今日の記事はカイリーのインタビュー(抜粋有り)です。お分かりの通り、まだカイリー病を抱えたままブログ運営をしていますので、モデルファンの方々はしばしご辛抱下さい。今回紹介するのは2010年のイギリスのスタイリスト誌からのインタビューで、誌内の写真は同時期にUK VOGUEで撮られたヴィンセント・ピータースによるものです。ヴィンセントはカイリー御用達のフォトグラファーのようで、“Light Years”と“Fever”という黄金期の2つのアルバムのジャケット(アルバムから出たシングルも含む)を撮り下ろしてるんです。雑誌でも一緒に仕事をすることが多いですね。ヴィンセントの艶かしさがカイリーにぴったりだし、Can't Get Out of My Headのジャケなんてカイリー史上最高だと思います。
あぁ、ヴィンセントとカイリーについてはまた後日。
『WHEN STYLIST MET KYLIE』 June 2010
Credit:UK Stylist Magazine
Source:kylie.com.br
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『Aphrodite』は11枚目のアルバムとなりましたね。
―どうやってそんなことできたのかしら?本当に…?
もう23年間も音楽を作ってきてますが、どのようにインスパイアを得るのですか?
―今ではもうDNAの一部だと思うわ。だって“私は一体何をしてるの?”って思ったり、“また面倒くさいことになってるわ!”だなんて笑ってるときもあるんだもの。でも大抵は自分のやりたいことをやっていると感じているわ。
もう自分も業界のベテランになったなと感じますか?
―身体的にはそうだけど、たまに自分がどうやってステージに立ってるのか不思議に思うときがあるの。『Aphrodite』は去年アメリカでライブをやった後に話が出たんだけど、すごくインスパイアされたし、本当に好きでやったショーだったわ。赤字にはなったけど、全く気にならなかったの。みんなからはコストを削減しろと言われたけど、こう言ってやったのよ、“初めての北米コンサートに安いシャツを着ながら何曲か歌うだけなんて出来ないわ。最高の体験にしなきゃだめよ”って。
ビジネスウーマンとしては成功したと思いますか?
―えぇ、そう思うわ。
ビジネスウーマンとしてのあなたの強みと弱みは何ですか?
―強みは創造力とアイディアだけど、その分みんなの気持ちも理解してる。人々の反応や、何を望んでて何が嫌いなのかということもわかってるつもりよ。
どうやって動向を掴むんです?
―本質的なものとテクノロジーの組み合わせだと思う。私って生粋のコンピューター・ガールなのよ。今もiPadを買うか買わないか本気で迷ってるわ。キャノンの5Dカメラを買ったばかりなんだけどね。新しい物好きもいいとこよ。昔は『初心者のためのMac』みたいな本を読んで夢中になってたくらいだし、コンピューター関連のものが大好きなの。
ビジネス面において、もっと改善しなくてはと思うところはありますか?
―もちろん。常に向上しなきゃいけないし、1日には24時間しかないってことや全てはこなせないということを事実として受け止めなきゃいけない。それから、途中で放り投げることは絶対にしないけれど、自分から始めたプロジェクトはきちんと終わらせることと、終わらせる努力をすること。強い意思を持ってプロジェクトを始める準備をするんだけど、実行されずに構想のままになってしまっているものもあるわ。マネージャーに何か伝えておいたと思っても、実際には私の頭の中だけで会議が開かれてたりして、話し合って決定もしたのに実際には誰にも伝えてないの。“あら、ツアーに出るって言わなかったっけ?まぁ、そういうことだから!”みたいな。良い仕事をしてるとは言えないわね。きっと私が双子座だからかしら。
当初女優としてキャリアをスタートした頃と目指すものが変化したとは思いませんか?
―そうは思わないわ。基本的には同じで、ただ規模が大きくなっただけよ。大きな大きな夢を抱いてた子どもの頃ですら、教会へ行ってピアノ伴奏してくれる男の人との歌のレッスンにお小遣いを全て注ぎ込んでいたんだから。幸運なことに沢山の素晴らしいチャンスに恵まれたし、ほら、双子座だから予想外の出来事というのが大好きなの。階段を何段も跳ばして進むなんてことはしない。いつだって一段一段登っているわ。それがどういうわけか上手く行ってるのよ。
乳癌の治療の後で、パフォーマンスの面で最もチャレンジングだったことは?
―全て。多くのことを通じて自分の体を知るという身体的な側面があったし、様々な変化に対応しなくてはいけなかったけど、感情面でのチャレンジも大きかったわ。もう一度パフォーマンスをすることを待ち焦がれていたけれど、みんなに“彼女もう大丈夫なの?本当にこなせるの?”と思われているのが手に取るように感じられたの。だから絶対に一歩も譲らなかったし、頑としても曲げなかった。私ってテリア犬みたいに頑固なのよ。この先もね。
病気になることで人は自分の人生を改めて考えることがありますが、何か変化したことはありますか?
―常にその瞬間を生きるというのはとても難しいことよね。その点では以前より瞬間を大切にすることを学んだわ。山の頂上に座ってるとか極限にいない限り、そういった生き方をするのが100%可能だとは思わないし、修行僧のような生活は私達普通の人間にとってはとても神聖で高潔なものだもの。だけど素晴らしい時間を過ごしていることに感謝してるし、今を生きているってことは忘れない。今日のこの時間が素敵な時間であるようにね。
パーフェクトでいることのプレッシャーを自分自身でかけていて、立ち止まることや自分らしくいることを忘れがちであること、それは特に女性達にとってありふれた問題であるとは思いませんか?
―えぇそうね、私達の世代にとっては不安な時代だもの。それにとてもショッキングなことが世界中で起こっているでしょう。ささやかな喜びに出会ったとき、それは小さな口火なんだってことに気付かなきゃ。
ニュースは欠かさずチェックしてますか?
―飛行機の中にいるときが新聞を隅から隅まで読める唯一の時間なのよ。そんなことはしょっちゅうだけど、常に世界を回っていると難しいのよね。イギリスの政治を全て知っておかなきゃいけない?オーストラリアの政治を全て知っておかなきゃいけない?だとしたら、どこか中間に住まなきゃいけないわね。
忙しいときに、まず最初におろそかにしてしまうものは?
―自分の時間。一人だけの時間を持つって本当に大切なことなのよ。忙しいと歯医者に行くことやちょっとした用事や、家族との買い物に時間を割けなかったりするわ。出来る限りオーストラリアの家にスカイプで連絡しようとしてるんだけど、すごく忙しいときは知らず知らずに1週間も2週間も過ぎてしまっていて、“オー・マイ・ゴッド、もうずっと母や父と話してないわ!”って感じ。
もっと自由な時間があったら何をしたいですか?
―今は趣味の時間が全然ないの。1年間の休みがあったらフランス語をもっと完璧にして、スペイン語も勉強するわ。今スペイン語を勉強してるんだけど、もっと頑張らなきゃだめなの。
何かスペイン語を…
―(恥ずかしそうに)Estoy muy feliz a ser aqui con usted<あなたとここに居られてとても嬉しいです> 写真も学んでたし、芸術史を学びたいとも思うわ。私の中でちょっとした願望というか妄想があるんだけど、学校を卒業した後にカレッジに通って、より学識的な道に進むの。そして徹底的にその道を突き詰めるのよ。
他にハマってることや趣味はありますか?
―グラフィック系の月刊誌を読むのが大好き。デザインが好きなの。だけど実はアートやデザインについて詳しく知らないし、誰を好きになったらいいかもわからないのよ。私の夢のまた夢のまた夢は、学者の友人を持つことなの。私の傍にいて、例えばローマ帝国の映画についてとか色々と教えてくれる人。募集をかけといた方がいいわね、“求ム:学者、全てのことについて全てを知っている者。世界を回る準備をせよ”って。
料理は?何かスキルはありますか?
―もうずっと家族の間でジョークにされてたのよ。弟と妹は料理上手なのに、私はトマトを切ることと海老を剥くことしかできないって。でも最近料理にハマっていて、料理本を沢山買い込んだの。トマトピューレを散りばめたすごく美味しいカレイの料理も作ったわ。だから完璧に作れたときはこう思うの、“神様ありがとう、私もミノーグ家の血を受け継いでたのね”って。
恋人のアンドレスも料理上手?
―そうそう、彼ってとっても上手なのよ。スペイン人なのと、彼の家族がレストランをやっているからだと思うわ。料理をしていて、私はもう出来上がったと思うと彼は何か調味料を入れたり何か付け加えたりして、私に味見させてくれるんだけど、“どうして私は思い付かなかったのかしら?”って思うことばかりよ。
あなたにとって家族は大切なものですか?
―えぇ、素晴らしい家族だし、周りの友達もそう。両親は最高のアドバイスをくれるわ。母は私にとって女友達でもあるし、とってもゴージャスな人。彼女のような人になれたらすごく幸せだと思うの。みんなと同じように、子どもの頃は“うーん、私の両親って至って普通なのね”なんて思ってたけど、実際にはそうじゃなかったのよ。最近母が告白したんだけど、私を妊娠してたとき母は超越瞑想法を実践してたらしいわ。それから、両親は私や妹のすることに対してとても広い心を持ってくれた。
3人兄弟の長女ですが、家族の中での立ち位置は?
―うーん、わからないわ。すごくトリッキーな質問ね。弟のブレンダンは3人の中では堅実な性格で、オーストラリアに住んでる。家族を持っていて、とても頭の回転が良いのよ。妹と私はご存知の通りこういう職業に就いていて、たまに2人共恐ろしいくらい似ているときがあって恐怖に近いくらいだけど、性格は全く似てないわ。彼女をとても誇りに思ってるし、みんなが私達に優劣をつけて比べるのにはうんざりする。
世界中で過ごしてますが、ホームはどこですか?
―ルーツはオーストラリアだし、私のハートはオーストラリアよ。幹の部分、私のボディはイギリスで枝々はパリ。今だったらスペインにも少し枝分かれしてるかしら。
家族の中での自分はどんな感じ?
―自分のことを家族の盛り上げ役とか人気者だとは思わないわ。ひらひらと舞う、蝶みたいな感じね。
ボーイフレンドのアンドレス(ずっとアンドレだと思ってたら“ス”も発音するそうで)がカイリーの歴代彼氏二人目のスペイン人だということで、アンドレスと付き合い出してからは「All The Lovers」のスペイン語バージョン歌ったりと、まぁ毎回毎回わかりやすいカイリー・ミノーグ43歳。