだなぁ、と思うようにもなりました。



私の生まれ故郷、石川県の金沢は言わずと知れた優れた和菓子の多い町。特に老舗森八(もりはち)の和菓子は子供心にも“これは他とは違う!”と思ったものです。選りに選った小豆と砂糖を丹念に練り上げた餡は、やはり何故か深みのあるチョコレートを思い出します。金沢名物の金箔を施した美しい和菓子など、フランス時代にお世話になった私のピアノの先生が狂喜したワケです(^w^)(ちなみに我が恩師の美しきマダムが一番喜んだのは“栗きんとん”でした!他の人に“中にマロンが入っててね、甘過ぎず、そりゃ~美味しいのよ~!”と言っている現場を偶然目撃して笑ってしまいました(笑))



お茶で供されるような水菓子なんて、あんなに小さな中に宝石のような美しさがちりばめられて居ますね☆とらやのしおりにも書かれて居ますが、和菓子は五感の総合芸術と言います。

視覚―美しい情景を思い起こさせる姿。

聴覚― 趣深い優雅な菓銘の響き。

嗅覚― 和菓子に包み込まれたほのかな香り。

味覚― 口に含めば広がるまろやかな美味しさ。

触覚― 楊枝で切る時の感触、舌ざわり。


五つの繊細な感覚が重なり合って、小さな和菓子に大きな広がりが生まれるのです。
(とらやのお菓子のしおりより引用)



確かに和菓子は、洋菓子よりも小さいし、洋菓子のように旬のフルーツをそのままタルトや飾りに乗せるようなワケにもいかないし、それでいて四季を感じさせたりするのは素晴らしいと思います。
和食は、刺身や焼き物、煮物などと、割と素材をそのまま生かす料理法が多いのに和菓子はどちらかと言うとフランス料理のよう! 丹念に出しを取って作るフォンドボーや、趣向を凝らしたソースや飾り付けは、小さな和菓子に凝縮させる工夫と似ているかもしれません。



パリにもとらやパリ店がありましたが、駐在員の奥様などが“ああら奥様、ボンジュールざぁます~。”とでも言って集っていそうで、学生の私にはやっぱり敷居が高いと言う感じで遂に行かず仕舞いでしたが、パリとらやオリジナルマカロン等を食べ逃したのは今思うとちょっと惜しかった!
今年の秋は抹茶と和菓子でゆったり過ごす時間が持てたらいいなぁo(^-^)o